有機EL搭載でバッテリー容量もアップ! 新型Steam Deckを試して分かったこと(1/4 ページ)
ValveのポータブルPC「Steam Deck」に、有機ELディスプレイを搭載した「Steam Deck OLED」が追加された。上位モデルの実機を入手したので、従来モデルとの違いを確かめた。
国内ではKomodoが販売代理店となっているValveのポータブルゲーム機「Steam Deck」。2022年8月に予約販売が始まり、国内では12月17日に出荷スタートしたため、言ってみればまだ1年が経過していないのだが、新モデルは11月に発表、販売が開始された。
ここでは新旧モデルの外観、液晶(LCD)から有機EL(OLED)へ変わったディスプレイの違い、実際のバッテリー駆動時間などをレビューしていく。
「Steam Deck」にOLEDディスプレイ採用の上位モデルが追加
Steam Deck LCD版とSteam Deck OLED版の仕様まとめ
Steam Deck LCD版(以下、LCD版)と新しいSteam Deck OLED版(以下、OLED版)では、ディスプレイにOLEDを採用したことだけが新しいわけではない。それぞれ、以下のような違いがある。
モデル | LED版 | OLED版 |
---|---|---|
CPU | 7nm AMD APU(2.4GHz~3.5GHz) | 6nm AMD APU(2.4GHz~3.5GHz) |
コア数 | 4コア8スレッド(Zen 2) | |
GPU | CPU内蔵(RDNA 2/8CU/1.0GHz~1.6GHz/4~14W) | |
オンボードメモリ | 16GB LPDDR5RAM(5500MT/s) | 16GB LPDDR5(6400MT/s) |
ストレージ | 64GB(eMMC)/256GB/512GB NVMe SSD | 512GB/1TB NVMe SSD |
画面サイズ | 7型 | 7.4型 |
画面解像度 | 1280×800ピクセル(アスペクト比16:10) | |
画面輝度 | 400ニト(標準) | 600/1000ニト(SDR/HDR時最大) |
リフレッシュレート | 60Hz | 最大90Hz |
タッチパッド | 30mm×2 | 32.5mm×2 |
センサー | 環境光センサーALS | デュアル環境光センサーALS |
無線LAN | IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5) | IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6) |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.3 |
バッテリー容量 | 40Wh(2~8時間) | 50Wh(3~12時間) |
本体サイズ | 約298(幅)×117(奥行き)×49(厚さ)mm | |
重量 | 約669g | 約640g |
価格(税込み/送料別) | 5万9800円(256GB) | 8万4800円/9万9800円(512GB/1TB) |
※OLEDモデルは2024年にWi-Fi 6E対応にアップデート予定
意外と“軽い”ポータブルゲーム機
筆者が注文したのはストレージの容量が1TB SSDのOLED版だ。「注目製品なので、購入できるようになったらすぐに注文した方が良い」とのアドバイスを受け、日本での販売を行っているKomodoでカートが開いてすぐにゲットした。しかし待てど暮らせど発送通知メールが届かない。
そのため、前もって編集部から借用していたLCD版を取り出してゲームプレイをしばらくの間、楽しむことにした。
ポータブルゲーム機ではNintendo Switchに加え、One-Netbook Technologyの8.4型PC「ONEXPLAYER 2 Pro」を所有しており、Steam Deckを見るのも触るのも使うのも初めてだ。
ONEXPLAYER 2 Proほど大きくはないものの、小柄な筆者にとってSteam Deckは大きめのゲーム機だ。いくら“ポータブル”でも、果たして持ち歩くだろうか、というのが箱から取り出したときの感想だ。
とはいえ、専用キャリングケースがパッケージに含まれている。これで持ち運びのハードルはグッと下がりそうな気がする。ケースがない状態ではアナログスティックの破損を気にして、バックパックに放り込んでおく、などということができないからだ。
また、少しの空き時間だけゲームをするのに、起動の速さはメリットになると感じた。会社勤めをしている人であれば、移動中や昼休みなどの短い時間にちょっとずつ進める、ということもできるだろう。長期の旅行や帰省などに持っていくのも良さそうだ。
そんな妄想が花開いた頃に、ようやくOLED版の発送通知があり、ほどなくして真新しいSteam Deck OLEDが届いた。
従来同様、専用キャリングケースに収められ、専用のUSB Type-CタイプのACアダプター(45W出力)や、クリーナークロスがパッケージに含まれている。
Steam Deck OLED版一式。左上から時計回りに45W出力のACアダプター、ACアダプター用と思われるメッシュポーチ、専用キャリングケース、Steam Deck OLED版本体、クリーナークロス
キャリングケースからOLED版を取り出したときに感じたのは、「あれ、軽い?」ということだ。ボディーの大きさについては、LCD版で慣れてしまったからか驚きを感じなかった。
それぞれの重さを測ったところ、LCD版では実測で696g、OLED版では635gだった。公式サイトによれば、「約5g軽量」となっていたが、実際には61gも軽いので、8.7%以上も軽くなっていることになる。LCD版でも特段に重いと感じることはなかったが、ますます軽くなって、ゲームがはかどりそうだ。
それでは、実機を細かく見ていこう。
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