11.6型「LAVIE Hybrid ZERO」に匠が込めた“燃え上がる魂”(後編):試行錯誤で使いやすく魅力的に(1/4 ページ)
11.6型のデタッチャブルPCで世界最軽量を実現した「LAVIE Hybrid ZERO」。そのオプション品である「フラットカバーキーボード」は、さまざまな苦労の末に生まれてきた。キーボードの「匠(たくみ)」と、直販サイトの担当者の話を聞いてみよう。
NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)はLAVIE Hybrid ZEROの11.6型モデルの技術説明会を開催した。発表会レポートの前編では、商品企画担当の中井祐介氏と構造設計担当の梅津秀隆氏によるプレゼンテーションの模様をお伝えした。
後編となる本稿では、フラットカバーキーボードの設計担当の杉本繁伸氏と、NECダイレクト(Web直販)担当の梅田裕氏のプレゼンテーションの模様をお伝えする。
企画からの要求:「200グラム以下」は必達
フラットカバーキーボードは、11.6型モデルのタブレットとしての可搬性(モビリティ)を損ねることなく、画面保護と文字入力の利便性向上を図ることを目的に企画されたオプション品だ。
当初から「(企画担当からの)厳しい要求が来るのではないか」と想定していた杉本氏。企画書上の要求は「カバー単体で重量200グラム以下・厚さ3ミリ以下」というものだった。厚さの要求はゼロストローク(押し込みなし)の場合のもので、ストロークの有無については必須条件とはされなかった。しかし、重量を200グラム以下にすることは必達とされた。
企画からの要求を踏まえ、軽量化のためにポインティングデバイス(「NXパッド」など)は搭載しない、タブレットを120度で支持できる機構を備える、といった設計方針を策定していった
試作第1号:厚さは目標達成 しかし2つの「課題」が浮上
設計方針に従って試作した最初のカバーキーボードは、重量328グラム・厚さ3ミリとなった。厚さは目標を達成したものの、重量は128グラムの「ダイエット」を要する状態だった。
そこで、ダイエットのためにスタンド構造の見直しと、さらなる薄型化を検討した。しかし、薄型化すると軽量化には効果的であるものの、キーボード内部のメンブレン(膜状)スイッチを十分に保護できないため、スタンド構造の見直しで軽量化を図る方針を固めた。
また、このカバーキーボードは「ゼロストロークで厚さ3ミリ」設計としたが、ストロークがないことで、キー入力の疲労感が大きくなることが課題として浮上した。そこで、何らかのかたちで「打鍵感」を持たせることになった。
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