さらばWindows 10、ようこそ“画面付き”パーツ 古参も新規もアキバに集った2025年を振り返る:2025年のアキバまとめ【後編】(4/4 ページ)
かねて予定されていたWindows 10のサポート終了は、自作街にレガシーの風を呼び込んだ。また、CPUヘッドや机脇をディスプレイで飾るトレンドが生まれ、PC回りの意匠のオルタナティブが見えた1年でもあった。
X3DからThreadripper PRO、Athlonまで――自作を支えたAMD
一年を通して、きめ細かく製品を投入したのはAMDだ。
2025年の年初、Ryzen 9000シリーズに対応する下位チップセット「AMD B850/B840」を搭載したマザーボードが売り出され、とりわけ「Ryzen 7 9700」との組み合わせがリーズナブルだと好評を博した。
その後、3月には「Ryzen 9 9950X3D」と「Ryzen 9 9900X3D」を投入した。
初回に9950X3Dを20個入荷し、店頭販売に踏み切ったパソコンSHOPアークの前には70人の行列ができた。GeForce RTX 5090に代表されるハイエンドグラフィックスカードが店頭で売りにくい状況の中での販売だったが、急きょ抽選形式に変更したことで滞りなく売り切ったという。その後もX3Dシリーズは高い人気から品薄傾向が続くことになる。
7月末から8月初旬にかけては、ワークステーション向けのCPU「Ryzen Threadripper PRO 9000WX」シリーズと、下位の「Ryzen Threadripper 9000」シリーズを連続して投入。注目度は高かったが、最上位の「PRO 9995WX」は212万円弱、最下位の「9960X」でも27万円弱の価格からと、「上空の方で風が吹いている感じで、普通の自作ユーザーは気にもとめていないのかなと」(某ショップ)といったコメントも聞かれた。
秋に入ると、低価格帯のラインアップの拡充が目立った。9月中旬にはSocket AM4対応の2コアCPU「Athlon 3000G」が6000円弱で登場している。2019年11月に登場したモデルだが、付属のCPUクーラーとパッケージを新調して再投入した格好だ。
その後、12月にはSocket AM5対応でGPUなしの6コアモデル「Ryzen 5 9500F」と、同じくGPUなしで6コア「Ryzen 5 7500F」を続けざまに売り出した。価格は3万7500円前後と2万7000円前後となる。
入荷したあるショップは「メモリとストレージが、2027年頃まで厳しい状況であるのはもう既定路線です。それでもPCは必要なので、他のパーツはできるだけ価格を抑えたいという人がかなり増えています」と語り、低価格で済ませられるCPUの需要が伸びると予想していた。
決して順風ではないかもしれない。けれど、2026年も新たなトレンドが生まれるはずだ。2026年もいろいろなアキバの動きをウォッチしていきたい。
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