Windows Phoneの「中華フォント」問題に改善の兆し――Win10にも期待の「MADOSMA」:地図やOfficeの使い勝手は?(2/2 ページ)
無事に発売されたMADOSMAだが、Windows Phoneでは「中華フォント」を目にする機会が多い。レビュー第3回では、この中華フォント問題を始め、WebブラウザーやOffice、地図やIMEなど、Windows Phoneのアプリを中心に解説する。
Officeの進化はユニバーサルアプリに期待
Windows Phoneが搭載する、モバイル版のMicrosoft Officeはどうだろうか。その機能は、Windows Phone 7の頃から大きくは変わっていない。編集機能が限定的であること、PowerPointファイルの新規作成ができないこと、といった制限もそのままだ。
奇妙な制限として、「.xlsファイル」のようなOffice 2003以前の形式のドキュメントの編集には対応しておらず、閲覧のみに限定されている。Windows Phone 7.5から続く制限で、その原因は改善が困難なバグによるものと説明されてきたが、マイクロソフト純正のOfficeとしては残念な点だ。
iOS版やAndroid版のOfficeが次々と進化する中、なぜWindows Phone版は改善されないのか、との批判はある。ただ、Officeの開発チームとしても、現実にユーザーが多いiOS、Android向けを優先したいという気持ちはあるだろう。
今後はWindows 10向けに、ユニバーサルアプリ版のOfficeが登場する予定だ。これにより、iOSやAndroid版に相当する主要機能が、Windows 10 Mobileでも利用できるようになる可能性が高い。
地図は別アプリを、IMEは独自機能に注目
最後に、地図と日本語入力のIMEについても見ておこう。MADOSMAの大きな問題の1つが、標準の地図アプリの存在だ。Windows Phone 8では、それまでのBingマップに代わってNokiaの「HEREマップ」が採用された。しかし日本国内の地図データが用意されておらず、追加ダウンロードでも提供されていなかったため、白地図のような表示になっている。
幸いにもWindows Phoneでは、「gMaps Pro」のようにGoogleマップを利用できるサードパーティアプリは存在する。また、Windows 10 MobileではBingマップを表示するよう改善される見込みだ。
日本語入力用のIMEは、サードパーティのアプリを追加することはできない。しかしWindows Phone標準のIMEでは、独自の「カーブフリック」入力に対応する。通常のフリック入力に加えて、斜め方向に曲げることで濁音や半濁音を入力できる点が優れている。
ただ、基本的なキーボード配列が他プラットフォームのフリック入力用キーボードと異なっており、iPhoneやAndroidから移行したユーザーが戸惑いを覚えるのは残念な点だ。
また、日本語入力では、テンキー(カーブフリック)かQWERTYキーの片方だけを使いたいという人も多いだろう。その場合は、キーボードの日本語設定からQWERTYを削除する。逆にQWERTYのみ使いたい場合はテンキーを削除するといいだろう。
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