Windows 10の次期大型アップデート「RS2」は2017年3月か:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
Windows 10 Anniverdary Updateのトラブル問題も沈静化に向かい、次の注目は2017年春に公開される見込みの「Redstone 2(RS2)」に移りつつある。
2017年は春と秋にWindows 10の大型アップデート配信か
2016年8月2日に一般公開されたAnniverdary Updateは、開発コード名で「Redstone(RS)」と呼ばれる大型アップデートグループの第1弾(RS1)という位置付けだ。
この次には、既にWindows 10 Insider Previewで配信を開始している「RS2」と、うわさではあるが「RS3」の配信が続くようで、この2つが2017年の大型アップデートとみられる。時期的に考えれば、RS3の目玉がWindows Holographic対応となる可能性がある。
現在Microsoftは、Windows 10に春と秋の年2回の大型アップデートを配信する計画を立てている。アップデートの時期を明確化する理由は、それがMicrosoftの主要顧客である企業ユーザーにとって、システム導入やソフトウェア更新を行う時期の目安となることが大きい。
Windows 10は従来のWindows OSと異なり、定期的に大型アップデートを配信し、常にOSを最新状態に保つという「WaaS(Windows as a Service)」モデルを掲げている。つまり、従来のように、Windows XP、Vista、7、8といったOSのメジャーバージョンアップを行わず、Windows 10のまま大型アップデートを定期的に適用していく仕組みだ。
このWaaSモデルにおいては、ソフトウェアが最新状態であることがMicrosoftのサポート対象となる。そのため、多くの一般PCユーザーが属する「最新化モデル(Current Branch:CB)」の場合、アップデートが提供されたら直ちに適用することが望ましいとされている。
一方で管理対象となるクライアントPCが多く、業務アプリケーションの動作検証も行う必要のある企業ユーザーの場合、4カ月のアップデート猶予がある「企業向け最新化モデル(Current Branch for Business:CBB)」を選択することが可能だ。逆に言えば、このCBBを利用するためには、大型アップデートが配信される時期を把握して、システムの更新計画を立てる必要がある。
Windows 10のアップデート提供モデル。個人ユーザー向けのCB、企業向けのCBB、さらに企業向けで固定環境での利用を想定したLTSBなど、対象に応じてWindows Updateに複数のモデルが用意される
「RS2」のバージョン番号から配信月を予想
さて、2017年春の配信と予想されるRS2だが、春といっても何月になるのだろうか。
米Windows Centralは、同誌の内部情報と、リーク情報で知られるTwitterユーザー(Walking Cat)の投稿から、RS2のバージョン番号を「1703」と推測している。このバージョン番号から、RS2の登場は「2017年3月」ではないかという説が盛り上がっている状況だ。
実際、このWalking Catの投稿に返信したTero Alhonen氏は、Twitterでツール内に表示される「Windows 10 Version 1703」のスクリーンショットを紹介している。
もっとも、Anniversary Updateはバージョン番号が「1607」だが、2016年7月をターゲットとしつつ、配信が開始されたのは8月2日だった。あくまでバージョン番号と公開月の関連性は、目安程度に考えておいた方がよいだろう。
RS2の1703というバージョン番号は、Microsoftが内部的に設定しているデッドラインのようなもので、実際には3〜4月上旬くらいの配信になるかもしれない。
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