「芸術の秋」っていうし、絵でも描こうぜ――10万円で始めるお絵かきマシン:ショップのダメ出し!(4/4 ページ)
うだるような残暑も終わり、季節は秋。今回は“芸術の秋”ということで、漫画やイラスト制作の入門用マシンの構成を考え、フェイス秋葉原本店の佐々木氏にダメ出しをもらいにいった。
グラフィックス入門者はソフト付属のものがベター
周辺機器へのダメ出しとして、まずペンタブレットをPTB-S1BKからワコムの「CTH-670/K2」に。佐々木氏は「PCで絵を描くとなると、ペンタブレットはほぼ必須です。そして入門者には、ハードだけではなくソフトも必要です。ただ、描画ソフトは別途購入すると高価ですし、種類も多くて選ぶのも大変なんですよね」と話す。
続けて「そこで、ワコム“Bambooシリーズ”のペンタブレットを選びました。ワコムはペンタブレットのメーカーとしても定番ですし、何よりこのシリーズの一部製品には画像描画ソフトがバンドルされるものがあるのです。今回は漫画用として『COMIC STUDIO mini』がついてくるCTH-670/K2をチョイスしました。これならソフトをあれこれ選ばず、すぐに描き始めることができるのでオススメですよ」とコメント。
そして最後はディスプレイだ。RDT233WLXから、価格が1万円ほどやすいLG電子の「IPS226V-PN」に変更された。佐々木氏は「IPS液晶で、解像度がフルHD(1920×1080ピクセル)をサポートするという点は意識してもいいと思います。ただ、初めたばかりの人はまず“描くこと”の楽しみを覚えたほうがいいんじゃないかなぁと。まぁ、ここら辺は人によって意見が違うと思いますが、周辺機器はPC本体と違って買い替えが容易ですし、今回は予算もあるのでIPS226V-PNを選択しました」とまとめてくれた。
ダメ出し完了――“すぐに描ける”マシンへ変化
佐々木氏よりもらったダメ出しは以上となる。ダメ出し後の構成表は以下の通り。価格は10月中旬のフェイス秋葉原本店の店舗価格を参考にしている。
画像描画や編集ソフトを使うことを想定し、メモリ回りを強化。無駄を極力省き、バランスのよい将来性のある構成となった。加えて、画像描画ソフトがバンドルされたペンタブレットを導入したことにより、本当の意味で“組んですぐ描ける自作マシン”へと変化した。
ダメ出しされた構成表(★印が変更点) | |||
---|---|---|---|
パーツ | 製品名 | メーカー | 価格 |
CPU | A8-3850 | AMD | 1万2770円 |
マザーボード★ | GA-A75M-UD2H | GIGABYTE | 1万470円 |
メモリ★ | W3U1600F-4G(OSとセット) | CFD販売 | - |
HDD★ | 0S03385 | 日立GST | 4970円 |
光学ドライブ | iHAS324-27 | LITEON | 1880円 |
グラフィックスカード | - | - | - |
PCケース★ | SST-TJ08B-E | シルバーストーン | 9970円 |
電源★ | RS450-ACAAD3-JP | クーラーマスター | 4970円 |
OS★ | Windows 7 Professional 64bit SP1 DSP版(メモリとセット) | マイクロソフト | 1万7080円 |
液晶ディスプレイ★ | IPS226V-PN | LG電子 | 1万5970円 |
スピーカー | MS-87BK | エレコム | 880円 |
キーボード/マウス | Wired Desktop 600 Black/APB-00023 | マイクロソフト | 1980円 |
ペンタブレット★ | CTH-670/K2 | ワコム | 1万8980円 |
ダメ出しを終えた佐々木氏は、予算がもう少しあればということで「今回の構成は2Dのイラストや漫画を描く用途ならば十分な構成だと思います。ただ、3Dグラフィックスを制作したくなった場合は、CPUパワーが必要となるので、CPUのラインアップが上位まで豊富なインテル系のプラットフォームを視野に入れるのもいいですね」とコメント。
加えて、「今後Adobe系のソフトを使うのであれば、作業効率の向上を考えてハードウェアアクセラレーションに対応したグラフィックスカードを挿すのもアリだと思います。あとは制作環境として、ワイヤレスのマウスやキーボードの導入。これは絵を描く時に、作業スペースを手軽に確保できるのでオススメですよ」と1歩先のアドバイスで締めくくってくれた。
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