ノートPCに外付けディスプレイを接続すれば、大画面・高解像度のデュアルディスプレイ環境を手軽に構築できるため、作業効率の大幅な向上が図れる。
最近は高性能なモバイルノートPCを中心に、フルHDを大きく上回るような高画素密度のディスプレイを備えた製品も増えているが、13型や15型の画面サイズではいくら高解像度化したところで表示が細かすぎて、Windows上で150%や200%の拡大表示を行うことになる。従って「解像度=作業スペース」とはならず、画面サイズに作業効率が制限されてしまう点は覚えておきたい。
しかし、外付けディスプレイで主流となる23〜24型のフルHD(1920×1080ピクセル)/WUXGA(1920×1200ピクセル)モデルをノートPCにつなげば、使い慣れたノートPC内蔵のディスプレイはそのままに、広大な作業スペースを追加できるので実に快適だ。
例えば、Webブラウザで何枚ものページを一気に開いて見比べたり、PDF文書を調べながら表計算ソフトでグラフを作成してプレゼン資料に貼り付けたり、一方の画面で作業しながらもう一方の画面に映像コンテンツやSNSのタイムラインを表示して「ながら視聴」したり、メイン画面でゲームをプレイしながらサブ画面で攻略サイトをチェックしたり、色再現性の優れた外付けディスプレイで正しい色を確認しながら作業したり、といった作業がウィンドウの切り替えなしでシームレスに行えるようになるのだ。
ノートPCに接続するディスプレイ選びで注意したいのが、スタンドの可動域だ。デュアルディスプレイ環境は、タスクバーを表示する画面下端の高さをそろえると使いやすいが、ノートPC内蔵ディスプレイは高さ調整ができないため、外付けディスプレイは高さ調整ができる製品が望ましい。しかも、ノートPC内蔵ディスプレイはかなり低い高さに画面が位置しているため、外付けディスプレイも設置面ギリギリまで画面を下げられる製品がベターだ。
逆に、画面をかなり高い位置まで上げられる外付けディスプレイと組み合わせれば、ノートPC内蔵ディスプレイの上に外付けディスプレイの画面が来るように配置できるので、机上の狭い設置環境でも作業スペースの拡張が図れる。また、画面の回転による縦位置表示が可能な外付けディスプレイを使えば、縦に長い画面を生かして縦長のWebページやSNSのタイムライン、文書の一覧性を高めるといった使い方も可能だ。
今回はEIZOの24.1型WUXGAディスプレイ「FlexScan EV2455」を利用したが、131ミリと広範囲の高さ調整に対応し、縦回転機能も備えていることから、ノートPCと組み合わせやすかった。また、フレームレスデザインの狭額縁仕様なので、画面と画面の間の枠(つまりノイズ)を極力排除でき、複数の画面を自然に見渡せるのもありがたい。大半のノートPC内蔵ディスプレイに加えて色再現性にも優れるため、sRGB色域を正しくモニターしながらフォトレタッチやコンテンツ作成を行いたいといったニーズにも合う。
なお、Windows 10ではマルチディスプレイ環境においてタブレットモードが使えなくなっている。Windows 8/8.1ではノートPC内蔵ディスプレイにModern UIのスタート画面、外付けディスプレイにデスクトップUIを表示するといった使い分けが可能だったが、Windows 10上のマルチディスプレイ環境はデスクトップUIでの利用に限られる。ここはデスクトップUIの使いやすさが評価されているWindows 7の操作性に戻した部分だ。
ノートPCが主流の昨今、デスクトップPCを使い続けているユーザーは高性能志向、あるいは作業効率を重視していることが多いだろう。そうしたユーザーにこそおすすめしたいのが、ハイパワーのPCを生かし、生産性をグッと高めてくれるマルチディスプレイ環境だ。大画面・高解像度のディスプレイを複数組み合わせた環境は、まさに鬼に金棒と言える。
デスクトップPCのマルチディスプレイ環境は、ノートPC内蔵ディスプレイのような画面サイズの制限がないため、設置場所や予算、用途に応じてより柔軟な画面サイズと解像度の組み合わせが可能だ。その気になれば、過去のEIZOチャンネルで挑戦したような3画面で5760×1080ピクセルや、6画面で5760×2160ピクセルという広大な表示環境も手に入る。
もちろん、そこまでハイスペックな環境でなくとも、現在主流となっている23〜24型のフルHD(1920×1080ピクセル)/WUXGA(1920×1200ピクセル)モデルを2台組み合わせれば、1台のときより作業効率の大幅な向上が期待できる。
デスクトップPCでマルチディスプレイ環境を構築する場合、最初はディスプレイ1台で後からもう1台追加するといったケースも多いだろうが、理想を言えば、最初から同じディスプレイ製品を複数台購入したほうが快適に利用できる。画面サイズ、解像度がそろうのはもちろん、色味などの表示傾向も合わせやすく、画面ごとに見え方が違うといったトラブルを未然に防げるからだ。
マルチディスプレイをデスクトップPCで構築しようと考えた場合、かなり横幅が広くなるため、視野角が広い製品でないと見づらくなってしまう点は注意したい。また、画面が増えることで照明の反射なども避けにくくなるため、ディスプレイの表面処理は反射がないノングレアのほうが断然見やすく、目への負担がかかりにくいだろう。前述の通り、狭額縁であることも、省スペースと視認性の両面で優位となるポイントだ。
今回使用した24.1型WUXGAディスプレイのFlexScan EV2455は、広視野角かつ映り込みが抑えられたIPS液晶パネル(ノングレア仕様)を採用し、しかも約6.2ミリ(ベゼル1ミリ+非表示エリア5.2ミリ)という狭額縁設計により、2台並べても画面と画面の間に位置するフレームはたった12.4ミリ程度で済み、ノイズレスなマルチディスプレイ環境を構築できるというメリットがある。自動調光機能(Auto EcoView)で目が疲れにくく、消費電力のムダも抑えてくれるのもありがたい。
以上、Windows 10のマルチディスプレイ設定手順と具体的な活用例を紹介した。トレンドの変形型(2in1)を含むノートPCであっても、従来型のデスクトップPCであっても、Windows 10の作業効率を高めたいならば、マルチディスプレイは非常に有効な手段だ。
重要なのはどのようなディスプレイ製品を選ぶかだが、画質の高さはもちろん、視野角の広さ、映り込みが少ないノングレア仕様、画面を並べた際に全体を見渡しやすい狭額縁設計、幅広い設置場所に対応できるスタンド機構、疲れ目や省電力対策など、こだわりたい項目は多岐にわたる。
ディスプレイはPC本体に比べても長期利用が可能な周辺機器なので、中長期で生産性の向上や身体にかかる負担軽減、消費電力削減といった総合的な価値を考えるならば、高品位なディスプレイ製品を妥協せず選択することをおすすめしたい。その点、今回試したFlexScan EV2455を含むEIZOの「FlexScan EV」シリーズはこうした要素を全て満たし、保証期間も5年間と長いことから、マルチディスプレイに好適な製品の1つと言える。
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