年明けから「Sandy Bridge」に彩られた1月のアキバ:5分で分かった気になるアキバ事情(1/2 ページ)
1月初旬に登場した“Sandy Bridge”こと第2世代のCoreシリーズは、多くのショップが「予想外」と口をそろえるほどのヒットを果たし、その勢いは月末まで続いた。そう、1月末までは……。
深夜販売時点ですでに入手困難だった「Core i7-2600K」
正月休み明けのアキバで主役となったのは、Sandy Bridgeことインテルの新世代CPUだ。1月9日0時1分の販売解禁にあわせて、ドスパラ秋葉原本店とツートップ秋葉原本店が深夜販売を行ったところ、300人を超えるユーザーが集結。普段のPCパーツ系深夜販売と比べて参加店が少なく、特価品を絞ったにも関わらず、予想以上の人入りとなり、両ショップとも反響の大きさに驚いていた。
登場したのは、Core i7-2600KやCore i5-2400Sなどの7モデル。すべてクアッドコアタイプで、Core i7の2モデルはHyper-Threading技術によって8スレッド動作を可能にしている。L3キャッシュもCore i5の5モデルが6Mバイトなのに対して、Core i7は8Mバイトと大きい。TDPは、低消費電力タイプのCore i5-2400Sだけが65ワット、ほかはすべて95ワットとなっている。そして、全モデル共通で新型のGPUを内蔵しているのが特徴だ。登場時は最上位のCore i7-2600Kが3万円弱、最下位のCore i5-2300が1万7000円弱で販売されていた。
このうち、最も人気を集めたのはCore i7-2600Kだ。深夜販売の時点で売り切れが発生し、購入できなかったユーザーの一部は、早朝販売を予定しているツクモ各店やソフマップ各店などの店前に行列を作るほどだった。その人気は通常販売が始まったあとも継続し、複数のショップにまとまった数の在庫が確認できるようになるには1月末ごろまで待たなくてはならなかった。
ドスパラ秋葉原本店は1月末に「深夜販売前はある程度の数を入荷できたと思っていたのですが、予想以上の反響でした。その後も再入荷できたらその日のうちに売り切れたりと、ニーズになかなか応えられない状況が続いて、最近になってようやく、そこそこ環境がそろってきたという感じですね。まだ十分ではありませんが」と話していた。
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性能追求派に売れたP67マザーと、機能性重視派に人気のH67マザーだが……
Sandy Bridgeに対応するチップセットを搭載した「LGA1155マザー」も、1月9日0時1分にアキバで販売が始まった。チップセットは、Core i7-2600KやCore i5-2500Kのクロック倍率可変をサポートするP67と、CPU内蔵GPUやその内部にある動画トランスコード機能が有効にできるH67の2種類。初日から各社のマザーボードが計46製品も登場し、PCパーツショップのマザーボードコーナーは一気に顔ぶれが変わった。価格は1万円弱から4万円前後。
P67/H67マザーともに好調な滑り出しで、フェイス秋葉原本店は「オーバークロックを楽しみたい人やマルチGPU環境で高性能を追求する人はP67マザー、割安構成のマシンを組みたい人と、CPU内蔵の動画エンコード機能を使いたい人はH67マザーというすみ分けです。各メーカーの最上位モデルは、やはりP67マザーに集中していますが、CPUのエンコード処理性能がかなり高いのでH67マザーを購入する人も多いという印象です」と話していた。
実際に、初日から登場したギガバイトの「GA-P67A-UD7」や月末に出回ったASUSTeKの「MAXIMUS IV EXTREME」といった、高付加価値のついたモデルはP67マザーに集中している。価格はどちらも4万円前後だった。ASRockも1月21日にオフラインイベントを開催し、同社最上位のP67マザー「Fatal1ty P67 Professional」の性能を披露するなど、各社で積極的なアピールが目立っていた。
上記のように、1月は新CPUの人気とともに好調ぶりを維持していたP67/H67マザーだが、日本時間の2月1日にインテルからハードウェアの不具合が発表され、2月初旬現在は全モデルが販売停止となっている。
各メーカーやショップはすでに購入した人に向けて具体的なサポートを随時表明中だ。某ショップは「せっかく自作PC市場が盛り上がっていたのに、まさかの角度から強烈な冷や水が飛び出してきた感じです。まあ、仕方ないですが……」と率直な気持ちを漏らしていた。
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