“ちょい上”キーボードをタッチしてみた――エレコム「TK-P05F」シリーズ:ちょっと気になる入力デバイス(2/2 ページ)
ユーザーに身近なキーボードとマウスは、星の数ほど発売されている。その中から、気になる一品を360度チェックする。
5個のホットキーを搭載したキーボードの新シリーズ
残りの「TK-UP08Fシリーズ」と「TK-UP09Fシリーズ」は、5個のホットキー(消音/ボリュームアップ/ボリュームダウン/WEBブラウザの起動/メールソフトの起動)を搭載したキーボードで、パームレストの形状やキー配列が異なるモデルだ。こちらもTK-UP06FPLシリーズと同じように別途専用ドライバを導入することなくホットキーを利用できるが、ユーザーのカスタマイズは行えない。
前者のTK-UP08Fシリーズは、高さ35ミリのパームレストが一体になったモデルで、横幅が458ミリとやや大柄だが、10キーの真横にカーソルキーやPageUp/PageDownといったキーが並ぶスタンダードな配列を採用しているのが特徴だ。
キーピッチは19ミリ、キーストロークは3ミリで、キースイッチはメンブレン方式だ。キー数は108キーで、「半角/全角」「カタカナ/ひらがな」「無変換」「変換」キーが独自表記の刻印になっている。発売時期は6月下旬からの予定で、標準小売価格は5040円だ。
最後のTK-UP09Fシリーズは、横幅が393ミリ/奥行きが165ミリと省スペース性を重視したモデルで、キーピッチも18.8ミリとほかのモデルに比べてわずかに狭くなっている。それゆえ、「Insert」「Delete」「PageUp」「PageDown」キーが縦一列に並ぶ不規則な配列が見られるが、逆にキーストロークはTK-P05Fシリーズと同じ3.8ミリと深めだ。
キースイッチはメンブレン方式で、キー数は109キーだ。ほかのシリーズと同じように、「半角/全角」「カタカナ/ひらがな」「無変換」「変換」キーが独自表記の刻印を採用する。発売時期は6月下旬からの予定で、標準小売価格は4410円だ。
下のスペック表にもあるように、ここで取り上げたキーボードは日本語版Windows環境下でのみ動作保証となっているが、試しにMac OS X 10.4.9を搭載した初代MacBookにUSB接続したところ(TK-P05Fシリーズを除く)、いずれもキーボードとして問題なく利用できた。ただしホットキーは、TK-UP06FPLWHがスタンバイ・休止からの復帰/休止/シャットダウンの3ボタンのみ、TK-UP08FとTK-UP09Fシリーズはボリュームアップ/ボリュームダウン/消音の3ボタンだけが機能した。
キーボードやマウスはあらかじめPCに付属していたものを使い、壊れたときにあわてて店頭に走り、できる限り安価に手に入れようとするユーザーも多いだろう(中には、周囲の人に“たかる”ケースも多々見られる)。しかし、考えてみて欲しい。PCを利用する際にもっとも使い倒すのはキーボードやマウスであり、ディスプレイである。これらの製品に少しでもこだわれば、たとえPCのスピードが遅くとも快適度は格段に向上するはずだ。1000〜2000円の低価格キーボードを否定するつもりは毛頭ないが、まずはワンランク上のモデルを店頭で試してみることをおすすめしたい。
今回取り上げたモデルは、いずれも比較的シンプルな有線キーボードばかりだが、そのぶん価格は6000円〜4000円前後と手ごろにまとまっている。欲を言えばホットキー用のカスタマイズユーティリティや、現状はWindowsのみの対応となっているのでMac OSのサポートも期待したいところだ。なお、各モデルのインプレッションは下記を参照してほしい。
PC USER編集部Tのインプレッション
TK-P05Fシリーズは、カナ刻印なしで見ためすっきり玄人風、PFUのHappy Hackingライクだが、キー配列はいたって素直な日本語配列で、Windowsキーや10キーもあるため誰でも使いやすい。価格設定も含め、なかなか落としどころがうまい製品と思う。スペースバーが短いのと、キートップが少々ぐらつくのは惜しいが、テンキー付きのコンパクトなキーボードが欲しい人なら有力な選択肢ではないだろうか。今後はもっと思い切ってコストをかけた高級キーボードも見てみたい。
USB接続の3シリーズについては、スクエアなデザインで省スペース設計のTK-UP09Fシリーズがいいと思うが、Enterキーの右に一列で並ぶ4つのキーが少々扱いにくい印象だ。TK-UP06FPLシリーズは、ノートPCのキーボードでおなじみのパンタグラフ式だが、個人的にはデスクトップで使うキーボードならもっと深いキーストロークが欲しい。キー刻印のオリジナルフォントは好印象だ。
PC USER編集部Hのインプレッション
“キーボードの達人”向けのTK-P05Fシリーズだが、実際の立ち位置は“ちょい上”“ちょい達”といったところか。キータッチは良好で、やはりカナ刻印がないと見ためはすっきりとする。ただ、インタフェースがPS/2のみである点と、日ごろノートPCのキーボードに慣れている身としては、3.8ミリのキーストロークはやや深すぎる印象を受けた。また、型番表記だけでは味気ないので、愛称やブランド名が欲しくなる。
USB接続の3シリーズでは、スタンダードなキー配列のTK-UP09Fシリーズに引かれた。ほかの2シリーズは、カーソルキーやEnterキー周辺の不規則な配列がやはり使いにくかった。また、ホットキーにシャットダウンやスリープなどのボタンがあると、思わぬときに誤って押してしまって血圧が上がってしまうので、カスタマイズ用のユーティリティが欲しくなる。さらに欲を言えば、レノボのThinkPlus USBキーボード(ウルトラナビ付)やThinkPlus USBトラベルキーボード ウルトラナビ付のように3段階の高さ調節機能があるとうれしいところだ。
主なスペックは下記の通りだ。
型番 | TK-P05Fシリーズ | TK-UP06FPLシリーズ | TK-UP08Fシリーズ | TK-UP09Fシリーズ |
メーカー | エレコム | |||
インタフェース | PS/2 | USB(PS/2変換アダプタ付き) | ||
キースイッチ | メンブレン方式 | パンタグラフ方式 | メンブレン方式 | |
キー数 | 105キー | 106キー | 108キー | 109キー |
キーピッチ | 19ミリ | 18.8ミリ | ||
キーストローク | 3.8ミリ | 3.2ミリ | 3ミリ | 3.8ミリ |
ワンタッチキー | − | 18キー | 5キー | |
ケーブル長 | 約180センチ | 約300センチ | 約150センチ | 約150センチ |
USBハブ | − | |||
外形寸法 | 374(幅)×141(奥行き)×35(高さ)ミリ | 416(幅)×174(奥行き)×20(高さ)ミリ | 458(幅)×193(奥行き)×23(高さ)ミリ | 393(幅)×165(奥行き)×21(高さ)ミリ |
重量(実測値) | 約745グラム | 約650グラム | 約593グラム | 約540グラム |
対応OS | Windows Vista/XP/2000/Me/98 | Windows Vista/XP/2000/Me | ||
付属品 | − | PS/2変換アダプタ | ||
カラーバリエーション | ブラック、ホワイト | |||
標準価格 | 5670円 | 6300円 | 5040円 | 4400円 |
保証期間 | 6カ月 |
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