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「MacBook Air」から「Time Capsule」まで、4つのテーマで語られたスティーブ・ジョブズ氏基調講演“Something in the air.”の正体は(3/3 ページ)

「世界で最も薄いノートPC」が登場したMacworld Expo 2008。iTunesの新サービスやiPhone/iPod touchのアップデート、Time Machineを活用する新デバイスなど話題は多い。

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iTunes Movie Rentalと新しいApple TV

これまでiTunesで販売したTV番組の本数は1億2500万本

 3つめの発表は「iTunes Movie Rental」だ。大成功を収めているiTunes Storeは、アメリカでは1億2500万本のTV番組を売るなど成功しているが、唯一成功していないのが映画コンテンツの販売だ。

 ジョブズCEOは、映画についてはレンタルモデルにしたほうが、価格も安く、HDDスペースも取られないとして、「iTunes Movie Rental」サービスを発表した。米国では即日開始し、米国外では今年後半までの実現をめざす。

新サービスの「iTunes Movie Rental」を発表

主要映画配給会社と提携し、1000タイトルからスタートする

 iTunes Movie Rentalには、主要映画会社11社が参加し、まずは1000タイトルからスタート。Macでも、PCでも、iPodやiPhoneでも視聴できるようにする。レンタル開始から30日以内に視聴を開始し、そこから24時間以内であれば何度でも再生できる。Macで見ていた映画をiPodに転送して続きを見るといったことも可能だ。価格は旧作が2.99ドル、新作が3.99ドルで、HD版はこの価格に1ドル上乗せされる。

iTunes Movie Rentalの特徴(写真=左)。iTunes Movie Rentalのレンタル料(写真=中央)。iTunes Movie Rentalの操作画面(写真=右)


 この発表のさなか、アップルはこれらのコンテンツをリビングでどう見るべきかについて話を広げた。「これまでいくつもの会社が、それに挑戦したが、失敗した」――ジョブズ氏は、Apple TVも成功していない、と失敗を認める。

 これまでのApple TVはPC依存型であり、PCと連携してしか利用できなかったが、これは間違いだったと語り、新しいApple TVでは単独でコンテンツを購入したりレンタルしたりできるようにすると発表した。

新しいApple TVはPC非依存型に改良され、さまざまなの特徴を備える

 新Apple TVの機能は次の通りだ。

  • 単体で映画をレンタルする
  • ハイビジョン+ドルビー5.1チャンネルに対応
  • オーディオまたはビデオのPodcastに対応
  • Flickrや.macの写真表示に対応
  • YouTubeの動画に対応(5000万の高画質動画を特別に用意)
  • 単体でTV番組や音楽を購入できる
  • PCに入っているiTunesのコンテンツや写真をネットワーク経由で再生

 アップルは、Apple TVの価格を299ドルから229ドルに下げ、これまでのApple TVユーザーには無償アップデートを提供する。

iTunes Storeから欲しい映画を検索する機能も搭載する。1文字タイプすると、一覧が出てくるインタフェースだ(写真=左)。Apple TVの既存ユーザーに対しては無償アップデートを提供する(写真=中央)。20世紀フォックスの重役が登場。これから出荷する一部のDVDにiPod視聴用のコンテンツもパッケージしていくという。第1弾はスターウォーズだ(写真=右)

Leopardをさらに便利にするハードウェアも

Leopardの目玉機能「Time Machine」をノート型Macでも使いやすくするための新製品が登場

 さて、話が前後してしまうが、Macworld Expo 2008の基調講演の冒頭は、昨年リリースされたMac OS X “Leopard”の好調ぶりを報告するところから始まった。

 この最新Mac OSは、出荷開始から最初の3カ月で500万本を出荷したアップル史上最も売れたソフトである。そして、Mac OS Xユーザーの19%が、この新OSへの移行を果たしたことになるという。

※記事初出時、Mac OS Xユーザーの81%がLeopardに移行した、という記述がありましたが、正しくは19%です。お詫びして訂正いたします。

 ジョブズ氏は、同OSの人気機能の1つである「Time Machine」を取り上げ、ノート型のMacではバックアップが取りにくいと説明。ノート型Macでも無線LAN経由で簡単にバックアップができるように、HDDを内蔵した無線LANアクセスポイント「Time Capsule」を発表した。

 このTime Capsuleは、IEEE802.11n(ドラフト 2.0準拠)に対応したネットワークストレージ(HDDの回転数は7200rpm)で、容量に応じて2モデルが用意される。価格は500Gバイトモデルが299ドル、1Tバイトは499ドルだ。

無線LAN経由でMacのHDDをバックアップする「Time Capsule」。デザインはAirMac Extremeに似ているが、電源を内蔵するため一回り大きい(写真=左)。複数のMacからのバックアップにも対応する(写真=中央)。Time Capsuleの価格は、500Gバイトモデルが299ドル、1Tバイトモデルが499ドル。2月出荷予定だ(写真=右)


 なお、スティーブ・ジョブズ氏の講演で恒例の、大物アーティストによる演奏では、大御所ランディー・ニューマン氏が登場し、映画「トイ・ストーリー」のために作った曲「You Got a Friend in me」などを演奏した。

 基調講演の詳報は追って掲載する予定だ。


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