打ち続けたくなる吸い付き感 高級キーボード初心者が「REALFORCE R3」に挑戦!(3/3 ページ)
東プレの「REALFORCE R3」は、キーボード愛好家の中でも評価の高いキーボードである。今回、そんなREALFORCE R3を“キーボード沼”の入門者目線でレビューしていこうと思う。果たして、その使い心地やいかに……?
たくさんある「REALFORCE R3」はどうやって選べばいい?
先述の通り、REALFORCE R3シリーズのラインアップは多岐に渡る。ここからは、特に違いが分かりづらい「ワイヤレス接続対応の有無」「キーの押下音」「キーの押下圧(荷重)」についてざっくりと解説していく。
ワイヤレス接続対応の有無
REALFORCE R3シリーズには、USB接続にのみ対応する「有線版」と、USB接続とワイヤレス接続の両方に対応する「ハイブリッド版」が用意されている。機能面から当然かもしれないが、同じスペックならハイブリッド版の方が「上位モデル」という扱いだ。
ハイブリッド版はUSBケーブルが着脱式となっており、キーボード本体にUSB Type-C端子を備えている。ワイヤレス接続はBluetooh 5.0に準拠しており、最大4台のBluetoothデバイスとペアリング(ひも付け)を行える。USB接続を含めると最大5台のデバイスと接続可能で、Fnキー+1~5キーで接続先を切り替えられる。PCの脇にスマホやiPadなどを置いて、PC以外のデバイスでもキーボードを使いたいという人にピッタリである。
なお、ワイヤレス接続時の電源はUSBバスパワーまたは単三形乾電池2本となる。充電池(バッテリー)は内蔵していないので注意が必要だ。
有線版の場合、USBケーブルはキーボード直付となる。ケーブルの長さは約1.8mと少し長めで、コネクターはUSB Standard-A形状となる。
ワイヤレス接続に対応しない分、有線版は価格が少し手頃なのだが、他にもメリットはある。本体底面にケーブル用の溝が彫られており、「右」「中央」「左」の3方向からケーブルを引き出せるようになっているのだ。有線接続時のケーブルの取り回しの“美しさ”を重視する人も、有線版の方がメリットは大きい。
キーの押下音
REALFORCE R3シリーズが採用する静電容量無接点方式のキースイッチは、メカニカルスイッチと比べるとタイピング音は静かである。少なくとも、オフィスなどの人が複数人いる空間では、タイピング音が気になることはなさそうだ。
しかし「もっとタイピング音を小さくしたい」というニーズもある。そのため、同シリーズではタイピング音をさらに抑えたスイッチを採用する「静音版」が標準となっている(特別な対策をしていない「標準版」も一部で用意されている)。標準版と静音版を打ち比べてみると、前者は竹をたたいたようなカラッとした音がするのに対し、後者はスコスコという音がする。打った際のフィードバックは標準版の方が気持ち軽めでもある。
静音版であっても、一定のタイピング音は発生する。ただし、非静音モデルにあった高い音域の成分が減り、低音に深みがあるように感じる。ブナの木のような、ぎっしり詰まった木材をたたいた時のような心地よさもある。指へのフィードバックは、静音版の方がより確実だ。長時間タイピングした時の疲労感は、静音版の方が抑えられると思う。
キーの押下圧
キーを押し下げるのに必要な圧力(押下圧/荷重)について、REALFORCE R3シリーズは以下の3パターンを用意している。
- 約30g
- 約45g
- 変荷重(キーによって「約30g」と「約45g」を使い分けている)
押下圧が約30gのモデルはより軽いタッチで(≒力を入れずに)入力できるため、長い時間キーボードを使う人に最適とされる。一方で、約45gのモデルは“しっかりと”押し下げないとタイプできないため、キーの押し間違いを防ぎたい人にお勧めだ。変荷重モデルは、人さし指で押すキーを約45g、小指で押すキーを約30gに設定している。
筆者は今回、標準の45gモデルのみを試用したため、30gモデルの使用感については検証できていない。今後レビューの機会があれば、改めてその使用感をお伝えしたい。
さらに:アプリで柔軟なカスタマイズも
Windows/macOS対応のアプリ「REALFORCE Connect」を活用すると、REALFORCE R3にさらなるカスタマイズを施すことができる。キーマップの柔軟な変更から、入力にかかる力を調整できる「APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)」機能まで、アプリで対応できる項目は幅広い。次回はREALFORCE Connectアプリでできることを中心に紹介したい。
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