2022年後半のアップデートでWindows 11はどう変わる?:Windowsフロントライン(2/2 ページ)
2021年にリリースされた新OSの「Windows 11」。今後の普及に向けて、2022年はどのように展開していくのであろうか。現状から見えることをまとめた。
Androidアプリストアの行方
この辺りまでは、多くのWindows 11ユーザーにとっては前座かもしれない。22H2のアップデートにおいてWindows 11ユーザーに比較的影響を与えそうなのが「Windows Subsystem for Android」だ。Windows 11のリリース時に予告されていたものの、結局2021年10月の正式リリースの時点では機能が実装されておらず、現在はWindows 11 Insider PreviewのDev Channel上でテストが行われている。
Amazonのアプリストアなど、基本的にはこれらのストア経由で“サイドロード”の形でAndroidアプリを導入する形となるが、PC向けにアプリが提供されていない(Web UIのみ)、あるいはAndroidアプリの方が使い勝手がいいケースなど、ユーティリティーやゲームを中心にニーズがあると考えられる。
ただ、これらとは別に、Google自身がAndroidアプリをWindows上で動作させるという計画もあるようだ。The Vergeのトム・ウォーレン氏の12月9日の記事によれば、Googleは2022年にも「Google Play Games」のアプリをWindows向けに提供し、Windows上でAndroidゲームが遊べるようになるという。
例えばAndroidのスマートフォンやタブレット、あるいはChromebookでゲームを遊んだ後、PCのデスクトップ上でその続きをプレイすることも可能だ。これはGoogle自身のAndroidエコシステム拡張の一環としての計画で、特にMicrosoftと連携したものではないという。
より正確にいえば、Windows上にAndroidの“サブシステム”を構築して同アプリを動作させる環境を作るのではなく、Windowsデスクトップで動作する“ストアアプリ”を提供して、そこからAndoridと同等の“Windowsゲームアプリ”を楽しめる環境を用意するという方が正しいのかもしれない。
ウォーレン氏によれば、Googleの計画自体は2020年にAppleとEpic Gamesの間で争われたアプリストアの裁判文書で明らかにされたもので、それを考慮すればWindows 11で「Windows Subsystem for Android」が発表される半年以上前の出来事となる。つまり、両者が連動せずに別々に似たような計画を進めていた可能性も大きく、プラットフォームの相互乗り入れに関して、意図せず2つが併存する形となるかもしれない。
以上から、Windows 11の2022年の方向性は見えつつあるものの、Windows Subsystem for Androidのように予想外の動きで先が見えない部分もある。こうした中で、賛否両論あるタスクバーやスタートメニューのUI改善や変更の動きも見えつつあり、今後1年に渡って少しずつマイナーチェンジを繰り返して、ある方向に収束していくのだろう。この辺りの変化は引き続き追いかけていきたい。
関連記事
2022年のMicrosoftハードウェアを考える
2022年最初の連載として、Surfaceシリーズを始めとしたMicrosoftのハードウェア製品について、予測を含めて見ていこう。Qualcommの最新SnapdragonからPC市場のトレンドを考える
QualcommがPCプラットフォーム向けの新SoCを発表した。そこから見える今後の「Windows on Arm」とPC市場を考える。Windows 11のシェアは8.6%に 2022年に向けた改良の動き
Windows 11が正式にリリースされてから2カ月近くが経過した。この間のシェア推移はどうなっているのか、Windows 11と10の状況を見ていく。Windows 11のシェア推移とアプリストア環境の行方
Windows 11が正式にリリースされてから1カ月が経過した。この間のシェア推移はどうなっているのか、Windows関連の話題を追った。Windows 10はいつまで使えるのか
Windows 10の大型アップデート「Windows 10 バージョン21H2」(November 2021 Update)が配信された。今後、同OSのサポート周期などを整理した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.