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羽田から船に乗ってアキバについた話85年前に作った秋葉原の船着場って使えるの?(2/2 ページ)

“うんううう”のトラベル“んんっん”ではないのに、なぜか船旅記事。しかし、そこはPC USERだからして、ご招待ではなく自腹でリポートするのであった。

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「舟視点」だから見えるもの、気づくもの

 さて、乗船当日。最初に乗るために羽田空港に向かう。集合場所は国際線ターミナルの2F、駐車場へ向かう連絡橋近辺だ。ここからバスで「Haneda Airport Wharf」へと向かう。一応定期利用しており、思ったよりも立派だ。

 今回利用したのは羽田空港→秋葉原なので多摩川から海老取川へ入り、その後、京浜運河を通って品川(正確には天王洲アイル)で一時休憩(降りる人と乗る人が若干いる)。その後、東京湾を経由して隅田川に入り、両国橋を渡ってすぐ神田川という航程となる。

 船ということで「船酔い」が気になったが、ほとんどが川や運河を航行するのでほとんど揺れずにスムーズに走っている。これは運河クルーズに適した双胴船タイプの「ルーク号」と船長の操船技術にも助けられているのだろう。一方、東京湾に入ったとたんにけっこう揺れた。

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 上船する前は「低い視点からならではの風景」がメリットだと思っていた。橋の下を次々と見る機会はまずないため、これは正しい。だが、それ以上に普段は見ることが出来ないものを見ることができた。例えば、東京湾岸警察署の赤橙付の船舶や首都高羽田線の「羽田可動橋」などあることは知っていても実際に見ることはなかなかできない。

 首都高6号線が隅田川にかかるところには船の運航を妨げないために、橋げたが設置できなかった部分があって、そこは「上の7号線から吊っている」ことも実際に見て確かめることができた。これは“舟視点”でないと気づかない。

船だから徐行じゃなくって、徐航なんですね。奥は漁師のために作られた係留所(写真=左)。内湾警備船。この先にも意外なほど多く警備船が活動していた(写真=右)
首都高羽田線の「羽田可動橋」。当時は首都高湾岸線がなかったので、羽田線が大動脈で事故防止のために1990年に完成。1998年に運用終了しているが将来に備えて撤去していないとのこと(写真=左)。舟は昭和島の手前を迂回する。これは、中央にこの浅瀬があるためだ(写真=右)
大田市場。筆者的には野菜のイメージだが、花もここで扱っている(写真=左)。目黒川水門。クジラをモチーフにしているのは寛政の鯨の故事にちなんで。隠し文字が読めますか?って問われても分かりませんってば(写真=右)
天王洲ヤマツピアに到着。本来なら下船休憩もアリという予定だが、ちょっと押しているので下船なしということで、ここまでの人と、これから乗る人が交代しただけ(写真=左)。警戒船。片手を振っているのは「海で両手を振るのはSOSサイン」だから(写真=右)
警視庁の船。後ろの人が「警視庁と海上保安庁の差はなんだろうね?」と雑談していた(写真=左)。こちらは小型船。こんなのが赤橙付けて急行してきたらヤだなぁ(写真=右)
レインボーブリッジ。途端に揺れまくって川・運河と海の差を体感(写真=左)。大型船対策でこの高さにしたけど、その後大型船がさらにでかくなったので入れなくなったと説明あり(写真=右)
東京湾の観光船「御座船安宅丸」(写真=左)。浜離宮に入っていく水上バス。寛政の鯨は将軍家斉が浜御殿(現浜離宮)で上覧するというエピソードが元ネタになっている(写真=右)
勝鬨橋。左は築地市場。奥に聖路加ガーデンが見える(写真=左)。筆者的にはスクーターでビッグサイトに行くにも、幕張メッセに行くにも通る橋だ(写真=右)
中央大橋にある「メッセンジャー像」。パリ市長が友好の印として贈ってきた銅像(写真=左)。中島にある東京海洋大学に保存している重要文化財「明治丸」。これによって小笠原諸島が日本領として認められたそうな(写真=右)
清洲橋とスカイツリー。二時間でこれだけ色々と見る事が出来るのは観光としてもアリ。隅田川に入ると観光船も多い(写真=左)。首都高6号線のための橋脚が設置できないので7号線から吊っているという(写真=右)
両国橋。目印は橋のたもとにある尺玉モチーフ(写真=左)。両国橋を超えるとすぐに神田川とそこにかかる柳橋。屋形船が多数係留中(写真=右)
その柳橋のたもとにあるのが小松屋(写真=左)。昭和55年進水の木造屋形船「第二小松丸」。隅田川にはほかに木造屋形船はないそうだ(写真=右)
ついに万世橋に到着………が、先客がいる??(写真=左)。お客さんに直接階段からの上陸は厳しいと判断したらしく、船を浮き桟橋代わりに使っている(写真=右)
約一時間後。今度は秋葉原出発のお客さんを乗せて羽田空港に(写真=左)。浮き桟橋代わりの船も追いかけます(写真=右)

 実質的な乗船時間は2時間少々、総距離22キロの船旅をまた体験できるかどうかは、今回の実験結果とアンケート次第のようだ。ただ、神田川に今回のような規模の船で乗降できる設備がない(緊急用の設備はあるそうだ)ので、運行の可能性としては期間限定やイベントのみになりそうな気がする。

 また、「万世橋を通過」するだけでいいという場合は東京湾クルージングが「日本橋・神田川ぐるり1週コース」を、東京水辺ラインが「カワセミ日本橋川・神田川めぐり」を、江戸東京コンソーシアムが「神田川コース」を、舟遊びみづはが「日本橋川・神田川・隅田川三角コース」をそれぞれ運航している。

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