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「iPad mini」と「iPad Retinaディスプレイモデル」の表示品質を測色器でチェック違いは解像度だけじゃない(2/2 ページ)

“感覚的”に評価されることが多いアップルの製品だが、ここでは「iPad mini」と「iPad Retinaディスプレイモデル」の液晶ディスプレイの品質を、測定器による数値で見ていこう。

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第4世代iPadはほぼsRGB相当をカバー、iPad miniは第2世代に近い傾向

 次に、i1Profilerで作成したICCプロファイル(輝度120〜125カンデラ/平方メートルの値)をOS XのColorSyncユーティリティで表示し、iPad miniと第4世代iPadの色域をsRGBと比べてみた。色がついている部分は、各iPadで再現できる色の範囲、グレーの部分がsRGBの範囲だ。また、参考としてAdobe RGBとの比較や、以前検証した第2世代iPadと第3世代iPadの結果も一部掲載している。

iPad miniとsRGBを比較:i1Proで作成したiPad miniのICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで読み込んだ結果(グレーで重ねて表示している色域はsRGB)。全体的にsRGBより色域は狭い。ただし、青の領域で一部、sRGBの再現域を上回っている

第4世代iPadとsRGBを比較:i1Proで作成した第4世代iPadのICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで読み込んだ結果(グレーで重ねて表示している色域はsRGB)。sRGBの色域に近いが、全体的に一回り狭い。一方、青から紫にかけた再現域は一部で飛び出ている部分もある

第4世代iPadとiPad miniの比較:i1Proで作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで読み込んだ結果(グレーで重ねて表示している色域は第4世代iPad)。sRGBに近い第4世代iPadがiPad miniを大きく上回っているのが分かる

参考:左がAdobe RGBとiPad miniの比較。右がAdobe RGBと第4世代iPadの比較。iPad miniはAdobe RGBの色域には遠く及ばない。第4世代iPadもタブレットとしてはまずまずの色域だが、Adobe RGBに比べればさすがに差は目立つ

参考:左は以前測定したiPad 2とsRGBの比較、右が第3世代iPadとsRGBの比較だ。iPad miniは第2世代iPadの色域に、第4世代iPadは第3世代iPadの色域に似た傾向を持っている。ただ、今回テストした機体では第4世代iPadは第3世代に比べて若干色域が狭くなったようだ

モノクログラデーションパターンの表示:左がiPad mini、右が第4世代iPad。色温度は6700K〜6800Kで、第3世代iPadで言われた「黄色い」という印象はない

カラーグラデーションパターンの表示:左がiPad mini、右が第4世代iPad。sRGBに近い第4世代iPadの色域の広さが目視でも分かる

 第4世代iPadとiPad miniを比べると、sRGBに近い第4世代の色域が大きく上回った。iPad miniが第2世代の傾向を引き継ぐ一方、第4世代iPadは第3世代iPad(新しいiPad)に近く、空などの写真を読み込んだ際により深みのある表示が期待できる。

 ただし、今回評価した機体に限れば、第4世代と第3世代を比べると、緑から黄色にかけての色域が狭まっていることも見て取れる。すでに第3世代iPadを持っているユーザーで現時点での処理性能に不満がないのであれば、第4世代に買い替える積極的な動機はないかもしれない。もちろん、液晶パネルの違いやメーカーの違いによる個体差の可能性もあるのだが。

 いずれにしても、9.7型iPadと7.9型iPadでは、解像度だけでなく色再現性でも大きく開きがあることが分かった。片手で持てるiPad miniの軽量ボディはモバイルで書籍などを読む際に便利だが、一方で写真集や図鑑などをゆったりと眺めたいときは、第4世代iPadのほうが向いている。カバンの中にはiPad mini、リビングのソファ脇には第4世代iPadと、使い分けるのがよさそうだ。

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