“GPU自動切り替え”に対応した10万円切りの13.3型ノート――「U30Jc」を駆る:NVIDIA Optimusに対応(3/3 ページ)
ASUSの「U30Jc」は、2つの内蔵グラフィックス機能を自動で切り替えることで、描画性能と長時間駆動を両立したノートPC。そのキーとなるのが“NVIDIA Optimus”だ。
3Dゲーム系テストではOptimusの効果が歴然
ここからは定番ベンチマークテストの結果を見てみよう。Windows 7標準のWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右に示した通りだ。標準状態で測定したものだが、スコアからすると、Intel HD Graphicsが使われていると思われる。
そのほかのテストは、NVIDIAコントロールパネルでそれぞれプログラムごとにIntel HD GraphicsとGeForce 310Mを指定し、2通りを実行してみた。ちなみに、各種ベンチマークテストをインストールしただけの状態では、3DMark06のみがGeForce 310Mを利用する設定となっており、ほかはすべてIntel HD Graphicsを利用する設定だった
PCMark05のスコアは、どちらのグラフィックス機能でもほとんど変わらなかった。もっとも、OSが64ビット版のため、PCMark Suitesの総合スコアは得られず、Graphics SuitesもWMV Video Playbackのテストでどうしてもフリーズしてしまうため、グラフィックス機能にあまり関係がない部分のテストしか実行できていない点は付け加えておく。
PCMarkVantageでは、MemoriesとGamingでGeForce 310M利用時のスコアがよい一方、TV and MoviesではIntel HD Graphicsのほうが上回った。そして総合テストのPCMark Suitesでは、GeForce 310Mのほうが約7.5%よいという結果になっている。
3DMark06、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3、STREET FIGHTER IV Benchmarkなど、3Dゲーム系のテストでははっきりとした差がついた。STREET FIGHTER IV Benchmarkにおいては、Intel HD Graphicsでは見た目にもカクカクしてゲームにならないのに対し、GeForce 310Mではたまにカクッと動きがぎこちなくなる程度で、ほぼスムースな動きで楽しめた。このような比較的描画負荷の高いゲームのプレイ時は、Optimusが特に有効だろう。
余裕あるバッテリー駆動時間、騒音や発熱の処理も問題なし
バッテリー駆動時間のテストは、BBench 1.01(海人氏・作)で行った。テストした試作機では無線LANがうまく接続できなかったため、有線LANで常時接続し、BBenchの設定をデフォルトの「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」とした。電源プランはデフォルトの「Power4Gear_Entertainment」(バッテリー駆動時のディスプレイ輝度80%)をそのまま利用している。
BBenchの結果は382分(6時間22分)で、バッテリー残量が5%になって休止状態へ移行した。公称値には及ばないまでも優秀なバッテリー駆動時間だ。有線LANでの接続とはいえ、液晶ディスプレイの輝度が80%と高めであることを考えれば、立派といえる。
騒音や発熱の処理も優秀だ。低負荷時の騒音をチェックしてみたところ、静かな部屋では、ファンが発するわずかな風切り音と、たまにHDDのアクセス音が聞こえる程度で、ほかにエアコンや家庭用ゲーム機などが動作しているような環境ではほとんど分からない。高負荷時にはファンの回転音がそれなりに大きくなるものの、ファンの音がはっきり認識できる程度で、うるさいというレベルにはならない。
パームレストのクールさも特筆できるレベルだ。室温が約24度の環境で、PCMark05と3DMark06を続けて実行した後でも、パームレストの表面温度は32〜32.5度と低かった。キーボードは意識して触るとそれなりに熱を感じるが、パームレストほど手との接触面が大きくないためか、実用上ほとんど気にならないと思われる。ただし、底面は左側が40度と少し熱くなったので、夏場はヒザの上などで長時間使わないほうがよいだろう。
完成度の高い13.3型ワイド液晶搭載ワイドノート
U30Jcの価格は9万9800円となっており、グラフィックスの自動切り替え機能をはじめ、スペック面を考慮すると、買い得感がある。
常に携帯するには少し大きくて重いものの、性能、機能、バッテリー駆動時間、入力環境や静音性などを含めた使い勝手は良好だ。エンターテインメント面ではBlu-ray Discドライブを搭載していない点が少し物足りないが、あえて欠点を見つけてもその程度だろう。パフォーマンスと持ち運びのしやすさを両立したノートPCとして、完成度は高い。
ビジネスにもホビーにも対応できるが、特に持ち運べるサイズのPCでもゲームや動画再生を快適に楽しみたいというユーザーにとっては、注目に値する製品だ。
関連キーワード
GeForce | GPU | ノートPC | Intel HD Graphics | ASUS | Core i5 | CUDA | デュアルコア | Intel Turbo Boost | モバイルPC | Windows 7 | Arrandale | Calpella | Intel Hyper-Threading Technology
関連記事
- ルパァァン!画面から飛び出すなああ!!:モンキー・パンチも期待する“立体視”ノートPC「G51Jx 3D」登場
ASUSから発表された「G51Jx 3D」はNVIDIA 3D Vision対応の“立体視”ノートPCだ。製品発表会ではモンキー・パンチ氏が立体視普及への期待を語った。 - ASUS、“3D Vision”対応のハイスペックノート「G51Jx 3D」
ASUSTeKは、NVIDIA 3D Visionを標準でサポートしたCore i7搭載ハイスペックノートPC「G51Jx 3D」を発売する。 - NVIDIA 3D Vision標準対応:“3D”対応ノートPC「G51Jx 3D」の飛び出し具合を体感する
映画やテレビで“3D”が盛り上がりを見せる中、3D対応のゲーミングノートPC「G51Jx 3D」が登場。さまざまな3Dゲームや映像を立体視できる注目の1台を試した。 - 自動で楽に使えます:NVIDIA、GPUとIGPを自動で切り替える「NVIDIA Optimus Technology」発表
NVIDIAは、ユーザーが意識することなくパワフルなGPUと省電力な統合型グラフィックスコアを使い分けるノートPC向けの新しいグラフィックス技術を発表した。 - ASUS、Core i3/i5搭載ノート「K52F」の仕様を改定
ASUSTeKは、15.6型ワイド液晶内蔵ノートPC「K52F」の仕様改定を発表した。 - ASUS、マルチタッチ液晶搭載のAtom搭載ミニノート「Eee PC T101MT」
ASUSTeKは、回転式タッチパネル液晶を装備したミニノートPC「Eee PC T101MT」を発表した。 - COMPUTEX TAIPEI 2010:デバイスマネージャーでチェックする「次世代 Eee PC」
Eee PadやEee Tabletに注目が集まりがちなCOMPUTEX TAIPEI 2010のASUSノートPC。しかし、主力のEee PCラインアップも着実に進化しているようだ。 - COMPUTEX TAIPEI 2010:ASUSプレスカンファレンスで「Eee Pad」「Eee Tablet」が登場
ASUSがCOMPUTEX TAIPEI 2010で行ったプレスカンファレンスの主役も、やはり「タブレット」だ。まずは、多彩な「Eee Pad」と「Eee Tablet」の姿を紹介しよう。 - ASUS、5万円台のAthlon Neo搭載モバイルノート「Eee PC 1201T」
ASUSTeKは、CPUとしてAthlon Neoを採用したミニノートPC「Eee PC 1201T」を発売する。
関連リンク
- ニュースリリース
- 製品情報
- ASUSTeK Computer
- 製品最安値比較サイト:ITmedia +D Shopping
- ソフトウェアダウンロード販売サービス:+D Download
- ソフトウェアのライセンスはまとめ買いがお得:LICENSE ONLINE
- デジタルライフに彩りを与える専門ショップ:+D 専門店街
- VAIOのことならお任せ!:VAIO LOVERS
- ソニーじゃなきゃもったいない!:SONY LOVERS
- FMVを安く買うならここ!:FMVマニア
- ThinkPadがWeb限定特価:Lenovo media
- デルのお得情報を毎週更新!:DELL Power
- PCパーツからオシャレなノートPCまで:msi style!
- 満を持して登場!! マウスコンピューター・ステーション
- 店舗もWeb直販もお得!! TWO TOP MEDIA
- 欲しかったアレがここにある!:ニーハオ!!上海問屋
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.