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「VAIO P」2010年夏モデル徹底検証(後編)――“Z560+US15X”の真価を問う直販/店頭/旧モデルをガッツリ比較(2/5 ページ)

新型「VAIO P」で一番気になるポイントは、直販モデルで選べる高クロックのCPUと新チップセットではないだろうか? ついに“Z560+US15X”がベールを脱ぐ。

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エクスペリエンスインデックス、PCMark05、CrystalMark 2004R3のスコア

 まずはWindows 7標準の性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスと、総合ベンチマークテストのPCMark05ならびにCrystalMark 2004R3(ひよひよ氏作)を実行し、システム全体のパフォーマンスを調べた。


Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

PCMark05のスコア

CrystalMark 2004R3のスコア

 Windowsエクスペリエンスインデックスの結果は、4台ともプライマリハードディスクのスコアが最も高かった。64GバイトUltra ATA SSD搭載の標準仕様モデルで5.2、256GバイトSerial ATA SSD搭載のVAIOオーナーメードモデルでは6.2〜6.3までスコアが上昇しており、パフォーマンスに差があることが分かる。

 メモリは4.3〜4.4、グラフィックスは4.4〜4.6とほぼ横並びだ。グラフィックスのスコアはまずまずだが、実際の性能を正しく示しているとはいいがたい。VAIO PではWindows Aeroをオンにするとパフォーマンスが低下するため、Aeroはオフの状態で出荷されており、ソニーはそのままの状態での仕様を推奨している。Aeroをオンにすることも可能だが、Windowsフリップ3Dやタスクバーアイコンのプレビューといった動作は多少もたつく。

 一方、ゲーム用グラフィックスの値は一番低く、2.4〜2.6という結果になった。次に低いプロセッサは、Atom Z 530(1.6GHz)で2.2、Atom Z 550(2.0GHz)で2.7〜2.9、Atom Z 560(2.13GHz)で3と差が付いた。Atom Z搭載機なので全体的なスコアは控えめだが、Atom Z 560(2.13GHz)とIntel SCH US15Xを備えたVPCP11ALJ(ブラック)がわずかにリードしているのが目立つ。

 こうした傾向は、PCMark05とCrystalMark 2004R3でも同様だ。HDDのスコアを見ると、標準仕様モデルの64GバイトUltra ATA SSDと、VAIOオーナーメードモデルで選べる256GバイトSerial ATA SSDとでは大きな違いがある。64GバイトUltra ATA SSDに比べて、PCMark05のHDDスコアで4倍近く、CrystalMark 2004R3のHDDスコアで約1.6〜1.7倍の差が見られた。

 256GバイトSerial ATA SSDを内蔵した構成はCPUも少し速いので、厳密な比較とはいえないが、これくらいの動作クロックの差であれば、HDDテストに与える影響はごく少なく、HDDスコアの差はそのまま受け取って問題ない。

 対して、CPUのスコアはSSDほどの差が出ていない。PCMark05の結果を見ると、標準仕様モデルのAtom Z530(1.6GHz)に比べて、VAIOオーナーメードモデルで選べるAtom Z550(2.0GHz)は約1.3倍、Atom Z560(2.13GHz)では約1.4倍にスコアが伸びており、動作クロックの上昇に応じた順当な性能向上といえる。

PCMark05 HDDテスト、CrystalDiskMark 2.2のスコア

 性能の差が大きかったSSDの違いをより詳しく調べるため、PCMark05のHDD関連テストとCrystalDiskMark 2.2(ひよひよ氏作)も実行した。ここでは特別にVAIOオーナーメードモデルでAtom Z550(2.0GHz)と128GバイトSerial ATA SSD(デバイスマネージャ上では「TOSHIBA THNSNB128GMLJ」)を選択した構成のテスト結果も併記している。データストレージ以外のスペックは、Atom Z550(2.0GHz)と256GバイトSerial ATA SSDを備えた構成と同じだ。

 PCMark05のHDD関連テストは、実際の利用シーンを想定したデータの読み書きを行う。テスト内容は、XP Startup(Windows XPの起動をトレース/データのリードが中心)、Application Loading(アプリケーション6種類の起動をトレース/リードが中心)、General Usage(WordやIEなど標準的なアプリケーションの使用をトレース/リード60%、ライト40%)、Virus Scan(600Mバイトのウイルススキャン/データのリードが中心)、File Write(680Mバイトのファイル書き込み/ライト100%)の5つで構成される。

 CrystalDiskMark 2.2はシンプルにディスクのデータ読み書き性能を調べるテストだ。シーケンシャル/ランダムのリード/ライト速度を計測できる。今回は1000Mバイトの設定でテストした。


PCMark05 HDD関連テストのスコア

CrystalDiskMark 2.2のスコア

 結果はやはり128G/256GバイトSerial ATA SSDが、64GバイトUltra ATA SSDを大きく上回った。64GバイトUltra ATA SSDはとりわけデータのランダムライト速度が遅いが、128G/256GバイトSerial ATA SSDによって大幅に改善できている。また、旧モデルの256GバイトSerial ATA SSDより全体的に少し高いスコアを獲得している点にも注目したい。

 今回入手した新モデルが搭載していた128GバイトSerial ATA SSDと256GバイトSerial ATA SSDは同じモデルの容量違いで、テスト結果は同レベルだ。Ultra ATA変換のボトルネックによって、ドライブ自体のパフォーマンスは最大限に発揮できていないものの、それでも64GバイトUltra ATA SSDよりかなり高速だった。パフォーマンスを少しでも高めたいならば、VAIOオーナーメードモデルで128G/256GバイトSerial ATA SSDの搭載を検討すべきといえる。

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