薄型多機能で意外に低価格──3D対応「VALUESTAR N」の実力チェック:1台4役、さらに3Dにも対応(2/3 ページ)
プライベートルームの地デジ化は、省スペース+省電力+多機能の「地デジPC」も向いている。国内で最も売れているデスクトップPCの1つ「VALUESTAR N」の2011年夏モデルをチェックする。
3D立体視や3波デジタル放送対応のTV機能など、充実のエンターテインメント機能を装備
エンターテインメント機能の充実も本機のみどころだ。まずは3D機能。本機は偏光板(ラインバイライン)方式を用い、偏光メガネをかけて3D立体視を実現する。
この3D方式は、左目用と右目の画像/映像を1画面に合成表示(走査線ごとに交互に描写)し、偏光方式のメガネで分離することで左右の目に異なる画像/映像を見せ、立体に見えるようにするものである。1画面に左右用の画像/映像を表示するため横の解像度は半分になるが、液晶ディスプレイや3Dメガネにかかるコストが低く、大きな価格の上乗せがないメリットがある。3D立体視の入門には適しているといえる。
本機では、市販Blu-ray 3Dタイトルや3Dピクチャーなどネイティブな3Dコンテンツを視聴できるほか、従来の映像や写真、TV番組など2Dのコンテンツを3Dにリアルタイム変換して楽しむことも可能となっている。3D立体視コンテンツを楽しむアプリケーションとして「CyberLink PowerDVD 3D」が標準で付属しており、3D映像/3D写真の閲覧、2D映像/2D写真の3D変換など、現在個人的に3Dで楽しめることがひととおり楽しめる。また、BSデジタル放送やひかりTVで配信される3D番組の視聴や2D番組の3D変換視聴についても、テレビ統合アプリケーション「Smart Vision」で利用できる。
もう1つの主力機能は、やはりテレビ機能だ。地上/BS/110度CSと3種類のデジタル放送に対応したダブルチューナーを内蔵し、タイムシフト視聴や2番組同時/最大約10倍の長時間(AVC)録画に対応する。
番組の視聴/録画/再生は、同社製PCでおなじみのテレビ統合アプリケーション「SmartVision」で行う。インタフェース・機能ともに洗練されており、早期より“地デジPC”を開発してきただけはある。離れた位置からのリモコン操作に適した「フルスクリーン」、マウスで操作しやすい「ノーマル」、データ放送視聴向けの「アドバンスト」、ながら見に適した「スリム」と4種類のモードを用意し、リモコンでもマウスでも使いやすくできている。
1600×900ドット表示に対応した液晶ディスプレイ、YAMAHA製高品質スピーカーを内蔵
液晶ディスプレイは20型ワイドで、机上で使うには手ごろなサイズのものを採用する。「スーパーシャインビューLED液晶」と呼ぶ光沢仕上げのパネルと、省電力性に優れるLEDバックライトを採用する。画面の表示解像度は1600×900ドットで、前述の通り偏光板方式の3D立体視に対応する。
光沢仕上げのため周囲の照明や外光は映り込みやすいが、その反射具合は真っ黒の画面でも少しぼやけて映るよう比較的マイルドに押さえられている。輝度も十分な高さがあり、視野角も実用十分な広さが確保されており、表示品質は良好だ。
一方、表示解像度は1600×900ドットのため、1920×1080ドットのフルHD解像度に慣れた目だとデスクトップ画面は多少狭く感じ、フルHD解像度で収録されているBlu-ray Discコンテンツなどはドットバイドット表示では見られない。とはいえ、デジタル放送については言われなければ気がつかず、気にならないと思われ、かつ20型ワイドの手ごろなサイズを考えるとPC操作もこのくらいのほうが文字が見やすく、使いやすいというユーザーも多いと思われる。
ディスプレイの下には、独自の低音再生技術「FR-Port」を導入した3ワット+3ワットの高品位志向のスピーカー“YAMAHAサウンドシステム”を内蔵する。Wavesの音響処理・高音質化技術「Maxx Audio」にも対応する。
NECでは本機をテレビ、Blu-rayレコーダー、PCの3役に、さらにオーディオを加えた4役を1台にまとめているアピールしている。あえてオーディオ機能も加えているところに搭載スピーカーに対する自信のほどが伺えるが、実際に試用した印象としてもヌケのよいクリアな中高音としっかりと響く低音を両立しており、液晶一体型デスクトップPCのサウンドシステムとしてはかなりのハイレベルにあると感じた。
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