ニュース

「Office 2016」の日本向けラインアップ発表――単独発売は9月30日、Office Mobileにも365提供メディアなしのPOSAカードで販売(2/3 ページ)

9月23日から「Office 365」サブスクリプション契約ユーザー向けに提供されている「Office 2016」だが、永続ライセンス版の国内販売は9月30日に始まる。

共同作業とWindows 10対応、マルチデバイス対応で生産性向上へ

 発表会で登壇した日本マイクロソフトの平野拓也社長は、既にエンタープライズユーザーの過半数がOffice 365を選択し、コンシューマーユーザーもこの1年で半数がOffice 365を選ぶようになっていると、Officeのクラウドサービス化が進んでいることを強調。同社はテレワークの推進をはじめ、ワークスタイル変革の支援を行っているが、クラウドのOfficeがそれを促進するとした。

 平野氏はOffice 2016について、(1)チームワークに最適、(2)Windows 10と完全に連携、(3)あなたのやりたいことを先回りしてサポート、(4)最高の安全性を誇るOfficeという4つの特徴を掲げ、「地球上の全ての個人と組織がより多くを達成できるようにする」というMicrosoftの企業ビジョン実現に向けて、中核となる製品とアピールした。

発売されたばかりの「iPhone 6s」ローズゴールドモデルを片手にOfficeのマルチデバイス対応をアピールする平野社長。ちなみに、普段使っているスマートフォンはWindows Phoneという
新Officeの主な特徴

 続いて登壇した同社アプリケーション&サービスマーケティング本部の輪島文氏は、Word 2016の共同編集機能でチームが1つの企画書を素早く作成できるというデモを行った。Wordの画面には、チームメンバーがリアルタイムで文字を編集している様子が表示され、不明点があればSkypeのビデオチャットで呼び出し、コミュニケーションを取りながら企画書に必要な要素を埋めていく。

advertisement

 過去の売上データが見つからない場合は、ユーザーのOffice利用状況を記録して分析し、関連する仕事やメンバーについてカードを並べたようなユーザーインタフェースで表示する「Office Delve」機能で探しだし、過去の実績から売上予測データを自動生成してグラフで企画書に貼り付けるといった一連の作業を紹介した。

Word 2016の共同編集機能デモ。複数のユーザーが文字を入力している様子がリアルタイムに表示へ反映される
右上の「共有」ボタンを押すと、右側にリアルタイム編集を行っているユーザーが表示される
共同作業中のメンバーを呼び出し、文字やビデオでチャットをしながら文書を書き進めるようなことも可能だ
ビデオチャットのウィンドウを小さくすれば、文書編集をしやすくなる
Office 2016の利用状況は、自動的に収集、分析されダッシュボードとしてネットワーク利用状況や会議にかけた時間、ワークライフバランスなどが表示できる
「Office Delve」機能は、ユーザーのOffice利用状況から関連する仕事やメンバーをまとめ、カードのようなユーザーインタフェースで表示する。Office文書のタイトルや保存場所を覚えておかなくても、ユーザーが現時点で最も関心が高そうな情報をすぐ探し出せることをコンセプトとした機能だ
記憶が曖昧だった過去の売上データをOffice Delveで発見し、Excel 2016で表示
「予測ワークシートの作成」機能を使って、過去実績から売上予測のグラフを作成
作成した売上予測のグラフをWordで共同編集している企画書に貼り付ける
こうして完成した企画書をOutlook 2016のメールに添付して送信する。メールを添付する際、「最近使ったアイテム」として作成したばかりの企画書が検出されるので、エクスプローラで保存場所をいちいち指定する手間が省ける

 続いて、同社同本部の中川智景氏がOffice 2016のコンシューマー向け利用例として、マルチデバイス対応のデモを行った。

 まず5年ぶりのアップデートとなるOffice 2016 for Macは、Windows版とほとんど同じ見た目のリボンユーザーインタフェースを採用し、RetinaディスプレイやフルスクリーンアプリといったOS Xの作法もサポート。Wordの校閲機能におけるスレッド表示、Excelの「おすすめグラフ」機能による2軸グラフの自動作成といったアップデートを取り上げた(おすすめグラフはWindows版のOffice 2013から搭載)。

 Windows版のOffice 2016については、Mac版より共有機能が優れていると紹介。機能面では、PowerPoint 2016の「スマート検索」機能を使い、意味がよく分からない単語を検索すると、アプリ内にWikipediaなどのWeb検索結果が表示され、ワンクリックでブラウザを起動して該当ページに遷移できるデモが行われた。

 次に開発中の「Windows 10 Mobile」を使ったOffice活用について、Windows 10 Mobile搭載スマートフォンと外部ディスプレイを接続し、「Continuum」機能によってPC版Windows 10のようにマウス操作でPowerPointアプリを使うデモを行おうとしたが、うまく動作せず断念した(開発中の環境なので仕方がないところ)。

「Office 2016 for Mac」のデモ。画面はWord 2016を開いたところ
フルスクリーンでの編集にも対応する。こちらはWordの校閲機能におけるスレッド表示のデモ
Excelの「おすすめグラフ」機能を使って、グラフを作成
このように2軸のグラフを手軽に作成できる
Windows版のOffice 2016でPowerPoint 2016を表示
「ドーリア式」という単語を調べるために「スマート検索」機能を利用。右側にWikipediaの検索結果とBingイメージ検索結果が表示され、Webブラウザに表示を切り替えなくても簡単な調べ物ができる
開発中の「Windows 10 Mobile」を搭載したスマートフォンに外部ディスプレイを接続した例。Windows 10の「Continuum」機能によって、外部ディスプレイにはWindows 10のデスクトップ画面とスタートメニューのようなユーザーインタフェースが現れる。ここからマウス操作でOfficeアプリを起動し、デスクトップのように操作できるという

 パートナー企業からは、sMedioの田中俊輔社長、ソフトバンク主席エヴァンジェリストの中山五輪男氏、NECパーソナルコンピュータの留目真伸社長が登壇。自社製品とWindows 10、Office 2016の親和性について語り、新Officeのリリースを祝った。

sMedioの田中俊輔社長は、メディアプレーヤーアプリ「TrueLink+ Hi-res Edition」を紹介
TrueLink+ Hi-res Editionでは、OneDrive内にあるハイレゾ音源ファイルをアプリ内の操作画面で選択し、ストリーミング再生が可能だ
ソフトバンク主席エヴァンジェリストの中山五輪男氏。かつてはiOSデバイスのみ推奨していたが、今では時代の流れでiPadもSurfaceも、そしてAndroidも紹介するマルチデバイスの訴求をしているとのこと。「iPad Air 2」と「Surface 3」を両手に持って登壇するのは初めてと笑う
NECパーソナルコンピュータの留目真伸社長は、8型タブレット「LAVIE Tab W TW508/CAS」、13.3型2in1の「LAVIE Hybrid ZERO HZ650/CAS」を抱えて登場。新Office対応のLAVIE秋冬モデルを紹介した

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.