「LaVie Hybrid ZERO HZ550/AAB」の軽さにまたしても驚く:これぞLaVie Zの直系(3/3 ページ)
LaVie Hybrid ZEROには、2in1モデルのほかに軽量重視のクラムシェルモデルがある。実機を持ってその軽さに驚くのはいつものことだが、さてその実力は?
薄くて軽いクラムシェル限定LaVie Hybrid ZEROの処理能力を測定する
それでは、ベンチマークテストでHZ550/AABの処理能力を見ていこう。今回は参考までにレビューで紹介した、上位モデル「LaVie Hybrid ZERO HZ750/AAB」(以下HZ750/AAB)の数値と比較した。価格を抑えるためにCore i5-5200Uとシステムメモリ4Gバイトの構成を選んだ場合、上位モデルとどれぐらい性能が異なるのかの参考になるだろう。
製品名 | HZ550/AAB | HZ750/AA |
---|---|---|
CPU | Core i7-5200U | Core i7-5500U |
システムメモリ | 4GB(LPDDR3 SDRAM、最大4GB) | 8GB(LPDDR3 SDRAM、最大8GB) |
グラフィックスメモリ | 最大2007MB(メインメモリと共用) | 最大3839MB(メインメモリと共用) |
重さ | 約779グラム(内蔵バッテリパック含む) | 約926グラム(内蔵バッテリパック含む) |
バッテリー駆動時間 | 約5.9時間 | 約9.0時間 |
まず「WIN SCORE SHARE」を使って、「Windowsエクスペリエンスインデックス」の結果を確認する。「プロセッサ」が7.3、「メモリ」が5.9、「グラフィックス」が4.6、「ゲーム用グラフィックス」が5.0、「プライマリディスク」が7.9で、総合評価は4.6となった。
次にCPU性能を測る「CINEBENCH R15」、PCの総合性能を計測する「PCMark 8」、グラフィックス性能を見る「3DMark」「FINAL FANTASY XIV A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編」の結果を示したのが以下の表だ。
製品名 | HZ550/AAB | HZ750/AAB | |
---|---|---|---|
★50★WIN SCORE SHARE 2.00 | プロセッサ | 7.3 | 7.4 |
メモリ(RAM) | 5.9 | 7.5 | |
グラフィックス | 4.6 | 5.9 | |
ゲーム用グラフィックス | 5 | 5.9 | |
プライマリディスク | 7.9 | 7.6 | |
総合 | 4.6 | 5.9 | |
CINEBENCH R15 | OpenGL(fps) | 21.00 | 30.69 |
CPU(cb) | 254 | 293 | |
PCMark 8(2.3.293) | Home | 2418 | 2728 |
Creative | 3033 | 3439 | |
Work | 3320 | 3623 | |
Storage | 4901 | 4901 | |
3DMark(1.4.828) | Fire Strike | 568 | 746 |
Fire Strike Graphics | 608 | 800 | |
Fire Strike Physics | 4032 | 4881 | |
Fire Strike Combined | 205 | 269 | |
Sky Diver | 2343 | 2769 | |
Sky Diver Graphics | 2256 | 2599 | |
Sky Diver Physics | 3084 | 4503 | |
Sky Diver Combined | 2190 | 2550 | |
Cloud Gate | 4182 | 5354 | |
Cloud Gate Graphics | 4855 | 6419 | |
Cloud Gate Physics | 2816 | 3388 | |
Ice Storm | 34701 | 49214 | |
Ice Storm Graphics | 36164 | 52186 | |
Ice Storm Physics | 30398 | 41035 | |
FINAL FANTASY XIV A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編(6.2 ビルド9200) | 1920×1080最高品質 | 631(動作困難) | 946(動作困難) |
1920×1080高品質(ノートPC) | 790(動作困難) | 1236(設定変更が必要) | |
1920×1080標準品質(ノートPC) | 1308(設定変更が必要) | 2090(普通) | |
1280×720最高品質 | 1281(設定変更が必要) | 1852(設定変更を推奨) | |
1280×720高品質(ノートPC) | 1569(設定変更を推奨) | 2379(普通) | |
1280×720標準品質(ノートPC) | 2512(やや快適) | 3808(快適) | |
CRYSTAL DISKMARK 3.03(1000Mバイト) | シーケンシャルリード | 494.6 | 491.4 |
シーケンシャルライト | 124.0 | 141.1 | |
ランダム512Kリード | 394.5 | 394.5 | |
ランダム512Kライト | 124.4 | 141.7 | |
ランダム4Kリード | 28.45 | 27.90 | |
ランダム4Kライト | 88.14 | 91.33 | |
4K QD32リード | 316.8 | 332.4 | |
4K QD32ライト | 124.8 | 140.9 |
グラフィックス機能は両機種ともCPUに統合した「Intel HD Graphics 5500」を使用している。やはりCPUの動作クロックとメモリ容量の違いもあって、CPU性能やグラフィック系の処理となると、HZ550/AABは低めの結果となる。
ただ、800グラムを切る軽さが最重要項目の本機は、携帯用途がメインであり、3Dゲームが快適に動くか否かを重視するユーザーは多くはないはずだ。ドキュメントやプレゼンテーション資料の作成といったオフィス用途、インターネットを利用したコミュニケーションや情報収集で特に不満が出ることはない。
ディスク性能を示す「Crystal Disk Mark 3.0.3」の結果では、搭載ストレージがSSDということもあって、十分な速度を発揮している。SSDの容量は128Gバイトで、WindowsのCドライブとしてシステムから認識できるのは約102Gバイト。評価機材では空き容量が約72Gバイトとなっていた。
携帯用途ということで気になるのが実質的なバッテリー駆動時間だ。カタログスペックは「5.9時間」だが、バッテリーベンチマークテストである「bbench 1.01」(海人氏作)を使って、実使用でのバッテリー駆動時間を検証してみた。検証時の条件は、電源プランを「バランス」、ディスプレイの輝度を40%、無線LAN接続とBluetoothは有効にして「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」で実行。WebブラウザはIneternet Exprolorer 11で、タブブラウズはオフにしている。
この状態で、満充電からバッテリー残量5%になって休止状態に入るまでの時間を計測したところ、「5間37分42秒」という結果が出た。おおむねカタログスペック通りといえる。こちらも上位モデルのHZ750/AAと比べると短いが、HZ550/AABの軽さはバッテリー容量を減らしたことで実現しているので、ユーザーは本隊の重さとバッテリー駆動時間のトレードオフでどちらのモデルを選ぶのかを判断することになるだろう。
なお、Web直販のNEC Directでは、税別1万円プラスで大容量バッテリーを搭載した構成を選択できる。この構成でバッテリー駆動時間は公称値で約9時間、本体の重さは約850グラムになる。
とにかく手軽に持ち運べるキーボード入力重視ユーザーに適したLaVie Zの跡継ぎ
HZ550/AABで目立つのはその圧倒的な軽さだ。CPUやグラフィックスなどのパフォーマンス面は、Core i7-5500Uを搭載した上位モデルと比べるとやや弱い部分もあるが、用途を考えれば、購入をやめるほどの致命的な問題ではない。2015年4月におけるNEC Direct価格は最小構成で税別14万6800円だ。
なお、NEC DirectでCPUにCore i7-5500U(2.4GHz/最大3GHz、2コア4スレッド、3次キャッシュメモリ 4Mバイト)、システムメモリ8Gバイトの構成を選んだ場合、【4月9日15時まで】のキャンペーン価格で税別16万3800円になる
本製品はビジネスを中心としたモバイルユーザーにこそ適しているといえそうだ。タッチパネルはないものの、キーボードがしっかりしているので、テキスト入力を重視したい場合には最適なノートPCとなるだろう。
取り外しキーボードや画面回転などといった派手なギミックはない。しかし、モバイルノートPCとして余分な部分はギリギリまでそぎ落とし、ディスプレイのサイズやキーボードなどのPCとして作業効率に影響する部分は必要なスペックを確保している。まさに、LaVie Zで培ってきたモバイルノートPCのノウハウをすべて受け継いだ安心の1台といえる。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
関連キーワード
LaVie | NEC(日本電気) | LaVie Hybrid | LaVie Hybrid ZERO | ノートPC | LaVie Z | ノングレア | Broadwell | IGZO
関連記事
- 見たらきっと欲しくなる!360度開く2in1 PC「LaVie Hybrid ZERO HZ750/AA」
あるときはクラムシェル型ノート、またあるときはタブレット。そんな13.3型 2in1 PCが“LaVie Zの後継”として登場した。薄さと軽さと多様性で話題の実力は? - 「LaVie Hybrid ZERO」の実機を持って軽さに驚く
新生LaVieとして登場した「LaVie Hybrid」シリーズ。その「ZERO」「Advance」「Frista」の姿を発表会会場から報告する。 - 業界競争に縛られた発想からユーザーの課題解決を第一に考えた発想へ──NEC、製品説明会で“新生”LaVie宣言
NECが2015年春モデルとして発表した新モデルは、名称を一新しただけでなく、フリースタイルPCや軽量薄型の2in1に大画面2in1と新しいアイデアに満ちている。そのNECの新時代を語った。 - 「ZはZEROに」名称一新! “第5世代”CPUに“2in1”モデルなど新シリーズ一斉登場──NEC「LaVie」春モデルの見どころ
NECのPCが「LaVie」に統一。人気のLaVie Zは「LaVie Hybrid ZERO」と名称を一新して、2in1モデルも登場。一気に攻勢をかけてきたNEC春モデルの見どころをチェックする。 - 世界が驚く! 360度開くディスプレイで2in1となった新生“Z”──「LaVie Hybrid ZERO」
薄型軽量のLaVie Zが2in1モデルを加えて「ZERO」に一新。2560×1440ピクセルの高解像度IGZOディスプレイに最軽量ボディを継承しつつ、第5世代CPUで性能も向上した。 - 次期LaVie Zの実機でディスプレイを360度開いてみた
NECが開発表明をした“YOGAのような”LaVie Zの実機が米国ラスベガスで登場した。実機を触って分かった情報を現地から速報する。 - NEC、ディスプレイが360度開く“YOGA的”「LaVie Z」を2015 CESで公開
2015 CESのLenovoブースにて、まだ発表されていない「LaVie Z」の2モデルが公開される。CPUを“Broadwell”こと第5世代Coreに強化しつつ、従来同様のクラムシェルノートに加えて、ディスプレイが回転する2in1モデルも登場する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.