NVIDIAの新たなミドルレンジ「GeForce GTX 1660 SUPER」を試す:スペックにだまされてはダメ(2/3 ページ)
NVIDIAは、Turing世代のRT/Tensorコア非搭載GPU、GeForce GTXのラインアップとして、新たに「GeForce GTX 1660 SUPER」および「GeForce GTX 1650 SUPER」を追加した。今回は、10月29日に販売開始されるGeForce GTX 1660 SUPERを検証してみよう。
おおむねGTX 1660 Tiと1660の間。WQHDでも問題ない性能が得られる
ここからは、ベンチマークテストでGeForce GTX 1660 SUPERのパフォーマンスを計測していく。参考までに、GeForce GTX 1660 Ti/1660/1060のデータと重ねて比較した。検証環境は以下の通りだ。
検証環境 | |
---|---|
CPU | Intel Core i9-9900K(8コア16スレッド、3.6GHz〜5.0GHz) |
マザーボード | GIGABYTE Z390 AORUS ELITE(Intel Z390)、ASRock Z390 Pro4(Intel Z390)、MSI MEG Z390 GODLIKE(Intel Z390) |
メモリ | Kingston HyperX Predator DDR4 RGB HX429C15PB3AK4/32(DDR4-2933 8GB×4) ※DDR4-2666で使用 |
グラフィックスカード | GeForce GTX 1660 SUPER(Palit)、GeForce GTX 1660 Ti、GeForce GTX 1660、GeForce RTX 1060 |
SSD | Intel Optana SSD 800p SSDPEK1W120GA01(Optane NVMe 118GB)+WesternDigital WD Black NVMe SSD WDS100T2X0C SSD1TB(3D TLC NVMe 1TB) |
電源 | NZXT E650(80PLUS Gold) |
OS | Windows 10 Pro 64bit |
3DMarkの結果は、そのままグレード順になっている。軽量なDirectX 12テストのNight Raidでは、GeForce GTX 1660 Tiと1660の間に1660 SUPERが来る。ただし、その他はGeForce GTX 1660よりも1660 Tiに近く、いくつかのテストではGeForce GTX 1660 Tiを上回ったものもあった。
ただ、上回ったと言ってもわずかだ。そしてGeForce GTX 1660 Tiの数値が半年前のものなので、その期間におけるドライバの最適化の進み具合も考慮すれば、現時点で再計測すればNight Raidの結果に近いポジションになるのではないだろうか。同一CPUで計測しているため、GraphicsスコアもOverallと同じ傾向にある。
Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsは2560×1440ピクセル、1920×1080ピクセルとも、GeForce GTX 1660 SUPERは1660 Tiとほぼ同じフレームレートだった。ここもGeForce GTX 1660 Tiの計測時期を考慮する必要があるものの、このセグメントのGPUとしてのパフォーマンスは十分だろう。さすがにウルトラ画質は少し足りないが、2560×1440ピクセルの高画質設定で60fpsを超えることができている。
Far Cry 5は、計測中もっとも負荷の高い2560×1440ピクセル、最高画質を含め60fpsを超えた。ここもGeForce GTX 1660よりも大幅に高く、1660 Tiに迫るフレームレートを見せている。なお、GeForce GTX 1660 Tiの値を100%として計算すると、高負荷の2560×1440ピクセルよりも1920×1080ピクセルの方が差が開くようである。十分なフレームレートが出ているので問題ないが、負荷が軽すぎるとGPU側にボトルネックが生じ、高クロック化したメモリに余裕が出てくるのではないだろうかと推測される。
Shadow of the Tomb Raiderでは、GeForce GTX 1660 SUPERが1660 Tiのフレームレートを上回ってしまった。再検証しないことには断言できないが、これはさすがにGeForce GTX 1660 Tiの検証時期(ドライバのバージョン)の問題と思われる。ただ、GeForce GTX 1660 SUPERのフレームレートはなかなか高い。2560×1440ピクセルの最高画質は60fpsをわずかに下回ったが、プレイ自体は問題のないレベルに感じた。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークでは、スコアの傾向はおおむねFar Cry 5と同じだ。2560×1440ピクセル、高品質での評価は「やや快適」。プレイは可能と思われるが、「快適」評価となる標準品質で楽しむのがベターだろう。1920×1080ピクセルに関しては高品質でも「快適」評価が得られている。
VRMarkでは、高負荷のBlue Roomおよび、軽量なOrange Roomについては、あと一歩でGeForce GTX 1660 Tiに並ぶというところだ。Cyan Roomに関しては、GeForce GTX 1660 Tiを上回る結果となった。
最後に、消費電力では検証環境が統一できていない点と、オリジナルクーラー搭載モデルである点を考慮する必要があるものの、おおむねGeForce GTX 1660 Tiに近く、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク時のようにそれを上回ることもあるようだ。ただ、ミドルレンジなりの消費電力に収まっているため特別な注意は必要ない。
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