薄く、軽く、アルミになった新しい「MacBook」が登場:アルミ削り出し
アップルがMacBookの新モデルを発表。上位2モデルはNVIDIAのチップセットを採用し、アルミの外装に生まれ変わった。一方、最下位モデルは1000ドルを切る価格に。
アップルは10月15日、13.3型ワイド液晶を搭載した「MacBook」の新モデルを発表した。
ラインアップは従来と同様の3モデル構成だが、上位2モデルがアルミ筐体のまったく新しいデザインに生まれ変わり、最下位モデルのみ旧モデルを引き継ぐポリカーボネート素材のボディを採用している。なお、この変更にあわせて黒い外装のモデル(いわゆる“MacBook KURO”)は姿を消した。
今回のモデルチェンジは見どころが多い。まず、目を引くのがボディデザインだ。MacBookの外装は、MacBook Airの製造方法と同じように、1枚のアルミ板から削り出したものになった(これは同日発表された最新MacBook Proにも採用されている製法でMacBookは一回り小さい)。ボディサイズは325(幅)×227(奥行き)×24.1(高さ)ミリ、重量が2.04キロと、従来モデルに比べて3.4ミリほど薄くなり、約230グラム軽くなっている。
デザイン面の変更では、マルチタッチのガラス製トラックパッドもポイントだ。この新しいトラックパッドは、MacBook Proと同じようにピンチやスワイプなどの指によるジェスチャーに対応したほか、パッド全体がボタンとして機能する構造で、(クリックボタンのスペースを必要としないため)入力範囲が40%以上広くなった。このほか、ディスプレイ表面をガラスで覆った黒縁デザインの13.3型(1280×800)LEDバックライト液晶を採用し、バッテリー駆動時間はワイヤレス接続環境下で最長5時間と、30分ほど延長されている。
アーキテクチャも刷新された。今回アップルは従来のインテル製チップセットに代えて最新のNVIDIA製チップセットを採用し、内蔵グラフィックスのGeForce 9400Mによって3Dグラフィックス性能を大幅に引き上げた。同社によると、従来に比べてグラフィックス性能が最大6.2倍高速になったという。主な基本仕様は、最上位モデルの「MB467J/A」がCPUに2.4GHz Intel Core 2 Duo(2次キャッシュ3Mバイト/FSB 1066MHz)、メモリが2Gバイト(PC3-8500)、HDDが250Gバイト(5400rpm)、8倍速 SuperDriveを搭載。ミドルレンジの「MB466J/A」は、CPUが2GHz動作になり、HDD容量が160Gバイトになるほかは最上位モデルと同じだ。
インタフェースは、USB 2.0×2、Mini DisplayPort出力(別売りのアダプタでデュアルリンクDVIに対応)、光デジタル音声入出力、ギガビットLANを搭載。ネットワーク機能としてIEEE 802.11n(ドラフト準拠)とBluetooth 2.1+EDRを備える。なお、IEEE1394は省かれた。
価格はMB467J/Aが18万4800円、MB466J/Aが14万8800円。直販サイトApple Storeでの出荷時期は、いずれも5〜7営業日となっている。一方、最下位モデルは「MB402J/A」とまったく同じ仕様だが、価格が11万4800円と、さらに1万5000円ほど安くなった。
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