「AI PC」がベールを脱ぐ! 次世代のモバイル向け「Core Ultraプロセッサ」正式発表 搭載ノートPCは順次発売(2/2 ページ)
Intelが発表を予告していた「Core Ultraプロセッサ」が、ついに正式発表された。全てのモデルにAIプロセッサ(NPU)を搭載しており、NPUを利用できるアプリのパフォーマンスが大きく向上することが特徴だ。
Intel認定の「Evoプラットフォーム」は「Evo Editionプラットフォーム」に
Intelが一定の条件を満たしたノートPCに認証を与える「Project Athena」は、Core Ultraプロセッサでも引き続き行われる。本プロジェクトの認証は第11~第13世代Coreプロセッサでは「Intel Evoプラットフォーム」と呼ばれていたが、Core Ultraプロセッサでは「Intel Evo Editionプラットフォーム」と呼ぶことになった。
公開されている主な認定基準は以下の通りだ。
- 迅速なアクション
- スリープ復帰操作から画面ロック解除まで1.5秒以内で行えること
- 生体認証(指紋/顔)または近接デバイス認証に対応すること
- パフォーマンスと応答性
- バッテリー駆動時に、15のタスクで一貫した(迅速な)応答を行えること
- より涼しく静かで、応答性が良いこと(新規テストで評価)
- 少なくとも8GB以上かつデュアルチャンネルのメモリを搭載すること
- 少なくとも256GB以上のPCI Express 4.0接続のSSDを搭載すること
- 現実世界におけるバッテリー駆動時間
- 少なくとも10時間以上のバッテリー駆動時間を確保すること(フルHDディスプレイ)
- 4時間以上駆動できるだけのバッテリー充電を30分以内に行えること(フルHDディスプレイ)
- 高速な接続性
- Wi-Fi 6Eを160MHz幅で利用できること
- Intel Connectivity Performance Suite 3.0に対応すること(※3)
- Thunderbolt 4に対応すること
- 革新的かつ魅力的なフォームファクター
- 12~16型台のディスプレイを搭載すること(解像度はフルHD以上)
- 本体の厚さを15mm未満(独立GPUモデルは20mm未満)にすること
- Webカメラ(イン側)はフルHD/30fps以上の撮影に対応すること
- その他
- Intel Unisonに対応すること
- 機種の環境評価において以下のいずれかを取得すること
- EPEATのシルバー以上
- TCO certified
(※3)Chromebook(Chrome OSデバイス)を除く
Core Ultraプロセッサのラインアップ
Core Ultraプロセッサは、ハイエンドモデル向けの「Hシリーズ」とメインストリームの「Uシリーズ」の2本立てとなる。第12/13世代で両者の間を埋めていた「Pシリーズ」は用意されない。
なお、★印が付いているモデルは出荷開始が2024年第1四半期となる予定だ。
Hシリーズ
Hシリーズは「BGA Type3」(約50×25×1.3mm)で提供される。標準消費電力(PBP)は28Wで、最大消費電力(MTP)は64Wまたは115Wとなる(Core Ultra 9 185HのみPBPが45W、MTPが115W)。
- Core Ultra 9 185H★
- Pコア:6基12スレッド(最大5.1GHz)
- Eコア:8基8スレッド(最大3.8GHz)
- GPU:8コア(最大2.35GHz)
- L3キャッシュ:24MB
- Core Ultra 7 165H
- Pコア:6基12スレッド(最大5GHz)
- Eコア:8基8スレッド(最大3.8GHz)
- GPU:8コア(最大2.3GHz)
- L3キャッシュ:24MB
- Core Ultra 7 155H
- Pコア:6基12スレッド(最大4.8GHz)
- Eコア:8基8スレッド(最大3.8GHz)
- GPU:8コア(最大2.25GHz)
- L3キャッシュ:24MB
- Core Ultra 5 135H
- Pコア:4基8スレッド(最大4.6GHz)
- Eコア:8基8スレッド(最大3.6GHz)
- GPU:7コア(最大2.2GHz)
- L3キャッシュ:18MB
- Core Ultra 5 125H
- Pコア:4基8スレッド(最大4.5GHz)
- Eコア:8基8スレッド(最大3.6GHz)
- GPU:7コア(最大2.2GHz)
- L3キャッシュ:18MB
Uシリーズ
UシリーズはBGA Type3の他、よりコンパクトな「BGA Type4 HDI」(約28.5×19×1.1mm)でも提供される。BGA Type4 HDIパッケージのモデルは、実装面積が小さくなる代わりにDDR5メモリのサポートなど、一部機能が省略される。
PBPはBGA Type3モデルが15W、BGA Type4 HDIモデルが9Wとなる。PBPはBGA Type3モデルが57W、BGA Type4 HDIモデルが30Wだ。
【BGA Type3パッケージ】
- Core Ultra 7 165U
- Pコア:2基4スレッド(最大4.9GHz)
- Eコア:8基8スレッド(最大3.8GHz)
- GPU:4コア(最大2GHz)
- L3キャッシュ:12MB
- Core Ultra 7 155U
- Pコア:2基4スレッド(最大4.8GHz)
- Eコア:8基8スレッド(最大3.8GHz)
- GPU:4コア(最大1.95GHz)
- L3キャッシュ:12MB
- Core Ultra 5 135U
- Pコア:2基4スレッド(最大4.4GHz)
- Eコア:8基8スレッド(最大3.6GHz)
- GPU:4コア(最大1.9GHz)
- L3キャッシュ:12MB
- Core Ultra 5 125U
- Pコア:2基4スレッド(最大4.3GHz)
- Eコア:8基8スレッド(最大3.6GHz)
- GPU:4コア(最大1.85GHz)
- L3キャッシュ:12MB
【BGA Type4 HDIパッケージ】
- Core Ultra 7 164U★
- Pコア:2基4スレッド(最大4.8GHz)
- Eコア:8基8スレッド(最大3.8GHz)
- GPU:4コア(最大1.8GHz)
- L3キャッシュ:12MB
- Core Ultra 7 164U★
- Pコア:2基4スレッド(最大4.4GHz)
- Eコア:8基8スレッド(最大3.6GHz)
- GPU:4コア(最大1.85GHz)
- L3キャッシュ:12MB
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