「ソリューションを提供する工場を目指す」──出荷式で見えた神戸工場の“将来”:Made in KOBEの今後にも乞うご期待(2/2 ページ)
2012年2月24日発売予定の「Let'snote SX1」シリーズ量産機が神戸工場から出荷した。その記念イベントでは、神戸工場が目指す“将来像”が紹介された。
目指すのは、“一品一様カスタマイズ”なソリューション拠点
清水氏は、神戸工場のこれまでの進化として、「一貫生産によるものづくり」を実現するために、生産ラインをネットワークで結んで生産効率をチェックする「KISSシステム」や、全世界規模のサポートセンターで確認した修理実績や部品交換実績から不具合が発生する“予兆”を捉えて早期対応を可能にする「グローバル品質情報システム」の導入や、セル生産体制など柔軟な生産体制で実現でユーザーカスタマイズに対応する「マイレッツ倶楽部」の設立などを紹介した。
このような進化に加えて、清水氏は、神戸工場の目指す姿として「一品一様カスタマイズ お客様ダイレクトな神戸工場」を掲げる。これは、ユーザーがPCの導入を検討してから、製品寿命による廃棄、そして、次期PCの導入検討につながる“商品ライフサイクル”において、導入支援や運用保守、そして、新規PC検討における新サービスの導入などのユーザー支援を、工場のあらゆる部門のスタッフが行っていく体制だ。この体制は、原田氏や向坂氏が紹介した「アジアへの展開」の実現でも必須という。
清水氏は、このような新しい姿を実現することによって、神戸工場は「製品を提供するだけでなく、ソリューションを提供する」ことを目指すと語った。


Let'snoteシリーズとTOUGHBOOKシリーズの開発と生産において、神戸工場は“司令部”的な役割を果たしている(写真=左)。“一貫生産”と“多品種少量変量生産”への対応を進めてきた神戸工場は(写真=中央)、今後、充実したサービスによる“ソリューション”の提供を目指す。その対象は国内ユーザーだけでなく、アジアや中国で活動する日本企業のLet'snoteユーザーも日本と同じサポートを受けられるようになる(写真=右)神戸工場では、すでに「多品種少量変量生産」の実現のために導入した「工場直結の材料倉庫」「セル生産」で、ユーザーの要望に合わせた生産量の日単位変動を可能にしている。加えて、導入支援では、従来、IT推進部門が行っていたユーザーごとにハードウェア設定、ソフトウェアインストール、環境設定、セキュリティ管理を神戸工場が行い、特定ユーザーに対する運用保守も工場内で行うことで迅速な対応を可能にし、ユーザーから受けた不具合のフィードバックを量産工程、開発、品質管理の各過程で短時間で反映できるようになると、清水氏は説明した。


セル生産方式、工場直結の部材管理(写真=左)、KISSをはじめとする品質管理システムなど(写真=中央)、「多品種少量変量生産」を実現すべく進化してきた神戸工場は、“一品一様カスタマイズ”のために、導入支援や特定ユーザー向けの保守運用サービスなどのユーザーサポートも充実させていく(写真=右)

神戸工場の出荷式では、Let'snoteシリーズの法人向け販売を担当するパナソニックシステムソリューションズジャパン 代表取締役社長の岩佐次夫氏から「Let'snoteを海外で活躍する日本の企業の武器となるようにがんばりたい」と挨拶があった。パナソニックAVCネットワークス社ビジネスソリューション事業グループ ITプロダクツビジネスユニットの幹部が自ら積み込んだ神戸工場生産の1号機から5号機をはじめとする(写真=中央)、Let'snote SX1の量販モデルを満載した3台の搬出用トラックが神戸工場の正門から出発した(写真=右)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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