Windows 10「Anniversary Update」の新機能で画面にさっと直線を引いてみた:ITはみ出しコラム
PCが紙のノートとペン代わりになる(かもしれない)新機能「Windows Ink」を試してみました。
Windows 10の公開1周年を記念した無料の大型アップデート「Anniversary Update」が、2016年8月2日(米国時間)にリリースされました。日本時間の8月3日に私のWindows 10ノートPCでもダウンロードできたので、早速アップデートしました。
Anniversary Updateには複数の新機能が追加されましたが、個人的に楽しみにしていたのは進化した手書き入力機能の「Windows Ink」です。これが使いたくて、タッチ対応ディスプレイのWindows 10搭載ノートPCを購入したと言っても過言ではありません。
米Microsoftが3月末に開催した年次開発者会議「Build 2016」のデモでは、スケッチパッド機能で画面上にバーチャルな定規を表示し、これを使ってさっと直線を描いているのがすごく印象に残りました。そして、あれをやってみたい~と思ったわけです。
Windows Inkは、(私の場合は)アップデートしただけでは使えるようになっておらず、ツールバーを右クリックすると表示されるメニューで「Windows Ink ワークスペース ボタンを表示(W)」にチェックを入れる必要がありました。恐らく、Surfaceシリーズなどタブレットの場合は最初からボタンが表示されると思います。
これでタスクバーに「ペンのアイコン」が表示されるようになりました。これをクリックするか、ショートカットキーの「Windows」+「W」を押すと、画面右からWindows Inkの「ワークスペース」がにょろっと出てきます。
ワークスペースは上から、「付箋」「スケッチパッド」「画面スケッチ」「最近使用したもの」「おすすめ」の順に並んでいます。
と説明すると、なかなか多機能なツールを想像されたかもしれませんが、ここで残念なお知らせです。
日本ではまだ付箋がWindows Inkに対応していません! ささっと手書きでメモして画面に貼っておければ便利なのに……。楽しみにしていただけに残念です。
また、Windows Inkで日時とかを手書きすると、Windows 10の音声対応パーソナルアシスタント「Cortana」がそれを理解してくれるという人工知能っぽい新機能も用意されているのですが、同様に日本では使えません。
考えてみれば、それを可能にするには手書きの日本語を正確に読み取る必要があるので、非常に難度が高そうです。当面は英語圏外で使えるようにならない気もします。
気を取り直して、「スケッチパッド」を開いてみました。名前の通り、手書き入力で自由にスケッチできるツールです。待望の定規は、画面右上に表示されるメニューの左から4番目(消しゴムの隣)にあるアイコンをクリック(タップ)すると現れます。
画面上の定規はもちろんタッチで操作できる仕組みで、1本指で移動し、2本指で回転させます。定規の目盛と目盛の間にある放射状のマークは、コンパスだそうです。定規を基点や中心点に当てると、インジケーターが太くなります。
「画面スケッチ」も楽しみにしていました。例えば、記事に掲載するスクリーンショットに説明を手書きで追加してそのまま保存できるので、(かなりニッチなニーズですが)記事に貼る画像編集が少し楽になりそうです。しかし、保存のアイコンが「フロッピーディスクの絵」というのは、もう若い人には分からないかも。
さて、定規についても1つ悲しいお知らせがあります。
定規を使って、文字の上にラインマーカーを重ねて引くことはできません。バグだと思います。高校生時代、教科書に定規を使ってきれいにラインマーカーを引いていたクラスメイトにちょっと憧れたものですが、私は当時からずぼらなフリーハンド派だったので、まあいいです。
ワークスペースに並ぶ残りの「最近使用したもの」と「おすすめ」は、まだ使えないみたいです。いずれもペン入力対応アプリが表示されますが、少なくとも前者に表示されるOneNoteやマップ、フォトなどでは、まだWindows Inkが使えませんでした。後者はWindowsストアの「Windows Inkコレクション」へのリンクになっていて、試しに1つアプリをインストールしてみたのですが、これもまだWindows Inkが使えませんでした。将来的に対応するということみたいです。
そんなわけで、Windows Inkはまだ実用段階とは言い難いという印象ですが、今後の改良に期待したいです(特にマップのサポート)。
関連キーワード
Windows | Windows 10 | Anniversary Update | Microsoft
関連記事
夏場は要注意!? ノートPCの「ペタペタ問題」を解消する
こう暑いと、肌も汗でべとつきがちですが、ガジェットもペタペタしてきませんか?ポケモンGOの隠れたルーツ「Field Trip」を知っていますか?
今が旬の「ポケモンGO」ですが、開発者のやりたいことはずっと前から一貫していたようです。「Pokemon GO」のおかげでARメガネがいよいよ普及する?
ARメガネのキラーアプリ、それは「Pokemon GO」なのかもしれません。Windows 10はMicrosoftアカウントで使うべき?
その方が便利なのは分かるのですが……。8月10日の「Windows 10の日」にあの10段ソフトクリームが復活
日本マイクロソフトが「Windows 10 Anniversary Update」に関するプレスセミナーを開催。「愛されるWindows」を目指す。これでWindows 10を導入する気になる? 公開1年記念アップデートで変わること
強引な無料アップグレード施策が物議を醸す「Windows 10」。今夏に控えた大型アップデート「Anniversary Update」でOSとしての完成度、評価は高まるだろうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.