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IdeaCentre A720で“水平ディスプレイ”の使い勝手を考えた見た目で驚く液晶一体型PC(1/3 ページ)

1月の2012 CESで登場した液晶一体型PCで、世界が注目した「水平に倒れる液晶ディスプレイ」は、見た目のインパクトこそすごいけれど、実用的にはどう?

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27型ワイド液晶ディスプレイが水平に倒れます

27型ワイド液晶ディスプレイを採用した液晶一体型PCの「IdeaCentre A720」。システムボードなどPC本体はスタンドのベース部分に収容する

 IdeaCentre A720は、液晶ディスプレイとPC本体が一体になった、いわゆる液晶一体型PCだ。その姿は、27型ワイド液晶ディスプレイが、ドンと据え置いているのに等しい。ボディのパネルはアルミニウムを採用して、マットな仕上がりで高級感がある。PC本体(システム基板やストレージデバイス、光学ドライブなど)は、ディスプレイのスタンド部分に格納する。ディスプレイ部分とスタンドを含めた本体サイズは、650(幅)×220(奥行き)×480(高さ)ミリで、重さは約11キロ。設置に要するスペースが、ほぼディスプレイ分だけで済むので、27型ワイドというサイズでも、配置できる自由度は意外と高い。特に単身者向け住宅で部屋数とスペースに制約のある場合、特に恩恵を受けるだろう。

 IPSパネルを採用したディスプレイの発色は良好で、静止画を見るにしても動画コンテンツを見るにしても満足できる画質を楽しめた。また、本体にHDIM入力を備えているので、メインで使うPCのサブディスプレイにしたり、HDDレコーダー経由でテレビ代わりにしたりといったこともできる。このように、PCの新規導入だけでなく、既存環境への組み込みも配慮している点は評価したい。

 液晶ディスプレイ部分の形状はフルフラットで、厚さは約18ミリと薄い。パネルにはグレア加工を施している。液晶ディスプレイ部分とスタンドをつなぐアームは、左右の首振りに対応していないが、上下の可動域が広い。ディスプレイ面を完全に天井を向けた状態で“テーブルPC”のように扱ったりできる。液晶ディスプレイ部分を動かすときには、ほとんど力もいらず、スッと動くので使いやすい。

液晶ディスプレイは、水平まで倒せる。この状態でテーブルPCのように利用することもできる(写真=左)。液晶ディスプレイは解像度が1920×1080ドット。IPSパネルを採用してパネル表面はグレア加工を施している(写真=右)

 IdeaCentre A720のスタンドは、2カ所で角度を変えられる。2カ所の可動部は連動しており、それぞれを独立して変更できない。そのため、角度とディスプレイの位置の関係もほぼ固定で、“ディスプレイを手前に出す”“ディスプレイを奥に引っ込める”という設定はできなくなっている。

 また、液晶ディスプレイを立てた状態で使用する分には省スペースだが、水平に倒して利用することを前提とするならば、液晶ディスプレイのサイズだけ設置場所を確保する必要がある。さらに、水平にした状態でどのように使うのかも考えてIdeaCentre A720を設置しておきたい。220ミリという奥行きを生かして、普段は壁際に設置して、みんなで使う水平状態にしたときだけリビングのテーブルに移動しようとしても、本体が約11キロとなかなか気軽に動かせる重さではない。

液晶ディスプレイは−5度から90度まで角度を変更できる。可動部は2カ所あるが、それぞれが連動しており、独立して角度を変更できない

 液晶ディスプレイを水平に倒せる液晶一体型PCは、レノボ以外にもAcerなどが発表しているが、多人数参加のゲーム以外では、アプリケーションを含めて具体的な利用シーンを提案するまでにいたっていない。水平になったディスプレイを複数のユーザーが取り囲んで使って意味のある利用目的とそのためのアプリケーション(テーブルを囲むすべてのユーザーが同じように使えるように、上下左右が関係ないユーザーインタフェースなどを導入する必要がある)が登場して、ようやく有効な機能としてユーザーに利用してもらえるのではないだろうか。

 標準で無線接続のマウスとキーボードが付属する。マウスは卵形状に近く、独自ボタンもない扱いやすいので、そのまま使用しても不都合はない。一方、キーボードは、デザインを本体と統一しているものの、レイアウト、キーを押したときの感触などに独特の“クセ”があるので、慣れるまで時間がかかる。慣れる前に、デスクトップPC用のキーボードを別途導入するのも解決策としては速いかもしれない。

 フルサイズキーボードではなく、ノートPCのIdeaPadシリーズに似たキーレイアウトになっている。Enterキーは縦に細く、その右隣は「Home」「End」「PgUp」「PgDn」キーが並ぶ。評価担当者は慣れるのに時間がかかり、最終的には、普段から使用しているキーボードを導入して操作していた。

ワイヤレス接続のキーボードとマウスが標準で付属する。マウスの使い勝手は特に問題を感じなかったが、キーボードはレイアウトが独特であるためか、慣れるまで時間がかかった

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