日本HPの“速くて安い”第2世代Core i7搭載ノートを徹底検証:新Core i7搭載で6万円台から(5/5 ページ)
「HP Pavillion Notebook」シリーズに追加された「dv7-5000」と「dv6-4000 Premium」は、コストパフォーマンスの高さが際立つ“Sandy Bridge”採用ノート。2台まとめてチェックしよう。
騒音、発熱、バッテリー駆動時間を検証する
騒音と発熱についても気になるところだ。これらの要素はもともとボディ設計によるところも大きいうえ、今回の場合はGPUにRadeon HD 6570Mを搭載しているので、これだけでSandy Bridge/Huron Riverの熱設計がどうだと判断することはできないが、あくまでも搭載機の一例としては参考になるだろう。今回は同環境で測定したが、騒音、動作音ともに2機種ともほとんど似たような結果だった。
まずは室温21度、暗騒音32デシベル、本体の5センチ手前で測定した動作時の騒音レベルだが、あまり芳しい結果ではない。ファンの回転数が負荷に応じて細かく変動するので、余計にうるさく感じる。負荷に敏感なのはファン設計の問題ではあるが、発熱自体も高いということなのだろう。
テスト結果は、2機種ともアイドル時や低負荷時は36〜39デシベルで、PCMark05に含まれるCPU Test Suites(Multi Threaded Test2)のように4コア全部がフル稼働する状況になると、dv7-5000で45〜54デシベル、dv6-4000 Premiumで45〜53デシベルまで騒音レベルが上がり、大きな風切り音が気になる。3DMark06(CPU Test除く)実行時は、dv7-5000で39〜45デシベル、dv6-4000 Premiumでは39〜43デシベルだった。
ボディの発熱の処理はまずまずといったところ。発熱は底面部の左側が大きいが、ヒザの上に置いて使うPCでもないので特に問題はないだろう。ボディ表面のパームレストはクールだが、キーボードの左側が少し発熱してくるのが分かる。室温が低い時期は気にならないが、夏場などはキーボードに長く触れることが少し不快に感じるかもしれない。
モバイル向けのPCではないが、バッテリー駆動時間も海人氏のBBench 1.01を利用して測定してみた。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」だ。無線LANで常時接続し、電源プランは標準の「HP推奨(ディスプレイ輝度70%)」を利用している。テスト結果はdv7-5000で2時間15分、dv6-4000 Premiumで2時間33分のバッテリー駆動が可能だった(どちらも残量5%)。
バッテリーをフル充電した状態でシステム全体の消費電力も測定してみた。横並びで比較できるデータはないものの、参考としては、性能面の比較で利用したCore i7-720QM(1.6GHz/最大2.8GHz)搭載のVAIO F(VPCF119FJ/BI)が、アイドル時で30.8ワット、WebサイトでのFlashアニメーション再生時で50.9ワット、TMPG 4.0 Xpressによるエンコード時で102.1ワットだった。
液晶サイズや搭載GPUなどのシステム構成も測定条件も異なることを承知であえて比べてみると、中負荷時で若干の改善が見られる程度で、アイドル時や高負荷時はほとんど変わらない。かなり乱暴な比較なので、CPU自体の実力がどうこうはいえないが、外部GPUを搭載したハイパフォーマンス志向のノートPCでは、システム全体として消費電力がほとんど変わっていないのは事実だ。
もちろん、性能面の向上を考えれば電力効率という面では相当に上がっているのだが、高性能なクアッドコアCPUでも静かで低発熱といったような、ドラスティックな革新までには至っていないようだ。
もっとも、今回入手した2機種に搭載されていたCPUは据え置き型ノートPCへの搭載を前提とした現行でも最上位クラスの2モデルなので、電力効率の向上ぶんのほとんどを性能面に振り分けているのだろう。もう少し下位のCPUでは、また違った傾向が見られるかもしれない。
コストパフォーマンス抜群のエンターテインメントノートPC
今回入手した2機種の構成での直販価格は、dv7-5000が17万2200円、dv6-4000 Premiumが14万1750円となっている。高負荷時の動作音はノートPCとしては大きいものの、性能面ではこれまでのノートPCと比べて明らかに突き抜けたものを持っており、本格派の3Dゲームもプレイでき、動画のエンコードも高速に行なえるのはありがたい。
特にdv7-5000は、Core i7-2820QM(2.3GHz/最大3.4GHz)とRadeon HD 6570Mに加えて、160GバイトSSDと500GバイトHDDをどちらも搭載するぜいたくなストレージ構成、17.3型ワイドの大画面を備えており、高音質な2.1chスピーカーを搭載している。これで15万円を切るのだから、かなりの買い得ではないだろうか。
さらに第2世代Core i7を搭載した構成でも、そのほかのスペックを絞り込むことで、dv7-5000は7万9800円から、dv6-4000 Premiumは6万6780円から購入でき、いずれもコストパフォーマンスが非常に高い。
シンプルな構成のハイパフォーマンスなノートPCを低予算で欲しいという人はもちろん、これまでのノートPCでは性能が少し物足りず、仕方なくデスクトップPCを利用していたというユーザーにとっても検討する価値は十分あるだろう。
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