Intelが「第10世代Coreプロセッサ(Ice Lake)」を発表 第9世代Coreプロセッサの新製品も:COMPUTEX TAIPEI 2019
開発コード「Ice Lake」と呼ばれていた、IntelのモバイルPC向け新プロセッサが正式発表された。同社としては初めてAI(人工知能)に最適化した処理エンジンを搭載し、GPUも刷新。Thunderbolt 3とWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)も内包している。
Intelは5月28日(台湾時間)、「第10世代Coreプロセッサ」を発表した。すでにPCベンダーへの出荷は開始済みで、2019年末には搭載製品が登場する見通しだ。
第10世代Coreプロセッサの概要
第10世代Coreプロセッサは、「Ice Lake(アイスレイク)」という開発コードで呼ばれていたモバイルPC向けの新CPU。Intelの量産CPUとしては初めて10nmプロセスで製造される製品でもある。
今回発表されたのは、モバイルPC向けの「Uプロセッサ(超省電力)」と「Yプロセッサ(極省電力)」。従来のCoreプロセッサと同様、「Core i3」「Core i5」「Core i7」をラインアップしている。CPUコアは新アーキテクチャの「Sunny Cove」で、深層学習(ディープラーニング)や暗号処理に最適な命令セットも備えている。
内蔵GPUは新コア「Gen11」となり、3Dグラフィックスの描画パフォーマンスを改善。4K(3840×2160ピクセル)のHDR(高ダイナミックレンジ)動画再生にも対応する。
従来は別チップとして搭載されていた「Thunderbolt 3」や「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」の機能を統合しており、メーカー側では両機能を備えるノートPCを開発しやすくなる。Thunderbolt 3端子は最大4つまで搭載可能だ。
第9世代Coreプロセッサにも新製品
Intelは同日、第9世代Coreプロセッサの新製品も発表。デスクトップ向け(Sプロセッサ)とハイエンドモバイル向け(Hプロセッサ)に「Intel vPro」対応製品が追加された。
Sプロセッサの新製品
プロセッサ名の末尾に「K」が付いているものはアンロック(オーバークロック)対応、「T」が付いているものは省電力版となる。
- Core i5-9500(6コア6スレッド、3G~4.4GHz)
- Core i5-9500T(6コア6スレッド、2.2G~3.7GHz)
- Core i5-9600(6コア6スレッド、3.1G~4.6GHz)
- Core i5-9600T(6コア6スレッド、2.3G~3.9GHz)
- Core i5-9600K(6コア6スレッド、3.7G~4.6GHz)
- Core i7-9700(8コア8スレッド、3G~4.7GHz)
- Core i7-9700T(8コア8スレッド、2G~4.3GHz)
- Core i7-9700K(8コア8スレッド、3.6G~4.9GHz)
- Core i9-9900(8コア16スレッド、3.6G~5GHz)
- Core i9-9900T(8コア16スレッド、2.1G~4.4GHz)
- Core i9-9900K(8コア16スレッド、3.6G~5GHz)
Hプロセッサの新製品
- Core i5-9400H(4コア8スレッド、2.5G~4.3GHz)
- Core i7-9850H(6コア12スレッド、2.6G~4.6GHz)
- Core i9-9880H(8コア12スレッド、2.3G~4.83GHz)
関連記事
Intelが次世代CPU「Ice Lake」を6月から出荷 製造プロセスは10nm
Intelが投資家向けの説明会において、10nmプロセスで製造する次世代CPU「Ice Lake」(開発コード名)を6月から量産出荷すると発表した。IntelがノートPC向けCPU「Ice Lake(仮)」を数カ月以内に発表 2019年末には製品登場予定
Intelの新マイクロアーキテクチャ「Sunny Cove」を採用するモバイルCPUが、間もなく姿を現す。同社としては初めての10nmプロセスのプロセッサで、2019年末までに搭載製品が発売される見込みだ。フラグシップはライバルより高速で省電力――デスクトップPC向け「Ryzen」が第3世代に 2019年半ばに発表へ
AMDのデスクトップPC向け「Ryzen」が、第3世代に移行する。7nmプロセスで製造され、パフォーマンスを向上しつつ消費電力の増加を抑制したことが特徴だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.