レビュー
見落としがちな基礎体力、「Sony Tablet S」の音に注目しよう:野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(2/2 ページ)
ユニークなデザインやAV機器との連携動作など、さまざまな特長を持つ「Sony Tablet S」。今回はちょっと趣を変え、見落とされがちな本体のサウンドクオリティーにフォーカスしてみよう。
高級イヤフォンを使いたくなる音
肝心のサウンドはというと、これがなかなかにレベルが高い。まずイヤフォン出力に関しては、ウォークマンとイコールとまではいかないが、あまたあるタブレット製品のなかではかなりの優良さを誇っている。ポイントは、S/Nの良さと音数の多さ。ノイズ感が(一般的なタブレット製品に比べて)格段に低いため、ディテールが細部までしっかりと感じ取られるし、おかけで音楽が抑揚高く、ダイナミックにも聴こえる。このクオリティーを持ち合わせていれば、高級イヤフォンを使う価値も十分にある。Xperiaを卑下するわけではないが、携帯電話系とは一線を画す「音質のソニー」の面目躍如といえるサウンドだ。
いっぽうで、DLNA再生もなかなかのレベルだった。こちらはイヤフォン出力ほどの差があるわけではないが、少なくともiPadとの比較では、ざわつき感のない、よりピュアなイメージのサウンドとなってくれた。もっとも、こちらは音質にこだわる人が気にするレベルの差であること、使い勝手に関してはいまだAirPlayに一日の長があることなどもあって、DLNA再生のクオリティーを理由にわざわざ“買い換える”ほどまでの必要性は感じない。逆にいえば、手軽なヘッドフォン出力をメインに使うケースでは、Sシリーズはとても魅力的な製品といえる。
音質評価 | Sony Tablet S(ヘッドフォン出力) |
---|---|
解像度感 | (粗い−−○−−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−−○−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−−−○フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−−○−−質感重視) |
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