世界を席巻する「GAFA」 Google、Apple、Facebook、Amazonの2018年まとめ:ITはみ出しコラム(4/4 ページ)
昨今は「GAFA」とまとめて呼ばれることも多い、Google、Apple、Facebook、Amazon.com。世界を騒がせたこの4社の2018年を振り返ります。
Amazonーーいつの間にか生活に入り込み、なかったら不便な存在に
Amazonは不思議な会社です。出発点(1994年)がオンラインの書店だったことを忘れてしまいそうになります。今では、何でも欲しいものを届けてくれて、Alexaもやっている会社、というのが一般的な印象で、技術者だとそこに「AWS(Amazon Web Services)」が加わります。
私も「Amazonプライム」会員なので、Amazonで重たい洗剤や電子書籍を買い、「Amazonプライムビデオ」を見て、2台の「Echo」端末とたまに戯れます(スマートスピーカーとしての仕事はGoogle Homeの方が優秀なので、実用的には使っていません)。Amazonがなかったら、さぞかし不便だろうと思います。
Facebook同様、GAFAの中では創業者CEOの個性と思想がそのまま反映されている企業ともいえます。CEOのジェフ・ベゾス氏(54歳)は相当アグレッシブな人ですが、「顧客第一主義」を掲げているのは、ザッカーバーグ氏と大きく違う点です。どこか達観しているようなところもあります。
今は飛ぶ鳥を落とす勢いのAmazonですが、「大企業の寿命って大体30年なんで、Amazonもそのうち倒産すると思うよ。できることは、それをなるべく先に延ばすことだけ」と思っているそうです。これはCNBCが紹介した今年の2回目の全社大会での言葉です(Amazonは昔から年2回、春と秋に全社大会を開催します)。そういえば、以前にも同じようなことを言っていました。
Amazonの従業員数はこの8年で20倍の60万人になり、株価は2013年から4倍以上になりました。上記のコメントは、この急成長ぶりに不安を覚えた従業員からの質問への答えです。今年1回目のミーティングでは、独禁法などについての当局の調査が不安、という従業員に対し、「だってAmazonは大企業なんだから、調査されて当然だよ。最善の策は、日ごろから調査されたときに後ろめたくないように行動することだ」と語りました。
Amazonも顧客の情報をかなり蓄積しているはずです。Alexaでそれに拍車が掛かっていることでしょう。それでもこんなせりふが出てくるということは、Facebookのようにユーザーが知らないうちにデータを流用したりはしていない、と思っていいでしょうか。
2018年に印象に残ったAmazonの動きは、まずはレジなし店舗「Amazon Go」の一般公開です(発表は2016年)。1年で9店舗もぽこぽこ開店し、2021年までには全米に3000店舗を開くそうです。日本には、当分来ないかもしれませんが。
Alexa搭載の電子レンジもちょっと衝撃でした。モノ自体はそれほど画期的ではありませんが、「どこでもAlexa」の意気込みを感じさせる製品です。Alexaは電子レンジだけでなく、車にも載り、サードパーティーも簡単にAlexaを搭載できるようなキットを提供しています。AlexaがGoogleアシスタント並みにお利口になってくれれば、私ももっと使いたいです。
全米がAmazonの第2本社予定地選考で大騒ぎしたのは昨年9月ですが、今年になってニューヨークとアーリントンに決定しました。
そういえば、Googleもニューヨークに大きな拠点を作ります。2018年は米国のIT拠点がシリコンバレーだけではなくなっていく年でもありました。
2019年もGAFAは活躍しそうです。後輩グループのNATU(Netflix、AirBnb、Tesla、Uber)や中国勢力BATX(Baidu、Alibaba、Tencent、Xiaomi)からも目を離せません。記事を書く側としては、来年は情報漏えいやスキャンダルよりも、革新的だったり楽しかったりする話題をたくさんお届けできるといいなと思います。
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