デバイスマネージャで見る「WILLCOM D4」(2/2 ページ)
PCなのかスマートフォンなのか。どちらにとらえるかでWILLCOM D4はその姿を大きく変える。ここでは、PCとしての姿をデバイスマネージャをとおして紹介しよう。
用意されるソフトウェアと使い勝手は「PCそのもの」
ワイヤレス接続は、ウィルコムのPHS回線は当然として、Wi-FiのIEEE802.11g/b、Bluetooth 2.0+EDRに対応する。“次世代PHS”への対応については、喜久川氏が「現在のW-SIMでは対応できないが、将来は何らかの形で対応したい」と述べたものの、具体的な方法については明らかにしていない(掲載当初、次世代PHSの記述が間違っていました。おわびして訂正いたします)。
PHSによるデータ通信は基本的にWindows Vistaに用意された機能で制御される。このため、データ通信を必要とするソフトウェアが起動した時点で接続処理が開始し、そのソフトウェアが終了する時点で切断処理が始まることになる(この時点でほかにデータ通信を行うソフトウェアが動いていれば切断処理は行われない)。Windows Mobile端末などでは、「Comm Manager」などでユーザーがデータ通信の開始と終了を行えるが、WILLCOM D4でユーザー自らが通信の開始と終了を行うときは、Winodws Vistaやアプリケーションに用意された機能を使うことになる(ただし、PHSのオン/オフを行う設定項目が“D4 電話設定”というツールにある)。
ソフトウェアには「Windows Office Personal 2007 with PowerPoint 2007」のほか、SMSメールをWindows Vista上で受信するための「ライトメール」、Windows Vista上で動くメニュープログラム「AQUATIC」などが用意される。
既存の小型“PC”より優れたコストパフォーマンスに注目
データ通信携帯端末として考えた場合、WILLCOM D4は、同じウィルコムのW-ZERO3、Advanced/W-ZERO3[es]、または、イー・モバイルのEMONSTERことS01HTが比較対象となるかもしれないが、188〜192.3(幅)×84(縦)×25.9(厚さ)ミリ、重さ470グラム(2008年4月14日における目標値)というサイズを考えたとき、より近い比較対象は、スライドキーボードを採用したWindows Vistaマシンとしてすでに登場している「VAIO type U」(UXモデル)がまずイメージされる。
日本以外のメーカーで日本市場で投入している製品を含めれば、OQO model 02や、GIGABYTEが発表したUMPC「M704」、そして、先日HTC Nipponが発表したばかりの「HTC Shift」などが挙げられる。ほかにも、Wibrainの「B1」や、Flipstart Labの「FlipStart」なども含まれるかもしれない。
VAIO type Uと比べた場合、なんといっても価格が安い。ウィルコムが用意している「W-VALUE」を適用して2年間使いつづけることで実質的な価格が9万200円と10万円を切る。また、本体サイズが207(幅)×129(奥行き)×25(厚さ)ミリ、重さは800グラムのHTC ShiftよりWILLCOM D4は小型で軽量ということになる。先ほども紹介したように、WILLCOM D4のバッテリー駆動時間は明らかにされていないが、実質的に2〜3時間となる可能性が高い。これは、A110(動作クロック800MHz)を搭載しているHTC Shiftと同程度かやや長いぐらいと考えられる。バッテリー駆動時間は横並びとしても、搭載するCPUやチップセットのスペック(導入されているOSのことはひとまず置いておくとして)、サイズと重さ、そしてなにより価格というバランスで考えた場合、WILLCOM D4はコストパフォーマンスに優れた“超小型PC”といえるだろう。
超小型PCを愛するユーザーは、Wi-Fi機能を生かした、そして将来的にはWiMAXにも対応する可能性も秘めたMIDとしてのWILLCOM D4(そういう場合は、シャープのMebiusというブランドになるのだろうか)を期待するかもしれない。Windows XPモデル、Linuxモデルを望む声もあるだろう(会場では“WILLCOM D4に必要なドライバをアップしてくれるだけでもいい”という声もあった)。しかし、シャープにそのあたりを聞いてみたところ、「日本における小型PCの市場規模を考えた場合、このようなMIDは通信事業者と一緒に展開したほうが(購買層の大きさを考えると)望ましい」という答えが返ってきたことを付け加えておきたい。
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