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ナナキュッパから買える新型GPU「GeForce RTX 5060 Ti(16GB)」を試して分かったこと モンスターハンターワイルズもフルHD/WQHDなら快適そう(1/3 ページ)

NVIDIAの新型GPU「GeForce RTX 5060 Ti」を搭載するグラフィックスカードが間もなくに発売される。発売に先駆けてGainward(ゲインワード)製グラフィックスカードを借りて、その実像に迫ってみよう。

 NVIDIAの新型GPU「GeForce RTX 5060 Ti」を搭載するグラフィックスカードが間もなくに発売される。想定販売価格は8GBモデルが6万9800円から、16GBモデルが7万9800円からとなる。

 GeForce RTX 5060 Tiは、フルHD(1920×1080ピクセル)~WQHD(2560×1440ピクセル)をターゲットとする「GeForce RTX 5060ファミリー」における上位モデルという位置付けで、グラフィックスメモリが8GBか16GBから選択できる。ただし、NVIDIA純正のグラフィックスカード「Founders Edition」は用意されない。

 今回、NVIDIAから先行レビュー用にGainward(ゲインワード)製グラフィックスカード「GeForce RTX 5060 Ti Python III 16GB」(定格仕様の16GBモデル)を借用した。GeForce RTX 5060 Ti(16GB)の実力はいかほどのものか、チェックしていこう。

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今回レビューするGainward製グラフィックスカード「GeForce RTX 5060 Ti Python III 16GB」のパッケージ

GeForce RTX 5060 Tiの概要

 GeForce RTX 5060 Tiには、グラフィックスメモリの容量が「8GB」の構成と「16GB」の構成がある。今回は純粋にグラフィックスメモリの容量が異なるだけで、SoC(System On a Chip)はどちらのモデルも「GB206」を採用している。主な仕様は以下の通りだ。

  • CUDAコア:4608基
  • Tensorコア(ピーク処理性能):759 AI TOPS
  • RTコア(ピーク処理性能):72TFLOPS
  • 動作クロック:2.407GHz~2.572GHz
  • グラフィックスメモリ:8GBまたは16GB(GDDR7/128bit)
  • 動画エンコーダー:1基(第9世代)
  • 動画デコーダー:1基(第6世代)
  • 接続バス:PCI Express 5.0 x8(PCI Express 4.0互換)
  • 消費電力:180W(推奨電源容量:600W)

 先代の「GeForce RTX 4060 Ti」と比べると、CUDAコアは256基削減されている。しかし世代交代のおかげもあってか、ピーク演算性能はシェーダーがほぼ据え置き(22TFLOPS→24TFLOPS)、Tensorコアが約2.15倍(353TOPS→759TOPS)、RTコアが約1.4倍(51TFLOPS→72TOPS)に引き上げられている。最大消費電力は15~20W多くなった。

 筆者の勝手な印象だが、5060 Tiは「強化されたDLSS(Deep Learning Super Sampling)による超解像とマルチフレーム生成でパフォーマンスアップを狙ったGPU」といったところだろうか。

 なお、GeForce RTX 5060 Tiを含むGeForce RTX 5060ファミリーは、今までのGeForce RTX 50シリーズと異なりPCI Expressバスが8レーンとなっている。理論的にPCとの通信速度は半分なので、描画解像度が高いと(≒データ転送量が多くなると)ボトルネックになりうる。

GeForce RTX 5060 Ti Python III 16GBの特徴

 先述の通り、GeForce RTX 5060 TiにはNVIDIA純正のFounders Editionは存在しない。全てのグラフィックスカードがパートナー企業を通して販売される。

 今回レビューするGeForce RTX 5060 Ti Python III 16GBは、Gainwardのゲーミンググラフィックスカード「Python(パイソン)」ブランドの製品で、NVIDIAの定格仕様で動作する。

 本製品はNVIDIAの定める「SFF(スモールフォームファクター)要件」を満たしており、コンパクトなPCケースにも収めやすい3連ファン製品であることをウリとしている。具体的なサイズは約117(幅)×292(奥行き)×42(厚さ)mmで、2スロット厚ピッタリに収まっている上、ブラケットからのはみ出しもほぼない。


Gainward GeForce RTX 5060 Ti Python III 16GBは、SFF(スモールフォームファクター)ケースに収めることを想定した3連ファンのグラフィックスカードだ

 映像出力端子は、標準仕様の通りHDMI 2.1b×1とDisplayPort 2.1b×3を備える。GPU補助電源ピンは、何と旧規格の「8ピン×1」構成となっている。NVIDIA自身は新規格の「16ピン(12V2x6)」を積極的に採用しているところ、古いグラフィックスカードからの置き換えも狙ってか、本製品については旧規格を採用したものと思われる。


裏面のパネルは金属製で、しっかりとしている。本製品の基板はコンパクトで、カードの全長(292mm)の半分程度しかない

側面もスッキリしている。本文でも触れた通り、GPU補助電源ピンは旧規格の8ピン×1構成となっている。先行レビューしてきたGeForce RTX 50シリーズでは初の旧ピン搭載に、「おお」と驚いてしまった

映像出力は標準仕様通りで、DisplayPort 2.1b端子×3とHDMI 2.1b端子×1を備える
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