新世代ブラウザ戦争 「Edge」登場も「Chrome」はシェア1位へ:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(3/3 ページ)
PC向けWebブラウザで長年シェア1位を守ってきた「IE」だが、ついにその王座を「Chrome」に明け渡した。「Edge」は微増しているが、その影響力はまだ小さい。
ブラウザの中心がChromeになることで起こる変化
これは、Edgeの利用を広げようとするMicrosoftには非常に困った現象だ。「拡張機能(Extensions)」に見られるように、現在のEdgeは完全にChromeの後追いのような動きになっている。またChromeを一度利用したユーザーは操作環境を維持するために同じ製品を使い続ける傾向が強くなり、デフォルトブラウザという理由だけでEdgeが優位を勝ち取るのは難しい。
EdgeがChromeからユーザーを奪い取るためには、パフォーマンスや省メモリなどの面でよほどChromeに対して優位性があるか、あるいはEdgeならではの便利な独自機能が高く評価される必要がある。
つまり、事実上のブラウザにおけるトレンドリーダーの地位はChromeに移っており、それを崩すのは容易ではない。Chromeのシェアがトップに踊り出たことで、Googleの意志決定における発言力はさらに強くなると予想される。
例えばGoogleは2016年第4四半期をターゲットに、ChromeでのFlashコンテンツ再生をデフォルトで無効化すると通知している。ホワイトリストを作成して、FacebookやYouTubeなど10のサイトでのFlashの再生を例外的に認めるものの、これも時間限定の措置であり、遠からずFlash無効化がWebブラウザの標準仕様となるはずだ。
広告配信も含め、もともとFlashの排除に熱心だったGoogleだが、これが業界全体での流れとなり、国内向けサービス(ニコニコ動画など)でいまだFlashの利用の多い日本では悩ましいものとなる。
また、コンテンツの潮流が既にPCからモバイルへと移っているという背景もある。モバイル端末ではFlashコンテンツが再生できず、さらにプラットフォームとしてはGoogleのAndroidとAppleのiOSがそのほとんどを占めている。モバイル向けのコンテンツ配信プラットフォームとしては、ChromeやSafariをターゲットとしたものが中心となっているわけで、この波がやや遅れてPCにも到来した形だ。
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