Googleが2016年10月に発表した一連のオリジナルハードウェア「Made by Google」が(米国で)出そろいました。
Googleはこれまでも、NexusやChromebookなどのオリジナルハードウェアをちょこちょこ出していましたが、社内でそれぞれのチームがばらばらに作っていて、あまりちゃんとした戦略の下で動いていない印象でした。
Made by Googleではそれを見直して、統一ロゴ「G」の下、真面目に売っていこうというやる気が少し感じられます。
ニューヨークにそのままずばり「Made by Google」というアンテナショップみたいな店舗まで作りました。Googleは過去にも何度か体験ショップみたいな一時的な実店舗を展開したことがありましたが、あまり本気は感じられませんでした。
新ショップはAppleのApple Store(みたいにおしゃれじゃないけど)のように、製品に詳しい店員の説明を聞いたり、コンサートを楽しんだりもできます。12月17日からは、Pixelの「アグリーセーター」(米国にはクリスマスにあえてだっさいセーターを着て楽しむ風習があります)を編んでもらえるイベントもやっています。
Googleは別に、ハードウェアで大もうけしようと思っているわけではありません(多分)。どちらかというと、Amazon.comのオリジナルハードウェアと同じ考え方でしょう。例えば、「Amazon Echo」や「Kindle Fire」は、それらを使ってAmazon.comで買物したり、電子書籍を買ってもらったりしてもらうための道具として売っているので、破格(多分、全然元取れていない)のお値段です。
Made by Googleも全てはGoogleのサービスを利用(して広告をクリック)してもらうための道具。Wi-Fiルーターの「Google WiFi」で快適にインターネットに接続し、スマートフォンの「Pixel」やVRヘッドセット「Daydream View」、ストリーミング端末「Chromecast」でコンテンツを楽しみ、「Google Home」で音声検索してね、ということです。
それにしても、Googleに勝算はあるのでしょうか。特に、新タイプのデバイスであるGoogle Homeは競合するAmazon Echoに勝てるのでしょうか。Googleは18年間も検索に取り組んできて、膨大なユーザーデータを溜め込んでいる点ではAmazonより有利です。でも、ちらほら出始めたGoogle Homeの海外メディアのレビューはあまり芳しくありません。
また今回ブランドは統一しましたが、Appleのように最初からハードウェアとソフトウェアを一体化して販売している企業と違い、Googleの場合は最初に全体的な戦略ありきではないため、やや寄せ集め感(そう言えば、いろんなハードウェアがばらばらにあるから統一しよっか、みたいな)が漂います。
いずれにしても、実際の製品を触ってみないことには善しあしが分からないので、Chromecast以外も早く日本でも発売してほしいです。
関連記事
- 「Google日本語入力」の変換候補が違うときに試したいこと
ユーザー履歴から学習してくれる賢い「Google日本語入力」ですが、変換候補が「それじゃない……」というときもありますよね。 - なぜGoogle翻訳は賢くなれたのか
今後は翻訳精度の向上に加えて、多言語対応も進みそうです。 - さよならNexus 14モデルの歴史を振り返る
2010年に登場した「Nexus One」から6年。Nexusブランドはその幕を閉じようとしています。 - Googleの新メッセージングアプリ「Allo」でAI(人工知能) botと会話してみた
AI botの「Googleアシスタント」と会話できるメッセージングアプリ「Google Allo」が公開されたので、早速試してみました。 - Googleの新ビデオチャットアプリ「Duo」は他と何が違うの?
超簡単に使えて便利なのですが……。 - Googleの優秀な「DQN」が大活躍
DQNといっても、あのDQNじゃないですよ。 - “iPodの父”が去ってGoogleのスマートホームはどうなる?
Googleが2014年に買収したスマートホーム企業のNest Labs。新製品が出ず、どうなっているのかと思っていたら動きがありました。 - 「OK Google」で、できるようになってほしいこと
対話だけでもっと便利に使いたいのです。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.