VAIO S11・S13の「ALL BLACK EDITION」を2台まとめて徹底検証する(4/4 ページ)
第8世代Coreに独自チューニングを施し、さらなる性能向上を図った新しい「VAIO S11」と「VAIO S13」。その特別な新色モデルの「ALL BLACK EDITION」を2台まとめて徹底レビューする。
騒音や発熱はボディーが大きいVAIO S13がやや有利
動作音の計測も行ったところ、やはりVAIO TruePerformance有効時は標準状態に比べて高負荷時の動作音が大きくなる。ファンがうなるような音や甲高い音は抑えられているため、数字以上の不快さは感じないものの、風切り音が大きくなるのは否めない。この辺りは性能とのトレードオフで仕方がないところだ。
VAIO S11とS13の比較では、やはりS11の方が少し動作音が大きい。低負荷時は、VAIO S13は排気口に耳を近づけても分からないくらいだが、VAIO S11は耳を近づければはっきりファンの音が分かる。高負荷時も最高値はあまり変わらないものの、全体にVAIO S13に比べて少しノイジーな印象はある。同じスペックでボディーの大きさが小さいのだから、不利なのは当然だ。
放熱性能もVAIO S13の方が優秀だ。H.264の動画エンコードを7分以上を行ってもキーの一部が温かい程度で、パームレストは冷たく感じるほどだった。テスト時の室温が19℃と低かったこともあるが、夏場でもパームレストに不快な熱は持たないと思われる。VAIO S11はS13に比べると温度が高めだが、それでもパームレストはクールなままだった。
FLIOR ONEで撮影したAdobe Premiere Pro CCテスト終盤(H.264)のサーモグラフィ(標準時)。VAIO S11の一部キーが少し温かいという程度。両機の間隔は撮影10秒ほど前に詰めたもので、テスト中は十分な間隔をとっている。テスト時の室温は19℃
FLIOR ONEで撮影したAdobe Premiere Pro CCテスト終盤(H.264)のサーモグラフィ(VAIO TruePerformance有効時)。全体にわずかに高いが、あまり変わらない
クアッドコア化によるバッテリーへの影響は軽微
バッテリー駆動時間の計測は、デフォルトの設定で行った(ディスプレイの輝度40%)。BBench 1.01(海人氏・作)を用いて、10秒間隔でテキスト入力、60秒間隔でWebサイト巡回(10サイト)という条件でテストし、バッテリー満充電の状態から残り5%までの駆動時間は、VAIO S13が9時間13分、VAIO S11がちょうど9時間だった。
計測時期が異なるため厳密な比較はできないものの、第7世代Core搭載の2017年秋モデルから微減というところだ。
付属のACアダプターは従来同様で、VAIO S11とS13で共通だ。5ボルト、1.0アンペア出力が可能なUSB給電用ポートを搭載し、スマートフォンなどを充電できる。実測でのサイズは38(幅)×105(奥行き)×27(高さ)mm(突起部を除く)、重量が本体のみで191g、電源ケーブル込みで234gと小型軽量だ
高性能と薄型軽量を高次元で両立したALL BLACK EDITION
以上、VAIO S11・S13のALL BLACK EDITIONを一通りテストした。ベンチマークテストの結果は上々だ。VAIO TruePerformanceの効果も大きく、クリエイティブ用途などにも使えるパフォーマンスを1kgクラスやそれ以下のフォームファクターで実現しているのは素晴らしい。これだけの高性能と薄型軽量を両立できているのは驚く。
VAIO S11・S13がもともと備えるデザイン性の高さは、オールブラックカラーでさらに強調されており、こちらも魅力は十分だ。見やすい液晶ディスプレイ、打ちやすいキーボード、堅牢性の高いボディー、豊富なインタフェースといった従来の特徴と合わせて、高価な価格を納得させられるに十分な付加価値を備えている。
VAIO S11とS13は液晶ディスプレイとキーボード、本体のサイズを除く仕様がほぼ共通化されており、直販価格も変わらないので、携帯性をどこまで重視するかが選択の分かれ目になる。いずれもクラムシェルノートPCで携帯性と処理性能を両立したいならば、有力候補となるに違いない。
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