「GeForce RTX 5070 Ti」は4K/ウルトラ設定でモンハンワイルズを快適にプレイできる? NVIDIAの新GPUを試す:カードの寸法はよく確かめて(1/3 ページ)
NVIDIAの新型GPU「GeForce RTX 5070 Ti」を搭載するグラフィックスカードが2月20日に発売される。想定販売価格は14万8800円からとなる。
同社の協力の下、ITmedia PC USERではGeForce RTX 50シリーズの最上位モデル「GeForce RTX 5090」と、その次点モデル「GeForce RTX 5080」の先行レビューを実施してきた。
GeForce RTX 5080の先行レビューは、Intelのベアボーンキット「Intel NUC 13 Extreme Kit」に装着した2世代前のGPU(GeForce RTX 3080 Ti)と置き換えるという趣旨で実施したのだが、推奨電源容量に100W足りないという心もとない状態での運用を強いられてしまった。
その点、さらに1ランク下のGeForce RTX 5070 Tiであれば消費電力は300Wで、推奨電源容量も750Wなので乗り換え祭にちょうどいい。そう考えていた折、NVIDIAから「GeForce RTX 5070 Tiも試してみないか?」とのお誘いを受けた。同社からPalit Microsystems製グラフィックスカード「GeForce RTX 5070 Ti GamingPro」のレビューキットを借用できたので、早速試してみよう。
GeForce RTX 5070 Tiの概要
GeForce RTX 5070 Tiは、GeForce RTX 50シリーズのミドルハイレンジモデルだ。位置付け的には「GeForce RTX 4070 Ti」の後継ということになるが、グラフィックスメモリが4GB増えて16GBとなったため、グラフィックスメモリを多用するゲームタイトルの快適なプレイはもちろん、ローカル実行されるAI(特に生成AI)の稼働パフォーマンス向上も期待できる。
SoC(System On a Chip)は5080と同じ「GB203」で、TSMCの4nmプロセスで製造されている。主なスペックは以下の通りだ。
- GPUアーキテクチャ:Blackwell
- CUDAコア:8960基
- Tensorコア:第5世代
- ピーク処理性能:1406 AI TOPS(1秒当たり1406兆回の処理が可能)
- レイトレーシング(RT)コア:第4世代
- ピーク処理性能:133 TFLOPS
- 動作クロック(定格):2.3GHz〜2.45GHz
- グラフィックスメモリ:16GB(GDDR7/192bit)
- 最大出力解像度:4K(3840×2160ピクセル)/480Hzまたは8K(7680×4320ピクセル)/120Hz(※1)
- 接続バス:PCI Express 5.0 x16(PCI Express 4.0互換)
- 消費電力:300W(推奨電源容量:750W)
(※1)DSC(データ圧縮)を利用した場合
同一SoCを用いる5080を少しスペックダウンしたような感じとなっているが、4070 Tiと比べるとCUDAコアの基数は約1.17倍、Tensorコアのピーク性能は約2.2倍、RTコアのピーク性能は約1.84倍と着実に性能は向上している。
一方で、消費電力は5080比で60W減、4070 Ti比で15W増となっている。5080よりも60W少ない電力で稼働するという事実はとても重要で、推奨電源容量は先述の通り750Wとなり、GPU補助電源も「8ピン×2」相当で済む。
GeForce RTX 5070 Ti GamingProの特徴
GeForce RTX 50シリーズの中で、GeForce RTX 5070 Tiには唯一NVIDIA純正のグラフィックスカード「Founders Edition」が存在しない。そのため、全てのグラフィックスカードはパートナー企業を通して提供される。
今回レビューするGeForce RTX 5070 Ti GamingProは、先述の通りPalit Microsystems製だ。同社製のグラフィックスカードは、日本ではサードウェーブのPCショップ「ドスパラ」でのみ販売されている。
一般的に、GPUのオーバークロック(定格クロックを超える稼働)をサポートするモデルには製品名に「OC」が付くが、本製品には付いていない。つまり、本製品は定格クロック(2.3GHz〜2.45GHz)で動作する。Palit Microsystemsの製品一覧によると、本製品版のオーバークロック対応版(GeForce RTX 5070 Ti GamingPro OC)もラインアップには用意されているようだが、日本では定格版を売るのかオーバークロック対応版を売るのか(はたまた併売するのか)という情報は手元に届いていない。
カードの具体的なサイズは、約127.1(幅)×331.9(長さ)×60(厚さ)mmだ。厚さは3スロット分あるが、ケースにはめ込むブラケットは2スロット分となる。先日レビューした「GeForce RTX 5080 Founders Edition」と比べると大きく感じる。中でも、カード長はそれなりにあるので頭にとどめておいてほしい。
冷却ファンは3連構成で、背面には金属製のバックプレートを備える。バックプレートをよく見てみると「P」「S」と書かれたスイッチがある。これはビデオBIOSの切り替えスイッチで、「P」にするとパフォーマンス優先モードに、「S」にすると静粛性優先モードに切り替わる(標準ではPモード)。
本製品はカードの下方から吸気し、上方から排気する構成となっている。
映像出力端子は、標準仕様の通りHDMI 2.1b×1とDisplayPort 2.1b×3を備えている。先述の通りカードのブラケットは2スロット分だが、冷却機構が厚いため実装するには3スロット分の空間が必要だ。
GPU補助電源は新規格の「16ピン(12V2x6)×1」という構成で、先述の通り旧規格の8ピン×2への変換アダプターも付属する。
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