いよいよPCやプリンタに浸透する“AI活用” HPが年次イベントで80種類以上の新製品を一挙に発表:HP Amplify Conference 2025(2/2 ページ)
HPがグローバルパートナー向けの年次イベント「HP Amplify Conference 2025」を開催し、PCやプリンタなど新製品を一挙に発表した。発表会で展示された主な新製品を紹介する。
「OMEN」「HyperX」ブランドのゲーミング製品にも新製品
HPのゲーミングブランド「OMEN」「Victus」「HyperX」についてもアップデートが行われている。
「OMEN 16 Slim Gaming Laptop」は、OMENブランドのラインアップに新たに加わる16型ゲーミングノートPCで、その名の通り最薄部で約19.9mmの薄型ボディーが特徴だ。
CPUはIntelの「Core Ultra 200Hシリーズ」で、最上位構成ではCore Ultra 9 285Hを選べる。外部GPUは「GeForce RTX 50 Laptop GPUシリーズ」で、最上位構成ではGeForce RTX 5070 Laptop GPUを備える。
その他、既存の「Victus 15 Gaming Laptop」「OMEN Transcend 14 Gaming Laptop」「OMEN 17 Gaming Laptop」には、搭載するCPU/GPUを刷新したリフレッシュモデルが登場する。Victus 15の一部とOMEN 17については「Ryzen AI 300シリーズ」を搭載しており、Copilot+ PCの要件も満たしている。
ゲーミングユーザー向けに提供されるAI機能として「OMEN AI」がある。ゲームタイトルやハードウェアに合わせて必要なカスタマイズや設定について、AIを使って自動で最適なものを適用してくれるというもので、OMEN/VictusブランドのゲーミングPCだけでなく、HPブランドのコンシューマー向けPCでも利用可能だ。
周辺機器で注目は、「HyperX Cloud III S Wireless Gaming Headset」だ。HyperXのゲーミングヘッドセット「HyperX Cloudシリーズ」の最新モデルで、その名の通りワイヤレス伝送に対応している。USBドングルを利用した2.4GHz帯通信では最大120時間、Bluetooth伝送では最大200時間のバッテリー駆動が可能だ。
マイクはブームレスとブームタイプから選択可能で、耐久性を確保しつつカスタマイズ可能なデザインが特徴となる。
セキュリティを強化したレーザープリンタ
今後、量子コンピュータの技術が発展することで、暗号解読のスピードが高速化し、現状で安全とされている暗号化アルゴリズムが危機にさらされる可能性がある。このことは「コンピュータ内部のデータ漏えいリスク」という文脈で語られることが多いが、機密文書を含む重要なデータを印刷するネットワークプリンタも攻撃対象となる危険性も考慮しなければならない。
そこでHPは、先述したEliteDesk 8シリーズと同様に、新型のネットワークレーザープリンタ「HP LaserJet Enterprise 8000シリーズ」に耐量子暗号機能を搭載した。ラインアップは「LaserJet Enterprise 8501」「LaserJet Enterprise MFP 8801」「LaserJet Enterprise MFP 8601」に大別され、LaserJet Enterprise MFP 8801についてはカラー印刷にも対応している。
耐量子暗号性能は新設計のASICが担っており、ファームウェアへの“攻撃”を防ぐことでプリンタが送受信するデータから情報が漏えいすることを防いでいる。
HP LaserJet Enterprise 8000シリーズはOCR機能もユニークで、スキャンした紙の文章をUSBメモリなどの外部メディアに“編集可能な”Microsoft Office形式で書き出す機能を備えている
この他、既存のHP製品向けに新たに提供または機能強化を実施したサービスとして「HP Go」「HP AI Companion」「Poly Camera Pro」が挙げられる。
HP Goは、米国の複数の携帯キャリア(AT&T/T-Mobile/Verizon)をまたいで必要に応じて5G接続が可能なeSIMサービスだ。当初は「HP EliteBook 6 G1q Notebook Next Gen AI PC」を対象に提供するが、2025年後半以降に対応PCを順次追加していくという。
HP AI Companionは、対応可能なデータ形式やセキュリティが強化される。
Poly Camera Proでは、Magic Backgroundによる背景エフェクトが新たに利用可能になる。いずれのサービスもNPUを活用したものとなっており、AI PCの用途が徐々にだがHP純正のアプリケーションにも拡大しつつある。
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