空気感で追う新型コロナと秋葉原自作街――アキバの1年を振り返る【前編】:2020年のアキバまとめ前編(4/4 ページ)
2020年の自作PCパーツ街を振り返るとき、新型コロナウイルスの存在を無視することはできない。流通と往来、モノの流行、売り場の雰囲気に至るまで、新型コロナの波に揺り動かされた1年だった。
9~12月:ニューノーマル慣れした街に影を落とす、年末の感染急拡大
新型コロナウイルスは、街の再編を加速させた側面もある。5月にテクノハウス東映はラジオデパート店と統合し、ドスパラ系列店も秋葉原本店に上海問屋フロアと中古買い取り/サポートフロアを統合して10月にリニューアルしている。
ツクモ各店も5月の12号店に加え、2020年1月にオープンしたばかりのツクモ秋葉原駅前店も8月末に閉店。9月にツクモDOS/Vパソコン館も「ツクモパソコン本店リユース館」と名称を新たに再スタートを切った。
店の並びが新たになったアキバは、すっかりwithコロナのスタイルが定着したように見える。熱中症リスクが落ち着いてからは、往来でマスクを付けるのが当たり前となり、誰に言われずとも入店時にアルコール消毒するユーザーの姿が一般的になった。
とはいえ、週末などの集客イベントはいまだ開催される機会が少なく、人を多く集める企画は秋以降も控える傾向が残っている。その自粛を促す流れは、11月半ばから新型コロナの第3波の到来がささやかれるようになって、より強まった感がある。
例えば、11月下旬にはオリオスペックのイベントスペースでeスポーツ向けブランド「NINJA RATMAT」の試遊イベントが開かれたが、コロナ禍の状況を鑑みて2日開催の予定を1日に切り詰めている。また、11月から12月にかけて発売されたRadeon RX 6000シリーズのオリジナルクーラーモデル発売時は、入荷数が少ないことや長時間多くの人を集めるリスクなどを考慮して、オンライン販売のみに切り替えるショップも複数あった。
そして、年末年始に関してもあるショップは「初売りセールなど、大々的なイベントは控えるように上部から言われています。営業は例年通り行いますが、できるだけ普通の日と同じようにすると思います」と話していた。本当の意味で新型コロナと共存する日常は2021年に訪れるのかもしれない。
■https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2012/30/news029.html
関連記事
多方面でAMDが存在感を示した1年――アキバの1年を振り返る【後編】
PCパーツ市場の動向を中心に振り返ると、トレンドを作ったいくつものジャンルでAMDが顔を出すことに気づく。コロナ禍の中で自作PCの新たな需要もわき起こった特殊な1年を、キーになったパーツごとにたどってみよう。ジャイアントキリングが起きた2019年――アキバの1年を振り返る【前編】
2019年は、自作PCのプラットフォームにおいて長らく絶対的な王者として君臨していたIntelをAMDが追い越した1年だった。主流の交代劇は、第3世代Ryzenが登場する少し前から起きている。振り返っていこう。まさかの鑑賞法が定着した2019――アキバの1年を振り返る【後編】
Windows 7の延長サポート終了がカウントダウンされる中、パーツそのものを鑑賞するアイテムのヒットや○○ペイの台頭など、さまざまな変化が起きた1年だった。2019年を振り返り、2020年のアキバを占いたい。RTX 3070搭載カードまで刺せるNUCベースの小型BTO対応PCが登場
年の瀬にさしかかり、ゲームやマルチメディアが楽しめる小型BTO対応PCが複数登場している。Intel NUCにRTX 3070カードを加えたり、7万円台でRyzen 5搭載モデルを即買いしたりすることも可能だ。コロナ禍はデジタル終活にどう作用するのか――「第4回 デジタル遺品を考えるシンポジウム」レポート
もし自分が突然この世から去った場合、スマートフォンやタブレット、PCの中身はどうなるのか。残された人たちはどうすればいいのか。今何ができるのか、何をしなければならないのかを考えるシンポジウムがオンラインで開かれた。その模様を振り返る。マシンスペックよりも4画面が大事――ライター古田雄介氏の場合
自宅で本格的に仕事をできるように、テレワーク環境を構築するにはどうしたらいいのか。PC USERには、以前から自宅で仕事しているライター諸氏が多数いる。彼ら彼女らからその極意を伺っていく。トップバッターは、連載「アキバPickUP!」の担当ライターである古田雄介氏だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.