海外プリペイドSIM導入マニュアル――空港で2社が簡単に購入できる「カタール・ドーハ2014年」編:ほぼ全域でLTEが利用可能(2/2 ページ)
ヨーロッパへの乗り継ぎなどで日本からの訪問者数が増えているというカタールの首都ドーハ。歴史的な建造物と高層ビルが共存し、サハラ砂漠にも近い市街地では、4Gサービスが利用できる。
ショッピングモールへ向かうバスは“命がけ”
空港で時間がないときは街中でもプリペイドSIMの購入は可能だ。携帯電話ショップが街中に点在しており、また雑貨店でもOoredooやVodafoneの看板を掲げてSIM販売を行っている店もある。ただし小さ目の雑貨店では英語が通じないこともあったため、空港で買ったほうがよさそうだ。あるいは買い物がてら新都心にあるショッピングモールへ向かうのが良いかもしれない。数あるモールの中でもCity Center DohaはOoredoo、Vodafoneの両店舗があるのでここを訪れるのが良いだろう。
新都心への移動は前述したようにバスでも行けるが、市内中心部のバスターミナル「アル・ガニム・ステーション」の時刻表を見ると1時間に1~2本しか本数がない。午前や夕方は道路が大混雑するので運賃の安いバスを利用するのが良さそうだが、昼間の空いている時間ならタクシーを使ったほうが良さそうである。なおバスに乗る際はアル・ガニム・ステーションでICカードの購入が必要。30リヤルで運賃は5リヤル。なおICカードが無い場合は10リヤルの現金で乗車することもできる。
ちなみにバスに乗車するときは“覚悟”が必要だ。バスは地元のお金のあるカタール人は利用せずほぼ出稼ぎの外国人労働者たち。新興国や途上国からやってきた彼らに「乗車時に並ぶ」という概念はない。マナー云々ではなく、母国でバスや電車に乗る経験がない人が多いのだ。そのためバスが到着してドアが開くと、そこに待っている客全員がドアに殺到する。夕方ラッシュ時はバスに乗るだけでも命がけだ。バスの本数が少ないこともあり、万が一満員で乗れなかったら大変なことになるのだろう。ちなみに降りるときも早めに降りずにゆっくりと最後に降りようとすると、降りる客を無視して乗客が乗ってくるので降りれなくなってしまう。近代的なビルが立ち並ぶ新都心でもその光景は毎日繰り返されているのだ。
バスはアル・ガニム・ステーションとCity Center Dohaを結ぶ路線があるので降り間違うことはない。終点で降りればそこがCity Center Dohaだ。モール内には多数の店が入っており家族連れの場合などはここで1日を過ごすこともできそうだ。スーパーのカルフールも入っているので日用品の買い物もできる。なおカルフールでは携帯電話も販売しているので、SIMフリーのスマートフォンを買うことも可能だ。
モール内にはOoredooとVodafoneの旗艦店が入っており、どちらも規模は大きい。だが平日昼間でも意外と客で込み合っており、やはりプリペイドSIMの購入は空港で済ませておいたほうが良いかもしれない。両者の店舗ではモバイルルーターやスマートフォンも販売されているが、SIMフリーのため価格は若干割高。とはいえ他国でも利用できるので海外用端末として買うのもいいだろう。
LTEのカバレッジは十分、ホテルよりも快適
さて両者のプリペイドSIMをSIMフリーのスマートフォンに入れて使い比べてみた。市街地や新都心いずれでもほぼ全域がLTEのカバレッジエリアとなっており、3Gに落ちることはほとんどなかった。また今回訪問した郊外の展示会場でもLTEを利用することができた。郊外へ向かう途中の道路では3Gに落ちることもあったが、2Gになることはなく快適に利用することができる。テザリングも可能なので、スマートフォンとノートPCやタブレットを接続して仕事をすることもできそうだ。
通信速度はOoredooが実測で30~50Mbps、Vodafoneが15~30Mbpsと、Ooredooのほうが速い。またLTEのカバレッジもOoredooのほうが若干広い印象だ。とはいえVodafoneがプロモーションで安い料金を出していたならば、Vodafoneを選ぶ価値も十分あるだろう。いずれにせよどちらの事業者を選んでもホテルのWi-Fiサービスよりも快適な速度でデータ通信を利用できるだろう。
今回は滞在が3泊4日だったため料金追加は行わなかったが、街中の売店や携帯電話ショップで簡単に残高追加カードを購入することもできる。そのあたりの方法はプリペイドSIM付属のマニュアルに英語表記されているのでそちらを参照してほしい。ドーハを訪れた際はOoredoo、Vodafoneどちらも手軽にLTEの高速環境を利用できるので、プリペイドSIMをぜひ購入して欲しい。
関連キーワード
Vodafone | プリペイドSIM | 空港 | LTE(Long Term Evolution) | 海外プリペイドSIM導入マニュアル
関連記事
- 「海外プリペイドSIM導入マニュアル」最新記事一覧
海外プリペイドSIM導入マニュアル――「ミャンマー・ヤンゴン2014年」編
数年前までは自国民ですら携帯電話の入手が困難だったミャンマーも、海外の通信事業者が参入し、容易にプリペイドSIMが買えるようになった。現地3社のプリペイドSIMの使い勝手も三者三様、それぞれを試してみた。海外プリペイドSIM導入マニュアル――LTEも使える「ノルウェー・オスロ2014年」編
通信インフラの整備が進んでいるノルウェーではプリペイドSIMでもLTEの利用が可能だ。物価が高くホテルや食費は高いものの、ネットアクセス環境は快適だ。日曜は商店は休みだが空港でプリペイドSIMを購入することができる。海外プリペイドSIM導入マニュアル――「ジャカルタLTE」編
新興国でもLTEサービスが広がりつつある。今回はインドネシアの首都ジャカルタでプリペイドのモバイルルーターを購入してみた。海外プリペイドSIM導入マニュアル――「ブルネイ2014年」編
東洋一のお金持ち国家であるブルネイ。裕福な国だけに通信費も安いと思いきや、プリペイドSIMの価格はアジアでも抜きん出て高かった。なかなか訪問する機会のないブルネイの首都、バンダルスリブワガンで2社のプリペイドSIMを買って使い比べてみた。海外プリペイドSIM導入マニュアル――「ルクセンブルグ+パリ2014年」編
ヨーロッパの小国の1つルクセンブルグは観光客が多いこともあり、プリペイドSIMが簡単に買える。また隣国フランスでもプリペイドSIMが買いやすくなった。今回はルクセンブルグとパリ、2都市の最新プリペイドSIM情報を紹介しよう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.