「GeForce RTX 3050」搭載グラボは1月27日23時に発売 約4年半前のゲーミングPCに載せるとどうなる?(2/4 ページ)
NVIDIAが、「GeForce RTX 3050」を搭載するグラフィックスカードの販売を1月27日23時から順次開始することを発表した。発売に先駆けて、あえて約4年半前に発売されたゲーミングデスクトップPCにGeForce RTX 3050を搭載し、パフォーマンスをチェックしてみようと思う。
約5年前のメーカー製ゲーミングデスクトップPCに搭載してみよう
今回レビューのために用意したのは、レノボ・ジャパンが2017年8月に発売したゲーミングデスクトップPC「Legion Y720 Tower(90H9000FJM)」である。その主なスペックは以下の通りだ。
- CPU:Ryzen 7 1800X(3.6GHz~4GHz、8コア16スレッド)
- メインメモリ:16GB(DDR4-2400規格、デュアルチャネル)
- GPU:Radeon RX 570
- ストレージ:256GB SSD(PCI Express接続)+2TB HDD(Serial ATA接続)
- OS:Windows 10 Home(64bit版)
- 電源:最大450W
このLegion Y720 Towerは筆者が2018年2月にレビューした個体で、来月(2022年2月)で出会ってからまる4年となる。
当時のハイエンドモデルということもあり、導入から間もなく4年を迎えるものの、普段使いでは全く不満は覚えない。パーツを取り換えたりすることもなく、4年間ずっと元気に稼働している(負荷のかかる作業のみ任せる感じなので、物持ちが良いという面もあるが)。
ただ、3Dグラフィックスのベンチマークテストを取ってみたり、比較的新しいゲームを試しに動かしてたりすると、最新のGPUを備えるPCと比べてカクカクする場面が増えてきたことも事実である。GeForce RTX 3050を使えば、このカクカクを解消できるかもしれないのだ。
まず、グラフィックスカードの換装に入る。約4年前のレビュー記事にもある通り、Legion Y720 Towerはツールレスでかなり楽にメンテナンスを行える。本体上部のボタンを押して右側面のパネルを開ければ、内部へとすぐにアクセス可能だ。
グラフィックスカードを含むPCI Expressカードはネジなしで固定できる。ケース内部のプラスチックパーツを2つ外して、金属製のステーを90度回転させればブラケットの固定は解除される。
ブラケットの固定を解除したら、グラフィックスカード(Radeon RX 570)を取り外す。GPU補助電源(6ピン×1)を外し、マザーボード上のスロットロックを解除してボードを取り外……そうとしたのだが、なぜか外れない。
よく見てみると、マザーボードのスロットへの荷重を軽減する目的か、グラフィックスカードは専用の金具を使ってボディーに固定されている。この金具の固定は、ボディー側のスライドを引き下げれば解除できる。先にスライドを下げてからボードを外せばよいだけのことだった。
矢印で示した部分が、ボディーにカードを固定するための金具。四角で囲ったスライドを引き下げると金具の固定を解除できるので、後は普通にグラフィックスカードを引き抜くだけだ(スロット側のロック解除も忘れずに)
後は、取り外した際とおおむね逆の手順でGeForce RTX 3050 EAGLE OC 8Gを取り付ける。マザーボードのPCI Express x16スロットに真っすぐカードを差し込み、ケースの金属ステーを元の向きに戻し、ステーを固定するプラスチックパーツを元に戻す。
そしてGPU補助電源ケーブルを……と思った所で、GPU補助電源ケーブルのピン数が足りないことに気が付いた。Legion Y720 Towerには、先述の通り450W出力の電源が付いている。この電源からは、6ピンのGPU補助電源ケーブルが2本出ている。ところが、GeForce RTX 3050 EAGLE OC 8GのGPU補助電源プラグは8ピン×1なのだ。これは十分な下調べをしていなかった筆者のミスである。
GeForce RTX 3050 EAGLE OC 8Gは必須電源容量を450Wとしている。一方で、元から付いているRadeon RX 570も推奨電源容量を450Wとしている。そこで今回のレビューではGPU補助電源ピンの変換ケーブル(6ピン×2本→8ピン×1)を使って対応することにした。
「必須」と「推奨」は大きな違いがあるため、GeForce RTX 3050 EAGLE OC 8Gは電源容量的な意味では“ギリギリ”となるが、GPUを本気で回すのはベンチマークテストの間だけなので、ご容赦いただきたい。
メーカー製のゲーミングデスクトップPCの場合、搭載されるCPUやグラフィックスカードなどの消費電力を緻密に計算して、比較的ギリギリな電源容量としている場合がある。グラフィックスカードの換装など、消費電力が増えうるカスタマイズをする可能性が少しでもあるなら、できるだけ電源容量が大きいモデルを選ぶと良い。メーカーによってはCTO(BTO)で電源を変更できることもある。電源が汎用(はんよう)規格のものなら、後から交換することも可能だ。
メーカー製のゲーミングデスクトップPCを購入する際は、どんな電源を搭載しているのか調べておくのも良いだろう。
Legion Y720 Towerの標準電源は8ピンのGPU補助電源ケーブルを備えていない。ATX電源なので換装も検討したのだが、今回は時間の都合で元からある6ピンのGPU補助電源ケーブル2本を8ピンに変換するためのケーブルを購入して対応した
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