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マイナンバーカードで“死後”を自動判定 半年で5000人が登録した「SouSou」が選ばれる理由古田雄介のデステック探訪(1/2 ページ)

デジタル終活アプリ「SouSou」は、マイナンバーカードの公的個人認証機能を活用し、利用者の「デジタル逝去判定」を自動で行う画期的な仕組みを採用している。2025年7月の本格始動から半年で5000人のユーザーを集めるなど順調な滑り出しを見せているが、一方で「マイナンバーカード連携」には心理的なハードルも残るという。デステックの最前線を追った。

 デジタル終活アプリ「SouSou」は、マイナンバーカードを個人認証と死亡確認に利用する画期的な仕組みを採用している。登録ユーザーや連携企業を順調に増やしているが、その先にはどんな将来が待っているのだろうか。


デジタル終活サービス「SouSou

「デジタル逝去判定」を取り入れた終活サービス

 自分の死後や、意思疎通が取りにくくなったときのことを考え事前に持ち物や情報を整理し、いざというときに備えておくことを「終活」と呼ぶ。

 近年は老若男女を問わずデジタルの持ち物が増えていることもあり、デジタル分野の終活=デジタル終活をサポートするサービスの選択肢も豊かになっている。財産や葬儀の情報、家族へ宛てたメッセージなど、死後に誰かに伝えたいことをあらかじめ入力しておき、亡くなった後に特定の誰かに送るというのが定番のデザインとなっている。

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 その中でも近年注目を集めているサービスの1つが、株式会社そうそうが手がける「SouSou」だ。App StoreとGoogle Playで無料アプリとして提供している終活サービスで、本格的に始動した2025年7月から半年で5000人の利用者を集めている。

 いつか必要だと分かっていても後回しにされがちなデジタル終活サービスとしては、かなり順調な推移といえる。


「エンディングノート」機能は、質問項目に沿って重要な情報をまとめていける

死後や特定の日にメッセージを送る「タイムカプセルレター」機能も備える

 SouSouの個性で際立っているのは、利用者の生死判定にマイナンバーカードを利用できるところだ。

 この手のサービスは、生前に持ち物を整理して情報をまとめておく機能と、死後に必要な情報を特定の人に届ける機能が求められる。このうち、実用性と確実性のバランスを取るのが難しいのが後者だ。

 実用面を考えたら、死後にできるだけ素早く発動してほしい。けれど、誤発動やいたずらでの発動などはあってはならない。そのため、サービス側は利用者の生死をいかに正確に、かつ素早く判断できるかが鍵となる。

 そこで同社が開発したのが、マイナンバーカードを用いた「デジタル逝去判定」システムだ。

 SouSouでは、マイナンバーカードを用いて利用者の本人確認を行っている。国から認定された公的個人認証事業者であるmy FinTechが手がけるネット取引認証プラットフォーム「FPoS」(Fintech Platform over SIM)を使い、カードの公的個人認証によって記入された氏名や住所などの登録情報を厳密に裏付ける仕組みだ。


マイナンバーカードから氏名や住所、性別、生年月日の情報を読み取り、入力した個人情報を裏付ける

画面を進めて、my FinTechの「my認証」によるひも付けも済ませる

ひも付けが済むと、マイページに「本人確認済み」バッジが付く

 この裏付けは、利用者の生死判定にも役に立つ。

 裏付けに使われる情報を正確にいえば、(利用者のマイナンバーカードに基づく)電子証明書から発行された電子署名の有効性ということになる。当人の死亡届が自治体に受理された場合、公的個人認証の現況確認サービス(myJPKI)を介して、この電子署名が自動で無効になる。SouSouはこの無効となった情報を検知することで、利用者が死去した可能性を察知する。

 その情報を得ると、直ちに利用者があらかじめ指定していた管理者の連絡先に生存確認のメッセージを送る。そこで管理者から死去の事実を確認したら、利用者のページを死後発動モードに切り替えるという流れだ。なお、逝去判定を受け取る管理者もSouSouでアカウントを取得し、本人確認を済ませておく必要がある。

 この仕組みが優れているのは、利用者が亡くなった兆候を素早く受け取れるところだ。生死判定を遺族からの連絡に頼ると連絡が届くまでは動けないし、「○日間アクセスしなかったら安否確認メールを送る」といった時限的な仕組みでは、誤動作を避けるために猶予期間を長くとる必要が生じる。マイナンバーカードと連携することで、これらの問題をクリアするわけだ。

 ちなみに、SouSouではマイナンバーカードによる本人確認は必須としていない。本人確認をしないまま死去した場合は、管理者からの連絡と公的な死亡証明書の提出によって死後発動モードに切り替える「書類提出逝去判定」を使うことになる。

 二通りの生死判定が選べるわけだが、従来型といえる書類提出逝去判定ではどうしても発動の確実性が下がってしまう。近しい人が亡くなると、精神的に大きなショックを受けるのはもちろんのこと、立場によっては葬儀の準備や関係各位への連絡など、膨大な作業が発生する。そういった状態でデジタル終活サービスへの連絡を迅速に行うのは、なかなかハードルが高い。

 その点、デジタル逝去判定なら管理者が受動的でいられる。極限の状況において、このアドバンテージは非常に大きい。


逝去判定の流れは2パターンある。同社Webサイトから
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