実測約700g! 小型で軽さが魅力の15.6型モバイルディスプレイ「LCD-CF161XDB-M」を試す:モバイルディスプレイの道(2/3 ページ)
モバイルディスプレイの主流は15.6型だが、アイ・オー・データ機器の「LCD-CF161XDB-M」はスタンド込みで900gを切る軽量さが光る1台だ。使い勝手はどうなのか、細かくチェックした。
HDMI/USB Type-Cに両対応 興味深いポート配置と付属品
ポート類は左側面に集中して配置されている。miniHDMIポートに加えて、USB Type-Cポート×2が搭載されており、付属のケーブルを使ってデバイスと接続する。
言うまでもないが、USB Type-Cケーブルで接続する場合は、ケーブル1本で映像信号の伝送と給電が行え、HDMIケーブルで接続する場合は、別途USBケーブルもしくはACアダプターによる給電が必要になる。
ポートの配置で個人的に興味深いのは、miniHDMIポートが、USB Type-Cポートよりも下にあることだ。一般的にルーターやHDDや外付けHDDを含めた縦置きの周辺機器では、利用率の高いポートほど下に配置される。理由は簡単で、ケーブルがなるべく下から出る方が、見た目がスッキリする上、ケーブルを引っ掛けて転倒させる心配が少なくなるからだ。
つまり、いちばん下にあるポート=利用頻度が高いとメーカーが判断したポートということになるが、本連載でこれまで紹介した十数台のモバイルディスプレイのうち、HDMIがUSB Type-Cよりも下なのは、エプソンの「LD16W61」たった1モデルだけだ。ほとんどのメーカーはUSB Type-Cの方が下にある中、本製品のポート配置は非常に特徴的だ。
思い返せば、同じアイ・オー・データ機器の13.3型モデルは、HDMIケーブルを標準添付、USB Type-Cケーブルは別売という、形は違えどHDMIを優先した仕様だった。また他社製品はHDMIポートがほんのおまけ程度の扱いであることが多い中、本製品はACアダプターを添付するなど、やはりHDMIでの利用を意識しているのが、なかなか興味深い。
OSDメニューの使いづらさが気になる
そんな本製品で、大きなネックと言えるのがOSDメニューの操作性だ。メニューの選択や決定などの操作は、本体右側面裏にある直径1cm弱で、上下/左右に動かせるジョイスティック状の円形ボタンを使って行うのだが、どちらの方向にボタンを倒せば選択や決定が行われるのか、画面上の説明を読まなければ、操作すらおぼつかない。
メニューの階層構造も分かりにくく、意図した機能を呼び出すまでが一苦労であることに加え、設定変更が1つ終わるとメニューが消え、最初から再びやり直しになるため、使っていて非常にストレスがたまる。ジョグダイヤルの上下で音量が調整できる他社製品と違い、音量を調整するためにメニューを開いて「音量」を選択しなければならないなど、余計なワンアクションが必要になるのも痛い。
なお、この円形ボタンは、前述のエプソン「LD16W61」でも同じ構造のものが採用されている。USB Type-CよりもHDMIポートが下に並ぶ特殊なポート配置と合わせて考えると、同じ供給元の製品なのかもしれない。ただしメニューの使いやすさはLD16W61の方が圧倒的に上で、本製品の中で真っ先に改良を必要とする部分と言える。
ちなみにメニューそのものの項目はごく一般的で、気をてらったところはない。国内メーカーの製品ゆえ表示言語も日本語で、翻訳がおかしいといった海外発の製品に特有の問題もない。このような信頼性の面では文句のつけようがないだけに、操作性の悪さが惜しまれる。
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