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新「13インチMacBook Pro」下位モデルはMacBook Airより買い? 価格もサイズも近い2台のテストで分かった実力差本田雅一のクロスオーバーデジタル(4/4 ページ)

2020年5月4日に発表された新しい「13インチMacBook Pro」。いち早く下位モデルを入手したので、ディスプレイのサイズが同じで価格が近いMacBook Airと性能を比べてみた。

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上位モデルにも期待が持てる下位モデルの安定した性能

 前述したように、13インチMacBook Proの下位モデルは、前モデルのキーボードをMagic Keyboardへと換装し、SSD容量が増加した以外に(恐らく)違いはなく、コンピュータとしての性能は同じと思って差し支えない。

 メモリとSSD容量を統一した上でCore i5モデル同士を比較した場合、MacBook Airの2万円アップという価格や得られる性能などを考えれば、動画や写真などを扱う用途では、この予算レンジだとMacBook Airを選ぶよりも13インチMacBook Proの下位モデルを選ぶ方が、結果として高い満足が得られるのだろう。

 検証してあらためて感じたのは、やはり現代のマルチコア化が進んだパーソナルコンピュータでは、いかに発熱に対応するのか、それによってどこまで実質的に高いクロックでCPUやGPUを回す時間を増やせるかがシステムパフォーマンスに影響するのだということだ。

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 なお、AJA system TestでSSDの速度も計測してみたが、13インチMacBook Pro下位モデルの方が256GBの構成であったこともあり、ややMacBook Proの方が高速ではあるものの大きな差ではなかったことを報告しておきたい。

 ただし、Appleは13インチMacBook ProのSSDについて、読み書きともに最大毎秒3GBの転送速度としているため、より大きな容量であれば、差は大きくなる可能性が高い。

 結論としては、Core i5、8GBメモリ、512GB SSDの構成でMacBook Airに対して2万円の差と実際の性能差を考慮すると、パフォーマンス重視ならば13インチMacBook Proの下位モデルを勧めたい。キーボードが更新された現在、そこにちゅうちょする余地はない。一方で、やはりスタイリッシュに文房具的な使いこなしをしたいならば、MacBook Airが望ましいだろう。

 近日中にはIce Lakeを搭載する上位モデルについてもレポートできる見込みだ。予想以上に発熱が問題になったといわれるIce Lakeアーキテクチャでは初の28W TDPモデル。その性能をどこまで引き出せるかはMacBook Proの冷却能力にかかっている。

 というのも、Ice Lakeには機械学習で動作クロック周波数をギリギリまで引き上げる第2世代Intel Dynamic Tuningが搭載されているからだ。もしAppleがIce Lakeの能力を100%引き出せているなら、期待以上の結果が得られるかもしれない。

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