「GeForce RTX 3050」搭載グラボは1月27日23時に発売 約4年半前のゲーミングPCに載せるとどうなる?(4/4 ページ)
NVIDIAが、「GeForce RTX 3050」を搭載するグラフィックスカードの販売を1月27日23時から順次開始することを発表した。発売に先駆けて、あえて約4年半前に発売されたゲーミングデスクトップPCにGeForce RTX 3050を搭載し、パフォーマンスをチェックしてみようと思う。
RTやDLSSのパフォーマンスは?
“RTX”という名前が付いているだけに、GeForce RTX 3050のRTパフォーマンスも気になる所である。そこで3DMarkにおいてDirectX Raytracing(DXR)のパフォーマンスをチェックする「Port Royal」を実行してみよう。
直近で実施した「Radeon RX 6600」や「GeForce RTX 3060」のスコアと並べてみると、以下の通りとなる。
- GeForce RTX 3060:5106ポイント
- Radeon RX 6600:3750ポイント
- GeForce RTX 3050:3475ポイント
GeForce RTX 3060はもちろんだが、Radeon RX 6600よりも少し低いスコアとなった。スコアだけを見ると「とりあえず使える」という程度ではあるが、DLSSと組み合わせて使うことが前提になりそうだ。
「じゃあそのDLSSのパフォーマンスはどうなんだ?」という点も気になる。そこで3DMarkの「NVIDIA DLSS feature test」を実行してチェックしてみよう。今回はDLSS 2.0の「パフォーマンスモード」を使って、2560×1440ピクセルを出力するテストを実施した。平均フレームレートは以下の通りだ。
- DLSSオフ(ネイティブ解像度):16.13fps
- DLSSオン:40.46fps
フレームレートを見ると、約2.5倍も向上している。他のGeForce RTX 30シリーズと比べるとDLSSオフ(ネイティブ)、DLSSオンのどちらもフレームレートは低いが、GeForce RTX 3050が想定するフルHDゲーミングであれば十分なパフォーマンスを発揮できそうである。
消費電力はほぼ同じ
「ゲーミングなら消費電力は考えなくてもいい!」と思う人もいるかもしれないが、やはり何だかんだで電気料金に直結するものなので無視することはできない。そこで手持ちのワットチェッカーで消費電力をチェックしてみた。
何もアプリを起動せずに安定した状態を「アイドル時」、FF15ベンチマークのフルHD/高画質設定で稼働して一番消費電力が高まった状態を「ピーク時」結果は以下の通りだった。
- Radeon RX 570
- アイドル時:48W
- ピーク時:240W
- GeForce RTX 3050
- アイドル時:43W
- ピーク時:238W
アイドル時、ピーク時共にほとんど消費電力に差はなかった。それもそのはずである。Radeon RX 570の消費電力は150Wと、GeForce RTX 3050よりも少し高い程度なのだ。
消費電力はおおむね同じで、ゲームにもよるが少なくとも2~3割程度のパフォーマンスアップを期待できるなら、グラフィックスカードの買い換えによるパワーアップは“アリ”なのではないかと思う。
グラボ換装という選択肢も意外とあり ただしネックは“価格”と“OS”
消費電力のパートでも触れた通り、ほぼ同じ消費電力で少なくとも2~3割のパフォーマンス改善を図れるとなれば、4~5年前のフルHDゲーミング向けGPUをGeForce RTX 3050に変更してパワーアップを図ることは十分に現実的な選択肢である。先行する上位製品と比べるとパフォーマンスに劣るものの、RTやDLSSも利用できることも加味すると、下手にCPU(とマザーボード、場合によってはメモリ)を買い換えるよりも確実に高い効果を得られるだろう。
そうなると気になるのは、GeForce RTX 3050を搭載するグラフィックスカードの実売価格である。先述の通り、税込みの実売価格は4万円弱からとなる見通しだが、実売価格のボリュームゾーンは4万円台半ば~5万円弱になるものと思われる。あまりに高価だと、その「費用対効果」が薄れかねないのも事実である。
また、今回レビューで使ったLegion Y720 Towerは、CPUがWindows 11のサポート対象外である。Windows 10のサポートは2025年に終了する予定なので、OS的にはあと3年強で寿命を迎えてしまうため、結局はPCそのものの買い換え、あるいはCPUやマザーボードなどの入れ替えの検討は避けられない。
「まず新しいグラボを買って、CPUやマザボの換装は後からやればいい」という方針に立てるなら、グラフィックスカードから始めるパワーアップは良いアイデアになるだろう。
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