「16インチMacBook Pro」登場 プロ向けに再構築された新モデルを速攻レビュー:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)
Appleがまたも新しい「Pro」モデルを投入。今度は大型化して性能を大幅に引き上げた「16インチMacBook Pro」だ。いち早く実機のインプレッションをお届けする。
新たな進化も期待できる新しい出発点
「16インチのMacBook Proが出るらしい」――そんなうわさを聞いたとき、単に少しサイズが大きくなった(そして画素数が増えた)MacBook Proが出るだけなのだろう、とあまり大きな期待はかけていなかった。
キーボードの改良は確実に入るだろうとは考えていたが、実際に出てきた製品は見た目こそ従来機によく似ているが、さまざまなジャンルのプロフェッショナルなクリエイターが求める性能を盛り込むため、シャシー設計を最新の技術とノウハウで再構築したものだった。
進化した結果生まれた製品というよりも、作り直した新しい出発点という印象である。クリエイターが求めた性能や拡張性を実現するため、大きさや重さはわずかに増加しているが、その増分をキーボード、処理性能、オプション選択の幅、搭載バッテリー容量、音質といった多岐にわたる要素にプラスの影響を与えている。
IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)が未搭載である点はやや残念だが、今後進化していくヘッドルームも含め、今回の刷新は(ディスプレイサイズ以上に)大きな意味を持つものになるだろう。上部が25%、側部が34%小さくなったベゼルなど、見た目やスペックを重要視していないわけではないが、トータルの完成度の高め方が実にクレバーなのだ。
一般的にノートパソコンというジャンルで大きく、厚く、重くなることは、わずかであってもマイナスのイメージが伴う。
本機の場合も、15インチモデルの方がバランスがよかったという意見は少なからず出てくるだろう。しかし、そこから得られる体験の質の向上を考えるならば、プラスマイナスでは大きなプラス。そして将来への大きな“ヘッドルーム(進化の余地)”をもたらしたと思う。
ゲーミングPCを中心に高性能なノートパソコン、モバイルワークステーションは多数あるが、極めて高い完成度の標準機として、この製品を超えるWindows搭載機の登場にも期待したい。そんなことを思わせる新しい基準が設定されたように思う。
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