DR-C240の優位性を一通り紹介したところで、実際にスキャン速度をテストしていこう。今回サンプルとして使用したのは、本や雑誌のページに見立てた、片面3枚+両面7枚のカラーA4原稿(10枚17面)だ。解像度は自炊の標準的な設定である300dpiのほか、200/400/600dpiの計4段階で計測した。これをカラー/グレー/白黒でスキャンした速度を表にまとめている。さらにOCRをオンにした場合の値も追加した。
なお今回測定したのは、ボタンを押してスキャナが停止するまでの時間ではなく、最終的にWindowsのエクスプローラ上にPDFファイルの保存が完了するまでのトータルのスキャン時間だ。スキャナからPCへの転送時間およびPC上での処理時間も含むことから、利用環境によって大きく変動する可能性があることはご了承いただきたい。
ちなみに今回テストに使ったのは自作PCで、64ビット版Windows 7 Professional(SP1)、Core i7(2.8GHz)、16Gバイトメモリ、SSDという構成だ。
DR-C240のスキャン速度テスト結果 | |||
---|---|---|---|
色調補正なし、OCRなしの設定 | |||
解像度 | 白黒 | グレー | カラー |
200dpi | 16秒 | 16秒 | 26秒 |
300dpi | 16秒 | 18秒 | 43秒 |
400dpi | 28秒 | 31秒 | 1分34秒 |
600dpi | 41秒 | 1分5秒 | 3分3秒 |
用紙サイズは「原稿のサイズに合わせる」「白紙をスキップする」「搬送時の原稿の傾きを補正する」「文字の向きに合わせて画像を回転する」を有効にした状態でテスト(以下同様) |
まずはカラーモードと解像度の違いによるスキャン速度の変化をチェックしよう。カラー300dpi(OCRなし)では10枚のスキャンを完了するまでに43秒かかったが、これがグレーになると18秒、白黒だと16秒と劇的に速くなる。解像度を上げると速度がやや落ちるが、それでも400dpiではカラーの1分34秒に対してグレー31秒、白黒28秒、600dpiだとカラー3分3秒に対してグレー1分5秒、白黒41秒と、グレーと白黒が圧倒的に速い結果となった。
実はカラーの速度も相当速いのだが、グレーと白黒が輪をかけて速いため、あまり目立っていないことは、誤解がないように付け加えておきたい。いずれにせよ、自炊ユースではカラーよりもグレーと白黒の利用頻度が高いことを考えると、DR-C240の性能は自炊においてその真価を最大限に発揮しうる。
ちなみに今回のテストでは、400〜600dpi時にPC側の処理待ちがかかっているケースもあるため、接続先のPCのスペックを向上させることで、所要時間はさらに短縮できると考えられる。
DR-C240のスキャン速度テスト結果 | |||
---|---|---|---|
色調補正なし、OCRありの設定 | |||
解像度 | 白黒 | グレー | カラー |
200dpi | 16秒 | 18秒 | 27秒 |
300dpi | 16秒 | 25秒 | 1分1秒 |
400dpi | 30秒 | 39秒 | 2分27秒 |
600dpi | 43秒 | 1分35秒 | 3分25秒 |
それではOCRをオンにした場合はどうなるだろうか。カラー300dpiの場合、OCRなしだと43秒のところ、OCRありだと1分1秒だった。グレー300dpiだと18秒のところ25秒かかっている。
他社製品ではOCRをオンにするだけで所要時間が2倍近くなることもあるが、DR-C240の所要時間は誤差と言っていいレベルで優秀だ。特に白黒/グレーでは数秒程度しか違いがなく、テスト中にOCRをオンにしていることを忘れてしまうほどだった。
DR-C240のスキャン速度テスト結果 | |||
---|---|---|---|
色調補正あり、OCRなしの設定 | |||
解像度 | 白黒 | グレー | カラー |
200dpi | 15秒 | 15秒 | 25秒 |
300dpi | 16秒 | 17秒 | 38秒 |
400dpi | 27秒 | 32秒 | 1分43秒 |
600dpi | 40秒 | 1分50秒 | 3分5秒 |
詳しくは後述するが、DR-C240のスキャン結果は色合いがやや濃く出るため、これまで他社製品の明るめの色調に慣れているユーザーにとっては、デフォルトの色調を明るくしたいケースもあると考えられる。今回、詳細設定で明るさとコントラストのデフォルト値をそれぞれ変更してスキャン時間を測定してみたが、3つのカラーモードおよび4段階の解像度いずれにおいても、有意な差は見られなかった。
スキャナによってはデフォルトの設定を変更することで速度が極端に低下する製品もあるが、そうした問題がないのは、好みの絵作りをしたい自炊ユーザーにとって安心できるポイントだ。
以上、DR-C240のスキャン速度を一通りテストしたが、全体的な傾向としては300dpiまでかなり高速で、特にグレーと白黒の速さは個人向けのドキュメントスキャナとして最高峰と言っていい性能だった。
カラーモードは400dpi以上、グレーモードは600dpiになると速度が低下するが、これは他社製品でも同様で、そもそも300dpiが多用される自炊ユースでは大きな弱点にはなりにくい。
OCRおよび色調調整という、読み取り速度に影響を与えそうな2つの要因で、速度への極端な影響がみられないのも特筆できる。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2015年12月3日
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