人生の瞬間を丸ごと切り取っておける
今回は1000円という価格で気軽に買えて、最初からiPhoneをサポートしていたハコスコをメインにソフトを紹介していこう。

ハコスコは、スマートフォンのサイズに合わせて主に3種類のサイズを用意している。両目用に2つレンズがあるのではなく、1枚のフィルターで遠近感をつけるタイプだが、ハコで視界がさえぎられる効果もあって意外と映像の中に入っている感覚が高まる。右下には穴が開いており、指を入れて画面をタッチして操作可能だ筆者が最もオススメしたいのは、360度の写真/動画を見る用途になる。
例えば、旅先の巨大建造物を撮っておき、あとから真下から見上げて迫力を実感できるというのは360度ならではの大きなメリットだ。日常や記念日を360度で記録し、後日、カメラがあった場所と同じところで再生して「あー、あのときはこんなだったなぁ」と過去にタイムスリップする使い方もアリだろう。
撮影は、「THETA」(シータ)や「SP360」などの360度カメラを利用するのが最も手っ取り早い。iPhoneアプリから遠隔操作できるので、例えば一脚に立てておき、自分は物陰に隠れてシャッターを切るといった撮影も可能だ。
360度写真なら別途カメラを買わなくても、Googleの「Photo Sphere Camera」などのアプリを使って何十枚も撮影したカットから合成できる。静止画の閲覧にはハコスコの純正アプリを利用。動画は、MacのiTunesから「Kolor Eyes」に転送して見るといい。

THETAは3万2000円ほどで買える最も安価な360度カメラ。2世代目の「THETA m15」でフルHD/15fpsの動画も撮れるようになった。SP360は下方を除く360×214度/フルHD/30fpsで撮影できるアクションカメラ。実売価格で4万4000円ぐらい*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

iPhoneアプリからTHETAのシャッターを切る場合は、ホワイトバランスやISO感度、露出を調節できる(画面=左)。またリモート撮影した写真はその場でTHETAからデータが転送されるので、確認後に右上の「編集」を押して「カメラロールに保存」を選ぼう(画面=右)。
Photo Sphere Cameraではまず中央で1枚撮影。その周囲に現れる●に中央の○を重ねて数十枚撮っていき、全周囲を撮ると360度写真が完成する。解像度は10240×5120ピクセルとかなり精細だ。撮影者が動くのではなく、端末を回して撮るのがずれのない写真を作るコツになる
THETAのアプリは、端末の移動に合わせて360度写真の表示位置を変えるビューに対応していない。そこで「ハコスコ」アプリを起動し、「パノラマ追加」ボタンを押してカメラロールに保存した360度写真を取り込んで見ようハコスコアプリでは各種チャンネルを用意しており、ライブや風景などの360度コンテンツをダウンロード可能だ。そのほかのVRコンテンツは、今の所iOSよりAndroidのほうが多かったりするが、例えば「ゆにらいぶ! for Unity Chan」や「Hiyoshi Jump」などOculus向けから移植されたものが体験できる。

ゆにらいぶ!では、アプリ開発エンジン「Unity」のキャラクターである「ユニティちゃん」がプライベートライブのように目の前で踊ってくれる様子を楽しめる。起動画面で上段中央をタップすると、ハコスコの表示モードで再生される。作者はSeita Karino氏現段階ではモバイルVRHMDも360度カメラも、VRコンテンツも「夜明け前」という感じだが、Kickstarterやインディーズ開発者の動きを見ていると、来年、再来年あたりに大きな波が来そうな印象だ。この2月、アップルがスマートフォンを使ったHMDの特許を取得していたことが話題になったが、今後、同社がこの分野に参入してくる可能性もある。ガジェット好きなら、この盛り上がりに今から参加して「未来きた!」という楽しさを実感してみよう。
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