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レノボ・ジャパン、ノートPCの研究開発拠点を“大和”から移転:さらばだ、ヤマトの諸君……
数多くのThinkPadシリーズを生み出したノートPCの研究開発拠点「大和事業所」が横浜市の「みなとみらい21地区」に移転する。
移転後の名称は「いまのところ未定」
レノボ・ジャパンと横浜市は、6月24日にレノボ・ジャパンのノートPC研究開発拠点「大和事業所」を、横浜市西区のみなとみらい21地区にある「みなとみらいセンタービル」に移転することを発表した。移転時期は2010年12月下旬の予定だ。
なお、移転後の拠点にも「大和事業所」の名称が継続して使われるのか、新しい名称に変更されるのかについて、レノボ・ジャパン広報は「未定」としている。
神奈川県大和市にある大和事業所は、IBMの時代からThinkPadをはじめとするノートPCの研究と開発の拠点として、その技術力は世界中で高く評価されている。2005年にPC事業部がIBMからレノボ・ジャパンに移管されたのちも、レノボ・ジャパンの大和事業所として活動してきた(大和事業所に設けられた研究開発施設の詳細については「ThinkPadの“拷問部屋”を体験してきました」を参照のこと)。
みなとみらい21地区へ移転する理由について、同社は「日本法人の設立から5年経過したことを受け、より利便性の高いみなとみらい21地区に移転することを決定した」と説明している。また、みなとみらいセンタービルを選んだ理由としては、「実験・開発に必要な機器が設置可能」であることを挙げている。
新しい研究・開発拠点では、みなとみらいセンタービルの20階と21階にオフィスと実験室に設け、大型の実験施設は、天井高、床過重、強い振動に耐えられる耐久性などの要件を満たす同ビルの2階と1階の一部に設置する。
大和事業所の設けられている「音響試験室」(写真=左)と「電波暗室」(写真=右)、そして、「耐久試験室」や「振動・衝撃試験室」などの大型実験施設は、みなとみらいセンタービルの1階の一部と2階に設置する予定だ
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