アキバ店員のなすがままに、自腹でPCを組んでみた(中編):ハハハ、見ろ! 領収書がゴミのようだ!(2/2 ページ)
PCパーツショップの店員さんまかせで、いま熱いパーツを買いあさる突発企画。すでにCore i7 965を購入しており、仮予算の半分を消費。後には戻れない状況となっている。どうなる?
店員も欲しがるPCケースと、漢(おとこ)のマザーボード
7店目は、三菱東京UFJ銀行 秋葉原駅前支店からスグにあるパソコンショップ・アークだ。レジにいた川前氏に単語カードを引いてもらい、PCケースを購入することに決まった。川前氏は店内のPCケースコーナーを確認したのち、レジ前に戻ってインターネットでなにやら検索を始める。
川前氏は端末を操作しながら「ちょっと待ってくださいね。店頭には在庫がないのですが、私がいま一番ほしいと思っているケースがあるんですよ。弊社のウェブショップから注文していただくことになりますが、よいですか?」と語る。店員さんがほしいと思っているなら、熱いモデルであることは間違いない。もちろんOKだ。
そのモデルはアンテックの「P182 ATX W/OPSU」だった。「ハイエンド構成にも対応する冷却性能と静音性を併せ持つミドルタワーケースです。外観もシンプルなので、机の上に置いてもさまになりますよ。個人的には全体をガンメタル一色で覆ったデザインにほれています」という。さっそく手持ちのLet'snote LIGHT W7にイー・モバイル端末を差して、同店のウェブサイトで注文を完了。価格は送料や手数料含みで2万3247円だった。
8店目のTSUKUMO eX.ではマザーボードを購入することになった。Core i7対応マザーのなかで熱いモデルを選んでもらうべく、インテル系パーツとグラフィックスカードを扱う3階に向かう。同店の大内氏は「Core i7対応となると、X58マザーですね。現在は2万5000円以下の安価なモデルが人気ですが、熱いハイエンド志向となると、ASUSTeKのP6T Deluxe/V2が定番となっています。ただ、漢(おとこ)なら、micro ATXサイズに超高性能を詰め込んだRAMPAGE II GENEで決まりですね」と話す。よろしい、ならばRAMPAGE II GENEだ。というわけで、3万980円で購入。
ついに合計金額が明らかに!!
そして、最後の9店目はBLESS秋葉原本店だ。ルールどおり、最後の店では「OS+α」を購入すると決めていた。同店の田藤氏は、パーツ構成を確認するなり「6Gバイトのメモリをフルに活用するなら64ビットOSです。そのほかのハイエンド構成に見合うのは、DSP版のWindows Vista Ultimate 64ビット版だと思います」と即答した。
DSP版のOSはそのOSを搭載するマシンに組み込むパーツと一緒に購入しなくてはならない。そのための「+α」なのだ。「ジャンルとして熱いのは、ラインアップの多いCPUクーラーです。あと、構成的にはケースのフロント端子を補うために、カードリーダーを含めたフロントパネル用のインタフェースをそろえるのがよいと思います」とのアドバイスをもとに、CPUクーラーはPROLIMA TECHの大型モデル「Megahalems」を、そのファン用に日本サーボの12センチ汎用ファン「Gentle Typhoon 12cm/1150rpm」、フロントパネルツールにアイネックスの「PF-113CR」を選んでもらった。価格は順に6980円、1680円、2280円だ。
このなかでも、特に“熱い”のは「Megahalems」だ。「CPUクーラーで世界的に人気のあるサーマルライトの対抗馬と目されているメーカーの注力モデルです。それだけ冷却性能が高いのですが、ライバルに比べて少し安めなのが魅力ですね」とのことだ。
最後に少し色気づき、「どうせならメモリも12Gバイトにしてください」と、はじめて自分の意見を盛り込んでもらった。上記のアイテムに加えて、ツートップ秋葉原本店で購入した合計6Gバイトのメモリセット「XMSシリーズ TR3X6G1333C9」も購入。1万1480円だった。
これですべてのパーツがそろった。それでは、今回の買い物と金額をまとめてみよう。
今回購入したパーツ | ||
---|---|---|
メモリ | コルセア「XMSシリーズ TR3X6G1333C9」×2セット | 2万3460円 |
グラフィックスカード | Sapphire「HD4870 VAPOR-X 2GB GDDR5 PCI-E」 | 2万8318円 |
CPU | インテル「Core i7 965 Extreme Edition」※開封済み | 7万9800円 |
電源ユニット | オウルテック「SeaSonic SS-750EM」 | 2万9980円 |
光学ドライブ | 日立LG「BH08NS20」 | 2万5800円 |
SSD | サムスン「MMDOE56G5MXP-0VB」 | 8万6800円 |
SSDマウンタ | Cremax「MB882SP-1S-1B」 | 2980円 |
HDD | ウェスタンデジタル「Caviar Green WD10EADS」×2台 | 1万4960円 |
PCケース | アンテック「P182 ATX W/OPSU」※送料・手数料込み | 2万3247円 |
マザーボード | ASUSTeK「RAMPAGE II GENE」 | 3万980円 |
OS | マイクロソフト「Windows Vista Ultimate 64bit/DSP版」+α | 3万4920円 |
その合計金額は38万1245円。最初に想定していた30万円を軽く超えてしまった。これだけあれば、音楽CDが100枚以上買えるし、品川〜名古屋間を新幹線で19往復できるけれども、今は深いことをあまり考えないで、この主役級パーツを集結させた激速マシンを組み上げることに集中したい。後編では、組み上げたマシンの実力をリポートする(後編へ続く)。
著者プロフィール
古田雄介(ふるたゆうすけ)
週末アキバPick UP!を担当するデジタル系ライター。メインPCでは、主に一太郎などを使ったテキスト入力やエクセルによる表計算、インターネットブラウジングやメールチェックなどを行っている。つまり、ごく一般的なPCユーザー。自ブログは古田雄介のブログ。
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