WiMAX 2+の速度制限はどうなの? 携帯各社はSIMロック解除義務化目前に「駆け込み値上げ」:ルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」(2/2 ページ)
「速度制限、容量制限なし」がウリとなっていたWiMAXだが、WiMAX 2+を対象に通信速度制限を開始した。では実際の速度制限はどの程度厳しいのか? チェックしてみた。
MVNO各社がデータ増量 「1000円で月間3Gバイト」が相場に
IIJmio、NifMo、OCN モバイル ONE、楽天モバイルなどMVNO各社は4月から、料金プランの値下げや利用可能なデータ通信量の増量を発表した。従来は「1000円で月間2GBバイト」だった料金の相場が、4月は「1000円で月間3Gバイト」と同じ金額で使えるデータ容量が増加している。
利用可能なデータ容量が増えるのはユーザーにとって当然大きなメリットだが、ここで忘れてならないのは、結果としてデータ通信を行う利用者が増え、通信速度が低下してしまう恐れがある点だ。
少々乱暴な言い方をすれば、データ通信の実効速度を度外視すれば「月額1000円でデータ通信量無制限」というプランを提供することも難しくない。各社のデータ増量を手放しで喜ぶのではなく、通信容量の増加でどんな影響ができるのか、実効速度はどの程度変化するのかをしっかり見極める必要があるだろう。
これはMVNOに限った話ではないが、総務省は2015年度よりスマートフォンの通信速度を規格上の理論値(下り最大225Mbpsなど)ではなく、実測値での広告表示を義務付ける方針であると報道されている。通信規格ごとに定められた技術的な最大速度ではなく、「実際の通信速度」がどの程度になるのかが分かりやすくなることに期待したい。
SIMロック解除義務化が目前、違約金などで転出を防止
総務省は5月中に義務化するSIMロック解除について、「利用者の求めに応じて迅速、容易かつ利用者の負担なく解除に応じることが適当」としており、基本的にSIMロックの解除自体は無料で提供されることが期待できる。
しかしSIMロック解除以外の各種手数料を値上げすることは禁止されていないため、例えば番号ポータビリティ(MNP)で他社に乗り換えるする際の手数料や、定期契約の期間中に解約した場合の契約解除料を値上げするなどについては、総務省の定める「SIMロック解除ガイドライン」では規定されていない。SIMロック解除の義務化を前に、さまざまな「囲い込み施策」が始まっている。
例えば、一部機種を対象に端末代を大幅に割り引く「端末購入サポート」を提供しているドコモでは、購入から6カ月以内の機種変更、パケット定額プランの解約を行った場合に、割引金額の半額がペナルティとして発生するようになった。他社でも、各種キャンペーンを適用して端末代や月額料金を割り引きした場合、短期間で解約すると従来よりも多額の違約金が請求される傾向がみられる。
これは大手キャリアに限った話ではない。MVNOのワイヤレスゲートが4月28日に開始する音声通話対応のプランは、契約期間のしばりなし、契約解除に伴う違約金なしとアピールする一方、MNP転出時の手数料を1万1000円と高額に設定した。
こうした囲い込み施策がある以上、SIMロック解除が義務化されても「好きなスマホと条件が有利な通信事業者を組み合わせて月額料金を安くする」という恩恵を受けられる利用者は、実際にはそれほど多くはないだろう。
料金面以外にも、SIMロックを解除したスマートフォンやタブレットなどが、各社のネットワークで問題なく利用できるかどうかは、端末を販売する事業者側も、ネットワークを提供する通信事業者側もサポートできない事態が考えられる。現状ではユーザーが、「どの機種でどの会社のネットワークが使えるか」という点を、各社が公開する動作確認済み端末リストなどでしっかり確認する必要がある。
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