「VAIO Z」の最新ハイエンド構成をテストする:最強の座、揺るぎなしか(3/4 ページ)
ひっそりと秋冬モデルで一部仕様をグレードアップした「VAIO Z」の直販モデル。その性能はどこまで達したのか、ハイエンドな構成で各種テストを実施した。
性能テストでは別格のパフォーマンスを発揮
今回入手したVAIO Z(VPCZ22AJ)のスペックは、Core i7-2620M、メモリ8Gバイト、Intel HD Graphics 3000+AMD Radeon HD 6650M(ドッキングステーション)、1920×1080ドット液晶、デュアルSSD(512Gバイト/RAID 0)、64ビット版Windows 7 Professional(SP1)など、VAIOオーナーメードモデルの中でもハイエンドな内容だ。この構成でベンチマークテストを実施した。
テストはノートPC単体と、ドッキングステーション接続時の両方で行っているほか、ドッキングステーション接続時には内蔵の液晶ディスプレイを利用せずにHDMIで外部ディスプレイへ出力した場合でもテストした。
というのも、ドッキング時に内蔵液晶へ表示する場合は、Radeon HD 6650MからIntel HD Graphics 3000(およびそのグラフィックスメモリであるメインメモリ)を経由して出力する仕組みになっているため、ドッキングステーションから直接外部ディスプレイに出力したほうが性能がよくなると推測されるためだ。
比較対象として、一部のテストでは、VAIO Zの店頭モデル(VPCZ219FJ/B)と、東芝のUltrabookであるdynabook R631(Core i7-2677M搭載の直販モデル)のスコアを記載している。
Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは下に掲載した画面の通りだ。プライマリハードディスクで最高値の7.9を出している。同じSSDでも、Ultrabookのdynabook R631は6.7、店頭モデルは7というスコアだったが、これらに対してはっきりしたアドバンテージを示した。また、メモリで7.5、プロセッサでも7.1をマークし、ドッキングステーション利用時にはグラフィックス系でも6.8と高いスコアを出しており、全般に弱点のない高性能を持っていることが分かる。
次はSSDのパフォーマンスを見てみよう。評価機はSerial ATA 6Gbpsに対応した第3世代のRAID 0構成、店頭モデルは第2世代のRAID 0構成だが、第3世代のメリットは一目瞭然(りょうぜん)だ。シーケンシャルのリード/ライトが大幅に向上しているだけでなく、4Kのリード/ライトも格段に高速になっており、インタフェースだけでなくコントローラ自体が大幅に改良されている。
Ultrabookのdynabook R631もSSDを採用しているが、第2世代のRAID 0にも遠くおよばない。どちらかといえば廉価版に近いSSDを単体で利用しているため、仕方がないところだろう。ひとくちにSSDといってもこれだけの違いがあるということは、頭に入れておいて損はないだろう。
さて、実際のアプリケーションを利用して日常操作をシミュレートするPCMark 7ではドッキングステーションなしのほうがよいスコアとなった。Computation Scoreで大きな差が付いているのは、このテストにIntel HD Graphics 3000/2000に最適化された処理が含まれているためで、一般用途での快適さを反映しているとはいえない。ドックなしでは同じIntel HD Graphics 3000を利用するUltrabookに対して、総合スコアで32%も上回るスコアをマークしている。
PCMark Vantageではドッキング時のほうが若干スコアがよい。店頭モデルはUltrabookに近いスコアだが、評価機ではそれを40%以上も上回る高いスコアをマークした。
3Dグラフィックス系のベンチマークテストでは、ドッキングステーションに内蔵された外部GPUの威力がはっきり出た。3DMark06では75%、3DMark Vantage(Performance)では100%、3DMark Vantage(Entry)では44%、MHFベンチマーク(絆)では103%、ストリートファイターIVベンチマーク(標準設定)では79%と、それぞれドッキング時のほうがスコアが高い。ドッキングなしでも、Ultrabookとの比較では、1割程度上回るスコアになっている。
なお、ドッキングステーションから外部ディスプレイへ出力した場合は、内蔵液晶ディスプレイよりも全般にスコアがよくなっている。最も差が大きかったのはストリートファイターIVベンチマーク(標準設定)で、約36%もスコアが高くなっった。3Dパフォーマンスにこだわるならば、試してみる価値はあるだろう。
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